オトシンクルスは熱帯魚の一種であり、苔取り名人とも呼ばれているように、水槽内の苔を綺麗にしてくれます。水槽の壁にくっついている姿がとても愛らしく人気の熱帯魚です。ここでは、オトシンクルスの飼育方法や注意点などを紹介していきます。
オトシンクルスの特徴
オトシンクルスは南米の魚であり、ナマズの仲間でもあります。吸盤で壁や流木などに張り付き、そこに付着している苔が主食としています。
そのため、飼育する際には鑑賞目的だけではなく、苔を綺麗にするために飼育されることも多い魚です。大きさは5㎝程度であり、性格も温厚であるため、さまざまな熱帯魚と一緒に飼育できることもおすすめな理由の一つです。
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ちなみにオトシンクルスにも種類があり、オトシンクルス以外にもオトシンクルスネグロという種類もあり、飼育しやすい種類です。ただし、飼育が難しい種類もおり、タイガーオトシンは飼育難易度の高い種類です。飼育しにくい理由は人工餌を食べてくれないことであり、苔不足はそのまま餓死に直結してしまいます。

オトシンクルスの飼育方法
熱帯魚の種類によっては飼育する難しさにも違いがありますが、オトシンクルスの場合は比較的容易であり、初心者向けの熱帯魚と言っても過言ではありません。しかし、生物を飼育する上で飼育方法を理解し、快適な環境で飼育する必要があります。次に、オトシンクルスの飼育方法を紹介するので、参考にしてください。
水質や水温を管理する
オトシンクルスに限った話ではなく、熱帯魚を飼育するのであれば、水質や水温に気をつけなければなりません。国内で生息している淡水魚であれば、水温などあまり気にしなくても飼育できる場合がありますが、オトシンクルスの場合は熱帯魚であるため、水温や水質に注意しなければなりません。
まず水温は20~28℃が適温となっています。比較的丈夫な魚ではありますが、季節によって水温は変化しますので適温ではないと弱ってしまったり、病気になるリスクが高まってしまいます。水温を一定に保つためには水槽用のクーラーやヒーターが必須となります。
次に、水質ですが、ph6~7がベストと言われています。phは専用の試験紙で確認することができ、専用の液剤を入れることで調整することが可能です。水換えなどをする際には必ず確認するようにしましょう。

水槽の準備
オトシンクルスを飼育するのであれば、当然ですが水槽が必要になります。浮遊する魚ではないため、そこまで水槽の高さは必要ありませんが、他の魚と混泳させることを考えれば最低でも30㎝程度の水槽がおすすめです。

床材にこだわる
上記でも紹介したようにオトシンクルスは浮遊するのではなく、床や壁などに張り付いて生息する特徴があるため、床材にこだわることをおすすめします。流木や石などは苔が生えやすくなるのでおすすめのアイテムであり、床材はソイルが理想的です。ソイルであれば水質が安定するのも早いです。また、オトシンクルスは夜行性であるため、日中隠れるためのアイテムを用意しておくこともおすすめです。

オトシンクルスの餌は必要になるのか

オトシンクルスの主食は苔であり、長く水槽で飼育していれば必然的に苔が水槽内部や石や流木などに発生します。そのため、オトシンクルスのために餌を用意しなくても良いと考える人もいるのではないでしょうか。次に、オトシンクルスに餌は必要になるのかを詳しく紹介していきます。
黒髭苔や藍藻は食べない
上記までにオトシンクルスの主食は苔であることを紹介しましたが、苔であればなんでもよいというわけではありません。そのため、場合によっては苔が発生していても食べない可能性があります。
苔のなかでも黒髭苔や藍藻は食べないので注意しましょう。黒髭苔は名称にあるように黒い色の苔であり、水草の表面や石などに発生する場合が多いです。藍藻は床材や水面を覆うように繁殖する厄介物です。
厳密には苔類ではなく菌類であるため、オトシンクルスも食べません。藍藻は水の流れができるように工夫することで繁殖を抑えることが期待できます。
人工の餌が必要になる
オトシンクルスが食べる苔が繁殖していても人工の餌がいずれ必要になる可能性が高いです。その理由はオトシンクルスの苔除去能力が非常に優れているからであり、水槽の大きさや飼育しているオトシンクルスの数にもよりますが、高い確率で苔不足に陥ってしまいます。
そのような状況になると餌がないため、栄養不足になり、弱ってしまう原因になります。そのため、人工の餌も必要になります。しかし、オトシンクルスに人工の餌を与えることは難易度が高く、なかなか食べてくれない場合も珍しくありません。
そのような場合には茹でたほうれん草と一緒に人工餌を与えるようにしましょう。茹でたほうれん草はオトシンクルスでも食べやすい野菜であり、一緒に人工餌を与え、食べることで食べることができるという認識を持たせることができます。

オトシンクルスを飼育する際の注意点
オトシンクルスは比較的飼育しやすいため、上記で紹介した飼育方法を参考にすれば、問題なく飼育できる可能性が高いです。しかし、注意しなければならないこともあり、飼育する前に把握しておくことをおすすめします。
飼育する数に気を付ける
オトシンクルスを飼育する際には数に気をつけましょう。理想は1匹だけで飼育することです。その理由は飼育する数が多いと苔不足に陥りやすいからです。水槽が大きければ苔が発生する場所も量も増えますので、2匹以上でも問題ないですが飼育環境を見極めて飼育数を決めましょう。
一緒に飼育する魚に気を付ける
オトシンクルスは他の熱帯魚と一緒に飼育することもでき、そうすることで水槽内が華やかになり、鑑賞用としても楽しむことができます。オトシンクルスは温厚な性格であり、苔が主食でもあるため、他の魚を攻撃することはありません。
しかし、逆に魚に攻撃されてしまう危険性があります。そのため、オトシンクルスと一緒に違う魚を飼育するのであれば、大型魚ではなく、小型魚で温厚な性格な魚がおすすめです。これらの条件をクリアしている魚であれば、基本的にオトシンクルスと共存することが可能です。
水草を食べる可能性もある
オトシンクルスは場合によっては水草を食べてしまうこともあります。そのため、水草は配置しないほうが良いと考えてしまいやすいですが、日中身を隠すアイテムとして水草はあった方が良いです。オトシンクルスが水草を食べる原因は餌が不足しているからであり、人工餌を食べるようにさせていれば基本的に水草を食べてしまうことは少なくなります。
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まとめ
オトシンクルスは飼育しやすいですが、注意しなければならないこともあるので事前に確認しておくことをおすすめします。苔の掃除として飼育される場合も多いですが、見た目も可愛らしいので、熱帯魚を飼育していたり、苔の繁殖スピードに悩まされている人は、オトシンクルスを飼育するようにしてはいかがでしょうか。