アクアリウム界でメダカと言えば黄色変異種のヒメダカが主流でした。黒メダカが稀に入荷する程度で、扱いは肉食魚用の餌などかなり雑なものです。ところが最近、メダカを取り巻く事情は驚くほど変わりました。
改良品種が増えた事に加え飼育のし易さから、メダカブームが巻き起こります。
当然、改良品種もヒメダカに準じた飼育が可能です。繫殖が容易な事から個人的な戻り交配・変異種固定・優性遺伝子の人為的発現などが繰り替えされ、つい最近までは想像できなかった、驚く様な品種も簡単に手に入ります。
2000年代初頭から広まったメダカブームは、現在アクアリウム界で一躍注目を浴び、人気分野に昇りつめます。
今回はアクアリウム界だけでなく日本人に昔からお馴染みの「メダカ」について取り上げます。遺伝など小難しい話がある一方、産卵から稚魚・成魚、そして寿命というライフサイクル、その全てを飼育下で行える魅力があり、メダカ飼育は今後も飛躍を続けることでしょう。
本記事はメダカ飼育の基本部分に焦点を当て、初心者でも楽しめる飼育術をご紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
メダカの基本的な屋外飼育方法

2010年代からメダカ飼育に特化した野外飼育ケースがショップの主流になりました。水槽がメインだったメダカ飼育の幅が広がります。まずは屋外飼育をメインに据えた飼育方法を説明しましょう。
メダカを屋外飼育する際の注意点
屋外飼育ケースは手入れしやすい「プラ舟」が候補に挙がります。複数のケースをまとめてろ過する循環システムが簡単に作れる上に、品種ごとの接触を防ぐので偶発的な混じり品種も防げる訳です。「中サイズ・大サイズのプラ舟」「スイレン鉢」などケースは多岐に渡ります。水槽より安価で丈夫、そんな利点からメダカ飼育の基本ケースと呼べるでしょう。
メダカは四季に対応しているので水温には柔軟さを持ちます。25℃になると活性化し繁殖を行うので、春期の水温は気にしなくて良いでしょう。同様の理由で秋頃の屋外飼育も支障は生じません。
最も気をつけるのが冬と夏です。
夏場は園芸用の遮光カーテンやスダレなどを利用し、ある程度の水温上昇は抑えられます。それでも屋外水温は40℃近くになります。風通しの良い日陰にケースを置き水温には気を配りましょう。
浮草のホテイアオイは夏場の日よけになります。ハスやスイレンなどの抽水植物もおすすめです。更に流木などで隠れ家を作るとメダカが落ち着く上に日陰を作れるのです。
真冬に入ると自然界のメダカは落ち葉や水草などの間に挟まり冬眠します。住んでいる地域に依存し、九州南部や四国南部などの暖冬地域ならメダカ自らが冬眠を避ける事もあります。その他の地域の飼育者は冬眠を維持させるか、屋内飼育に移行するかの2択です。
注意したいのは冬眠のメリット・デメリットです。
冬眠に失敗し死亡する個体は少なくありません。逆に冬眠を経験させるとメダカは繁殖成功率が上がります。冬眠を経験する事で繁殖ホルモンが活性化するからです。
かなり迷いますが、こればかりは各飼育者の目標に合わせましょう。繁殖や品種改良を目指す方、観賞用メダカとして大切に飼育したい方、諸々の事情があるからです。忘れがちですが屋外でも水温計は必ず設置して下さい。
メダカに与える餌
メダカは基本的に表層魚なので人工飼料は浮遊性のものを用意して下さい。たまにおやつ感覚で冷凍アルテミア・ミジンコなどを与えても良いでしょう。アカムシはメダカの口にはやや大きすぎるので、適宜カットし食べやすくします。
そして最もメダカにとって最も良い餌が「生き餌(活餌)」です。
近くに水田があればミジンコが採取可能です。自然界でもミジンコは最適な生き餌です。そんな環境がない方はイトメで代用しましょう。
屋外飼育である程度日光があたる環境下では多くの微生物・淡水プランクトンが自然発生します。自然を再現したビオトープは際たるもので、経験上全くエサいらずでも続々と繁殖してくれたものです。

