【魅力たっぷり水中葉】ロタラの種類と育て方を徹底解説

ロタラはフトモモ目ミソハギ科キカシグサ属の抽水植物で、国内にも6種類が確認されており、湿地や水田など止水域かつ富栄養化が進んだ土地を好み、水上・水中どちらにも適応できるたくましい植物です。

アクアリウムでは専ら水中葉の水草として使われていますが、国内種は生息地の減少と共に急速に姿を消しつつあるのが現状です。まず国内種は市場に出回らないので、販売されるロタラは個人栽培か東南アジア原産のものがほとんどです。

アクアリウムはもちろんアクアテラリウムなどにも応用が効き、独特の葉色も相まって多くのアクアリストに支持されている、魅力満載の「ロタラ」について育成方法や種類などに焦点を当てていきます。ぜひ参考にしてみてください。

ロタラの種類と特徴

ロタラには多くの種類があり、水槽のイメージに合わせてロタラを選ぶのも魅力のひとつです。ここでは代表的なロタラをいくつか紹介します。

グリーンロタラ

現在販売されるロタラはほとんどが「グリーンロタラ」です。日本在来種でもあり姿を減らしつつある事情から、販売されているものは外国を故郷に持つグリーンロタラと考えましょう。鮮やかな緑色の葉色を持ち、主に後景の水草として根強い人気を持ちます。

ロタラ・ マクランドラ

グリーンロタラと真逆な種が商品名「レッドリーフバコパ」こと「ロタラ・ マクランドラ」です。葉の赤みが強いという珍しい特徴を持ち育成もコツがいるため、中～上級者向けの難関種です。

ロタラ・ロトンディフォリア

赤いロタラがいいけどロタラ・ マクランドラは難しいという方には赤色ロタラ入門種の「ロタラ・ロトンディフォリア」がおすすめです。本種は珍しく二酸化炭素を必要としません。光量が少ない環境下でも栽培可能で、グリーンロタラと並び初心者の方にお勧めしたいロタラです。

ロタラ・インディカ

「ロタラ・インディカ」は国内の水田にも自生します。キカシグサという名前が有名で90年代半ばまで身近な植物でした。インディカは二酸化炭素を添加すると葉裏にたくさんの酸素気泡をつけ、更には赤みが強くなります。

種ごとに見て行くとロタラは基本的に赤色系の水草ということが分かります。

緑葉系ロタラの代表種が「ロタラ・ナンセアン」「ロタラ・ワリッキー」です。ナンセアン・ワリッキー共に二酸化炭素の添加がなければ育成が極めて困難です。ワリッキーはリスノシッポという和名で販売されることがあるので気をつけて下さい。

ロタラ全般に言えますが、本種は極めて強い日光を好みます。必要な光量はLEDライトで約3000ルーメン、蛍光灯は最低で3灯式ライトです。強い陽性植物なので光はもちろん、二酸化炭素や肥料がないと本来の美しい姿を再現することは難しくなります。

ロタラはこんな人におすすめ

ロタラは主に水草水槽を主体とするアクアリスト向けの水草です。

3000ルーメン超の光量を持つLEDライト、取り扱いは少なくなりましたが3灯式以上の蛍光灯ライトはかなりのお値段です。更に本来シャコガイやサンゴなど体内の褐色菌から栄養を摂る海洋生物のために開発された「メタルハライドライト」通称「メタハラ」を使うマニアもいるほどです。

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そして二酸化炭素を水中に添加する設備とそのボンベ、水草用肥料も欠かせません。

最もよく見かけるグリーンロタラも同様の育成設備が望ましいので、大半のロタラが初心者向けではありません。水草水槽用設備を十分に整えると場合によっては10万円超になります。

そのため水草水槽に十分慣れ、それに見合う設備を持つ熟練者向きの水草…それがロタラと考えていいでしょう。

ただ諦めるのは早計です。前項でも述べた「ロタラ・ロトンディフォリア」そして少し手間はかかりますが「グリーンロタラ」は初心者でも育成可能です。マニアのみ受けつけ間口が狭い印象のロタラですが、この2種は初心者にもすすめられます。

ロタラの育て方

アクアテラリウムやビオトープと多様なシーンで育成可能なロタラですが、ここではアクアリウムにおける水中葉の育て方について説明します。

ロタラを育てる基本的環境は

LEDライト3000ルーメン以上、蛍光灯ライト3灯式以上（メタハラも使用可）

25℃以上の水温

弱酸性の水質と底砂

二酸化炭素（※一部の種を除く）

水草用液体肥料（※一部の種を除く）

の5つです。

例外的にロタラ・ロトンディフォリアは水温と光のみ、工夫次第でグリーンロタラは二酸化炭素の添加と液肥は不要になります。ただしもちろんこの2種類のロタラも、4つ全てが揃った環境下で育てる方が望ましいのは確かです。

