

小さくてまるっこいキュートな見た目をしたアベニーパファー。
見た目のかわいさや、ぴょこぴょことした泳ぎ方に癒されて「飼育してみたい」と思った方も多いのではないでしょうか?
本記事では、アベニーパファーの特徴や飼育方法、飼育するうえで注意すべきことについて詳しく解説していきます。
アベニーパファーはどんな魚?

アベニーパファーとは、インド南部やスリランカの小川などに生息している世界最小の淡水フグの仲間です。
最大でも2.5cm~3㎝ほどまでにしか成長せず、小型水槽でも難なく飼育ができるので飼いはじめやすいペットとして親しまれています。

アベニーパファーの特徴
名前 | アベニーパファー |
原産 | インド南部・スリランカ淡水域のみに生息 |
寿命 | 3年前後 |
食性 | 生餌を好む |
アベニーパファーは淡水で飼育ができる珍しい種類のフグです。オスには目の横に白っぽい縦線があり、繁殖期にはアゴから腹部にかけて婚姻線が入ります。
メスには目の横に白っぽい縦線が存在しません。アベニーパファーは、小さくプクプク泳ぐかわいい見た目とは裏腹に、縄張り意識が強く、荒い性格を持っています。口の中にはするどい歯を持っており、ヒラヒラしたものに噛みつく習性があるため他の魚との混泳は難しいでしょう。

アベニーパファーの名前の由来
実は、アベニーパファーは和名で、日本国内だけで呼ばれている名称です。英名では「Malabar pufferfish」「Dwarf pufferfish」などと呼ばれています。
日本で「アベニーパファー」と呼ばれるようになった理由は、市立しものせき水族館「海響館」で解説されていました。
"この種名については、アクアライフ編集部(2008)に解説が載っており、スリランカからジャングルパファーのインボイスで入荷したが、取扱業者のスタッフの方でフグ好きなアベさんがおられ、さらにフグの分類の権威の先生にも阿部さんがおられるということから、アベさんという名前にはフグ好きが多いなという理由でつけられたとのことです。"
引用:海響館公式ホームページより
アベニーパファーがオススメなのはこんな人
「アベニーパファーを飼育してみたいけど、自分に合うか分からない」と悩んでいる人もいると思います。
アクアリウム初心者や、魚自体飼育したことが無い人にとっては、「自分がちゃんと飼育できるのか」「そもそも自分の性格や環境に適したペットなのか」は気になるところですよね。アベニーパファーがオススメなのは以下の4つに当てはまる人です。
アクアリウムをはじめたいけど場所を取りたくない人
アクアリウム/魚の飼育初心者
癒しがほしい人
丁度よい期間で飼育したい人
なぜ上記の4つに当てはまる人におすすめなのか詳しく解説していきます。
アクアリウムをはじめたいけど場所を取りたくない人
アベニーパファーは最大でも3cmほどまでしか大きくならないため、20cm~30cmの小型水槽で飼育することができます。
アベニーパファー同士で混泳させたいなら最低でも45cmの水槽は用意しておいたほうがよいでしょう。


アクアリウム/魚の飼育初心者
アベニーパファーは他の熱帯魚と比べて気性が荒く、餌も生餌や冷凍虫が必要といった難しさがあります。
しかし、水質変化や水温にそこまで敏感な生き物ではないため、初心者の方でも容易に飼育できる魚です。

癒しがほしい人
小さなヒレをぴょこぴょこ動かし、まるい目をキョロキョロさせながら泳ぐ姿はとてもかわいくて癒されます。
毎日忙しくて少しでも癒しが欲しい人にはぴったりの生き物です。

丁度よい期間で飼育したい人
どの生き物を飼うにしても飼うと決めた以上、命を持つ生き物を育てるわけですから最後まで責任を持って飼育する必要があります。1度もペットを飼ったことがない人は「最後まで責任を持って育てられるか」と不安に思い、飼うか飼わないか悩むこともあるでしょう。
アベニーパファーの寿命は3年ほどしかありません。そのため「まずは長すぎず短すぎない丁度よい期間で飼えるペットから挑戦してみたい」といった方にもおすすめできる魚です。
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アベニーパファーの飼育方法
アベニーパファーの魅力や特徴が分かったところで、ここからはアベニーパファーの飼育方法について詳しく解説していきます。
これからアベニーパファーをお迎えしようと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
販売されている価格と場所
アベニーパファーは、ホームセンター内にあるペットショップやネットで販売されていることがほとんどです。価格は200円~600円ほどで販売しています。ネットで購入するときは口コミをチェックして信頼できるショップから取り寄せるようにしましょう。

水槽の立ち上げについて
アベニーパファーをお迎えする前に、水槽の立ち上げを行ってアベニーパファーが過ごしやすい環境を作っておきましょう。
立ち上げ手順は以下の通りです。
水槽の置き場所を決める
底砂を洗う
水槽に2cm~4cmほど底砂を入れる
石や低木を入れて隠れ家を作る
ろ過フィルターを設置する
カルキ抜きをした水を水槽に入れる
バクテリア材を投入する
器具の電源をつける
水の濁りが消えるまで待つ
水がきれいになったらアベニーパファーを入れる
水質について
アベニーパファーには28℃~30℃の水温が適しています。低温に弱い魚なので、冬場は特に気を付けてください。水槽と一緒にヒーターと冷却ファンも一緒に購入しておくのがおすすめです。