メダカが好む水質
水質は中性から弱酸性を好みます。その維持に有効なのが水換えです。目安として最低7〜10日間に飼育水全体の1/3は水替えをしましょう。初春や夏場はメダカの代謝が上がるので頻度を増やす必要があります。
pH測定器は一台は持っていた方が良いです。かなり便利なアクアリウム用品で、その有無で飼育のし易さは雲泥の差になります。

メダカの水槽での育て方とメリット
メダカを水槽で育てる際の基本は先の項と同じですが、唯一異なるのがシーズン毎の寒暖差です。
屋内での水槽飼育は人間の生活に合わせた形です。そのため日光や四季の温度差など自然環境の影響はほぼ受けません。そのためより安全な飼育に繋がります。更にメダカの体全体を観察可能で、早期の異常発見が可能というメリットがあります。
水槽飼育の適水温
水温調整をすることで繁殖期を意図的にずらし、年間を通して繁殖を行える利点があります。
成魚の性成熟のトリガーは水温25℃です。ヒーターとサーモスタットを使えば冬場でも簡単に繁殖が行えます。累代飼育を重ね新たな品種を作成したい方には水槽飼育は最適な環境でしょう。
少し見渡しただけでも水槽飼育にはこれだけのメリットがあります。もちろん屋外飼育に敵わない点もあり、どちらの飼い方が正解という訳ではありません。
メダカ水槽に適したろ過機
平均値が3.5cmであるメダカは小型魚そのものです。ろ過機に関してはパワーフィルター並みの能力は求めません。スポンジフィルター・投げ込み式フィルターが最も適しています。
自然界では止水を好み、流れの緩やかな水田周りや小川に生息します。出水の勢いが強いパワーフィルターは不向きで、上部式フィルターまでが使用できる限界ラインですね。
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メダカ水槽の照明の必要性
屋内飼育の場合は設置した方が明らかに良い結果に繋がります。メダカの水槽飼育においては出来るだけ水槽照明を用意してあげましょう。
ビタミン作成やホルモンバランスの調整に必須で、太陽光には負けますが繁殖誘発にもなります。更に底砂を入れれば観賞映えする上に、フンなどを分解するバクテリアも発生します。相性の良いカボンバやキンギョモといった水草も植えられるので一石二鳥です。
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メダカの水換えのやり方
屋内・屋外飼育かどうか、そして飼育水の容量で水替え頻度は変わります。水量が多い方が水換え頻度は減り、その逆は小まめに行うべきです。水換え頻度の目安は飼育環境で大幅に異なります。
一応の基準値は60cm規格水槽で「1週間から10日に一度、半分ないし1/3」が基本です。ただし状態をよく観察し健康に育っているようでしたら、それほど神経質にならなくても良いでしょう。これは屋外・屋内での飼育どちらにも当てはまります。
水替え方法ですが気を付けるべき点が数点あります。
冬眠時の水替えは必要ない
初春の水替えの際は卵や稚魚の吸い込みに気を配る
この2点です。
冬眠時は代謝が落ちるので水質は悪くなりません。腐敗菌などの悪玉バクテリアも発生せず、水換えは控えましょう。メダカ達を冬眠から起こさないことが最優先です。
水温が25℃を超える初春は知らない内に産卵し稚魚が泳いでいる…そんな事があります。屋外飼育の際に起こりやすいので、この時期の水換えは卵・稚魚の有無をよく確認しましょう。
メダカの種類や特徴
メダカは2019年時点で552もの品種と種類が報告されています。熱帯魚の卵生メダカ等も近縁ですが、本項では昨今のブームになぞらい、国産種やそれを元親とした品種群についてご紹介していきます。
メダカ(野生種)
まず日本人になじみの深い野生種メダカですが、急速にその数を減らしています。2003年には環境庁レッドリストに「絶滅危惧種」と記載されてしまいました。各地で保護活動が行われており日本産メダカを飼育することは暗黙の禁止事項です。
昔から日本産メダカは1種類とされてきました。ところが2011年に行われた調査で青森県から兵庫県にかけての日本海側に生息するメダカは全くの別種ということが判明します。2013年に学会へ正式報告され「キタノメダカ」と名付けられました。この他の地域に生息するメダカは「ミナミメダカ」と命名されメダカは2種類に増えました。
両種とも日本国内にのみ生息する、日本固有種です。