この環境を一度用意してしまえば、かなりの速度で新芽を出し爆発的に増えるケースもあります。過剰な光や二酸化炭素添加は他の生体にダメージを与えるので、ロタラの成長具合をよく観察して適宜調整して下さい。

二酸化炭素添加には一応の目安があります。1秒1滴でロタラは短期間で大きく成長し、半分の1秒2滴に増やすと長期に渡る育成に繋がります。光や養分・同居魚の種類や数にも左右されるので、一応の目安と捉えましょう。

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トリミングへの体制も強く、ちょっとやそっとのカットでは弱りません。頻繁なトリミングもロタラを育てる際の重要ポイントです。反対に新芽や親葉が黄色みを帯びたら危険信号です。代謝の早いロタラはそれだけ栄養分を必要とするので、液体肥料を施肥し早急に対処します。

根を張る底砂内の栄養分も減りやすいので、沈下式タイプの固形肥料も有効です。

肥料の基本は定期的な施肥です。目安は水替え直後でしょう。定期的な水替えの際は残餌やフンなどを水と一緒に吸い込んで除去します。フンは水草の栄養分でもあり水中にも栄養素は溶け込んでいるので、水替え直後が適期という訳です。

この様に初期環境さえ整えば、ロタラの育て方について特筆する事はほぼありません。それだけ環境に力を入れるべき水草だということです。

ロタラを育てる際の注意点

最も陥りやすいケースが光量不足による生育不良です。

グリーンロタラとロタラ・ロトンディフォリア以外のロタラは強い光を必要とします。光量不足はLEDライトを数機設置し対処してみて下さい。

蛍光灯の場合は買い直すしかないでしょう。ただ普段ショップ巡りをしている身からすると、そもそも蛍光灯を取り扱う店が見当たらない状況です。滅多に手に入らない存在となってしまったため、AmazonなどのECサイトでも異常な高値がついています。

結論を言えば初期投資に光量の強いLEDライトを購入すべきです。維持費などを考えれば将来的にお得になります。

二酸化炭素の添加にも気をつけましょう。

ロタラを始め水草も夜間は呼吸をします。タイマーを使う際も安心できません。故障を見逃したら生体は全滅、水草も弱ってしまいます。消灯時に限らず水槽用機器に頼り切りはNGです。必ず目視で飼育機器の状態を確認する癖をつけましょう。

見落としがちなのが根株と根を張る「底砂」です。

野生下のロタラは水田や湿地帯の泥質に自生します。極端な泥はフィルターの目詰まりになり水漏れの原因となるので、性質が似ている「ソイル」がベストです。元々泥を高温化で球状に圧縮したものがソイルです。長期使用時は型崩れし本来の泥になるので定期交換が必要ですが、弱酸性に傾きやすくソイルそのものに栄養分も含まれています。ほとんどの水草に向いている底砂なので一度は試してみて下さい。

ロタラのおすすめレイアウト

野性下のグリーンロタラは約40〜50cmと非常に大柄です。この特性を活かせばアクアリウム下でも巨大水槽の水草レイアウトに向くでしょう。二酸化炭素を加えると葉と葉が密になるので、緑系ロタラは存在感が大きく見栄えすること間違いなしです。

反対に赤系ロタラも緑一辺倒になりがちな水草水槽のアクセントとしておすすめです。

水量を水槽全体の半数から1/3程度に抑えるアクアテラリウムにも適役です。この環境は本来ロタラが自生する場所そのものです。飛び出し事故の多いハチェットなどの表層魚、特殊例ですがイモリなどの両生類などとの共生も可能です。

光量や二酸化炭素を調整し成長を遅らせることで中景水草にもなります。もちろん後景水草としての使用は言うまでもないですよね。

他には南米ウィローモスやリシアなど、いわゆる絨毯系の前景水草との相性も抜群です。特に本来浮草であるリシアは盛んに酸素気泡をつけるので、ロタラと並べると壮観な構図になります。

この様に必要な環境さえ整えば多種多様なシーンに使用でき、その育成も容易な水草…それがロタラです。

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まとめ

今回はロタラの種類や育成方法全般についてお話ししました。

一読すると「お金がかかる水草」と考えがちでしょう。

しかし将来的にオリジナルの水草水槽を作りたい！そんな想いを持つアクアリストには打ってつけの水草です。

アクアリウムと水草は切っても切り離せません。今回ご紹介したロタラをきっかけに、ぜひ水草水槽にチャレンジしてみて下さい。