ヒメダカ

通称黒メダカの呼称を持つ野生種、その黄色変異体が「ヒメダカ」です。江戸時代以前から親しまれ、現代においても全ての改良品種たちの元親となります。
一般的にメダカと言えばこの種を連想するでしょう。アクアリウムシーンでは中型・大型肉食魚や水生昆虫・イモリなどの両生類の生き餌として販売されています。

ピュアブラックメダカ(俗称:黒べえ・PB)

2001年に広島県めだか館で作られた品種です。既に黒メダカという言葉があったため、ピュアブラックと名付けられました。
単なるメラニズム(※アルビノと真逆の個体)ではなく、明るい容器で成育すると淡い黒色になり、終始一貫した黒さを保ちません。更にPBの稚魚はそのほとんどが先祖返りを起こすのでPBそのものの品種固定が非常に困難です。
この2点の要素のため当時はさほど目を惹きつける種類ではありませんでした。現在はこのPBを元親に、様々な品種系統が確立されています。

楊貴妃(ようきひ)メダカ

2004年にメダカの新品種として衝撃的なデビューを果たしたメダカ、それが楊貴妃メダカです。成長するにつれ全身が朱色に包まれる本種は、今日のメダカブームの火付け役に他なりません。
作出元は前述の広島県「めだかの館」です。
楊貴妃メダカはヒメダカの累代飼育を重ねに重ね、偶発した朱色のメス1匹から品種作出が始まります。このメスから産まれた6匹の仔を何度も交配し、楊貴妃メダカという改良品種の固定に成功しました。
飼育下で累代飼育を重ねるとごく稀に「戻り交配(いわゆる先祖帰り)」を起こすことがあり、黒メダカやヒメダカが誕生するケースもあります。

白メダカ(アルビノメダカ)

2004年頃に人気を博したアルビノ種です。長い間メダカのアルビノ種はおらず、楊貴妃と共に高い人気を誇りました。黒色色素メラニンを欠乏するので黒目は赤く全身が真っ白です。日光や水槽照明などの光に弱く、飼育には注意が必要です。
視力も弱いので給餌の際は口元に少量を確実に落とし、しっかり飲み込むまで確認して下さい。
ブームは残念ながら一過性でしたが、その後の品種改良の元親として様々な改良種にその地は引き継がれています。

幹之(みゆき)メダカ

楊貴妃メダカに続き初めて目にする青系メダカに驚いたものです。「メダカでも根気強い品種改良でここまでの種が作れるのか」と業界すら巻き込みメダカ人気を不動のものにしました。
2007年初開催の『メダカ品評会』で菅高志氏が“背中光強メダカ”として発表した個体が初出です。その背中光強メダカを元にし「めだか館」がより強い青色体外光を持つ「幹之メダカ」を産み出します。
因みにこの「幹之」という名は第一発表者である菅氏の娘さんの名前だそうですよ。

ダルマメダカ

脊椎が短く寸詰まりの体型が特徴です。奇形種ではなく野生種からも発生します。メダカとしては珍しい飼育難関種です。
野性・飼育下共に28℃~30℃の高水温で繁殖させると産まれやすいのですが、ダルマメダカ同士を掛けあわせても先祖返りを起こし、その品種維持が極めて困難です。泳ぎや摂食が下手なので他種より水流や餌やりは慎重に行います。水温は28~30℃に設定しましょう。これ以外の水温下だと長期飼育は難しくなります。
2010年前後はこの様な体型変化種が好まれましたが、徐々に改良品種はその色合いに特化しつつあります。

出目メダカ

出目メダカは出目金の様な突出した眼球を持つ品種です。
2006年ごろに作出されました。出目メダカは通常のメダカより頭蓋が短く、そのため本来収まるべき目が突出する品種です。その反面非常に丈夫な品種であり、餌食いや水質・水温への耐久性が強くなります。出目メダカ自体が交配しても8割は遺伝するので、かなり安定した品種とも言えるでしょう。

メダカの繁殖方法
メダカの繁殖は小学校の教材に使われるほど容易で、屋外やビオトープで飼育していると知らない内にチョロチョロと稚魚が泳いでいるほどです。
注意事項はありますが、実際はそこまで気にしなくても良いのでは?というのが個人的な感想です。もちろん品種系統を維持したり品種改良を目指す飼育者はこの例に漏れますが、繫殖の基本ができていなければそもそもが始まりません。
メダカの繁殖のポイント
メダカの繁殖方法は以下の通りです。
水温25℃以上の環境(できれば28℃以下)
産卵床のシェロや水草を投入
性成熟したオスメスのメダカを2:3の個体比で飼育
日照・照明時間を日中約13時間ほど保つ
いわゆる飽和給餌(満腹になるまで給餌)方法を取る
以上の5つの流れを守れば、全く難しくありません。
水温28℃以上だとダルマなどの劣性遺伝が出やすく、その後の稚魚育成が難しくなります。産卵床はヤシ繊維などを束ねたシェロ・カボンバやアナカリス等の水草などの市販品を用いましょう。
たまにオスメスの相性不和のため産卵しないケースも起こります。メダカは水温20℃ほどで既に交尾・放精をし始めるので、この時期のオスの動向に注目しましょう。各ヒレを震わせメスの排泄孔辺りを突く様な求愛行動が見られれば、そのペアの産卵はまず上手くいきます。
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卵の管理方法
しばらくするとメスのお尻…つまり総排泄口に付着糸を持つ卵塊をぶら下げます。脆そうですが非常に固く、指でつまんだ程度では割れません。用意した産卵床に付着させるか、慎重に管理したい方は卵を取り上げましょう。
卵採取には“筆”を用意して下さい。煮沸消毒すれば尚更ベストです。この筆でメスの卵を絡めとり卵と親魚を分離します。採取した卵は必ずほぐし、死卵・無精卵は除去します。水温25℃で管理し1日13時間の日光を当てます。LED照明でも問題ありません。
一番の厄介者が死卵・無精卵につく“水カビ”です。有精卵にも感染するので見つけ次第、必ず間引きましょう。飼育水は一日ごとに全換水して下さい。
卵の管理に便利なのが「メチレンブルー水溶液」「水道水」です。普通は塩素を除去して使う水道水ですが、卵の場合は耐性が強いので影響は受けません。塩素がカビはおろか細菌・ウィルスも抑えるのでお手軽な方法です。
メチレンブルーは規定量だと卵にダメージを与えるので1/10かそれ以下を目安に希釈しましょう。水カビに有効であり、死卵・無精卵を青く着色する効果があります。
メダカの稚魚の育て方
水産学、特に養殖の分野は『積算温度』という単語を使います。孵化に至るまでの合計温度でメダカの場合は250℃…つまり水温25℃で10日、20℃なら12.5日≒12~13日で稚魚が誕生する訳です。
いざ稚魚が孵化したらどの様な育て方をすればいいのでしょうか。
頑健な稚魚に育て上げるには?
「初期餌」が最も重要です。初期餌の質が悪いと病弱で不健康に育つので、この時期が要になります。
稚魚の口は小さく捕食も下手です。野性界では豊富な微生物を口にしますが飼育下ではそうもいきません。人工飼料を砕いたり「稚魚用飼料」や「ゆでた卵黄」も口にしますが、生き餌を与えた方がベターです。稚魚用微生物を入手する方法は以下の通りです
- 孵化直後のブラインシュリンプ
- グリーンウォーターの導入
- PSBを与える
- ECサイトで購入
1のブラインシュリンプは2~3年休眠卵で過ごす甲殻類で、ほとんどのお店で購入できます。約24〜48時間で孵化したオレンジ味が深いものは、栄養の塊なので初期餌にピッタリでしょう。正の走光性があり懐中電灯などの光に群がります。そこをスポイトで吸い取り使用済みストッキングで濾して与えましょう。
2のグリーンウォーターが一番お手軽で最適です。水道水を1~2ヶ月太陽に晒し真緑になった水がそれで微生物を大量に含むので、稚魚育成はこれだけで済みます。十分なスペースがないと作れないのが欠点でしょう。
3のPSB(光合成細菌)は親魚の水質浄化に使われますが、初期餌にも使用可能です。キャップ一杯ほどを飼育水に入れ光が差せば、爆発的に増えるので使い勝手も良いでしょう。
4はかなりの例外です。最近Amazonなどで餌用ゾウリムシ等をよく見かけます。かなり良い餌なのですが不安要素は移送でしょう。口コミなどを参考に実績のある出品者を探してみて下さい。
餌以外に必要な環境は以下の通りです。
水温25℃~27℃
飼育水は可能な限り中性(pH7.0前後)
エアポンプ・ろ過機は使わない
メダカの稚魚は誕生から2週間までが特に気を使います。水温・水質は言うまでもないですが、エアーポンプやろ過機で水流を作ると途端に弱ってしまいます。この時期の水槽内酸素・ろ過は水換えにのみ頼りましょう。
孵化から3日後までの稚魚
孵化直後の稚魚は遊泳能力を欠き水底で2日間ジッとします。ヨークサックから栄養が供給されるので見守りに徹しましょう。
3日目頃から遊泳を始めます。環境は親魚と同じで25~28℃の水温を保ち、稚魚の時点でカルキは完全に抜いて下さい。
生後2週間後の稚魚の育て方
針子体型を脱し親魚に近い体型に変化します。この時期で約1.0cmなので稚魚の状態はひとまず安定といった所です。この時期もエアーやろ過機は使用せず、照明も13時間点灯し続けましょう。稚魚は全身に光を浴び、成長に不可欠なビタミンA・ビタミンDを体内生成します。
ここまで来たら稚魚用の人工飼料をメインに据えて構いません。
一か月後の稚魚の育て方
稚魚(仔魚)は約1.0〜1.5cmまで成長します。既に親魚と変わらない体型です。
エアーやろ過機の導入時期もこの頃です。稚魚が泳ぎ疲れるようなら無理に入れない方がいいでしょう。餌はまだまだ稚魚用飼料がメインですが、時々親魚用の成魚飼料を与えてみて下さい。
一ヶ月以降はたっぷり餌やりをし、立派な成魚に育て上げましょう。
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メダカの寿命
メダカの寿命は野生界で約1~2年、飼育下では約2~3年です。非公式記録ですが最大5年間生きたメダカも報告されています。
もちろん個体差や環境差で寿命は変動するでしょう。ただ、産卵や繁殖などのライフサイクルを経験すれば、小さな体に負担が溜まります。生息地では最小の魚なので被捕食者という立ち位置になりやすい点も影響しているのではないでしょうか。
ヤゴやタイコウチ等の水生昆虫・アカハライモリなどの両生類・そして人間と天敵が多い自然界ではより短命に、安全な飼育下では少しだけその寿命が延びます。
短命な分「多産」なのがメダカを始めとした小型魚の共通項です。もしその特徴がなければここまでのメダカブームが巻き起こることはなかったかも知れませんね。
まとめ
今回はメダカ全般の基本について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
馴染みの深い魚ですが、いざ調べると実に奥が深いですね。さらに改良品種は従来のメダカのイメージを180°変えてくれることでしょう。
改良品種や専門機器も十分揃っていて、飼育環境が簡単に整えられるようになりました。
ぜひ皆さん、魅力あふれるメダカ飼育を始めてみてはいかがですか。