水質は弱酸性~弱アルカリ性の水を好むので、常に水質がチェックできるようPHが測れる測定器を購入しておきましょう。

水草について
水草のサイズは水槽に合わせて選びましょう。
アベニーパファーと相性が良い水草は以下の通りです。
マツモ
アヌビアスナナ
アナカリス
ウィローモス
上記の中でも1番おすすめなのはマツモです。1本数百円で購入でき、1本でも勝手に増えていってくれるのでお財布にも優しい水草です。見た目がきれいな上、水質の浄化も行ってくれるためアベニーパファーと相性のよい水草といえるでしょう。


生体と同じペースでどんどん大きくなっていくので、かじる癖があるアベニーパファー相手でも安心です。水草のお手入れが面倒だという人は人工水草でもかまいません。人工水草は普通の水草と違って害虫が混入する心配もありませんし、レイアウトのしやすさや劣化のしにくさの面をみると初心者に最適なアイテムといえます。
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清掃の頻度
清掃は1週間に1度、水の3分の1の入れ替えを行いましょう。
フィルターは1週間~3ヵ月に1度のペースで清掃を行うのが好ましいです。


餌について
アベニーパファーは肉食の魚なので、生餌や冷凍虫を好んで食べます。小型のエビや貝類なども捕食対象です。小さい見た目をしていますが、意外と大食いなので餌の与えすぎには注意しましょう。頻度は1日に2~3回ほどが好ましいです。

アベニーパファーは環境の変化に弱い生き物なので、飼育しはじめは食いつきが弱く、拒食になってしまう個体もいます。無理に与えすぎず、少しずつ与えましょう。

アベニーパファーを飼育する際の注意点
アベニーパファーは初心者でも飼いやすい生き物ですが、いくつか注意しなければいけないことがあります。
アベニーパファーを長生きさせるためにも、注意点をしっかり把握しておきましょう。
基本的に混泳は不可能
アベニーパファーは他の熱帯魚と比べて縄張り意識が強く、気性が荒い魚です。そのため、他の熱帯魚との混泳は向いていません。混泳させると、他の魚をかじって攻撃してしまう可能性があります。
同種でもケンカをし、ケガをする可能性があるのでアベニーパファーを何匹かお迎えする場合は隠れ家を用意して逃げ場を作ってあげましょう。1つの水槽に入れる数は2~4匹程度にしておくのがおすすめです。

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お掃除生体との相性も悪い
シュリンプやスネールなどの甲殻類、貝類は水槽内のコケや汚れを食べてくれるお掃除生体として活躍してくれます。そのため、水槽内のメンテナンスとして熱帯魚と一緒にお掃除生体を混泳させるアクアリストも存在します。
しかしアベニーパファーは、シュリンプやスネールなどのお掃除生体とも相性が悪いです。アベニーパファーは、甲殻類や貝類が大好物。シュリンプやスネールを混泳させてしまうと、アベニーパファーに食べられてしまいます。
食べられる前提としてお掃除生体を混泳させるなら問題ありませんが、観賞用としても楽しみたいのであれば、混泳はやめておきましょう。シュリンプやスネールを観賞して楽しみたいなら、アベニーパファーと水槽を別にして飼育した方が安全です。

食べ方が汚いので水槽が汚れやすい
アベニーパファーは1度口の中に入れた餌を半分だけ食べて吐き出し、また半分だけ食べて吐き出すといった食べ方をします。そのため、中途半端に齧られた餌が底にたまって水が汚れやすくなるというのが現実。
こまめな水換えができない人は、ろ過フィルターを設置しておきましょう。ろ過フィルターを設置したからといって「ずっと水換えをしなくていい」というわけではありませんが、高頻度で水換えをする頻度が減るので飼育がラクになります。


拒食になりやすい
気性が荒いといわれているアベニーパファーですが意外とストレスに弱く、拒食症になりやすいです。飼育環境の変化や餌の急な変更にストレスを感じ、餌を食べなくなることがあります。

人工餌を与えて育てたい場合は、ペットショップで食べていた餌を与えながら、少しずつ人工餌に切り替えていきましょう。
アベニーパファーの繁殖
アベニーパファーの産卵方法は「ばらまき型」です。ばらまき型とは、おなかの中に卵があるメスにオスが寄り添ってメスが水槽内にばらまくように産卵する繁殖方法のことをいいます。
産卵の数は1日に1個のときもあれば5個出てくることも。卵は4~7日ほどで孵化し、孵化後も難なく成長していく個体がほとんどなので繁殖の難易度は低いといえるでしょう。

アベニーパファーを繁殖させるには
アベニーパファーを繁殖させたいなら、最低でも以下の条件は満たすようにしましょう。
オスとメスを同じ水槽の中で飼育する
産卵するときに体の支えとなるものを用意しておく
栄養をたっぷり与える
当たり前ですが、メスがいないと産卵しませんし、オスがいないと有精卵は生まれません。繁殖させたいなら、オスとメスを一緒に飼育するのは絶対条件です。
メスは、産卵するときに体の支えとなるものを必要とします。メスは何かにもたれかかる状態で産卵するため、水草や低木などを水槽に入れて産卵場所を作ってあげましょう。ビタミン入りの赤虫を与えたり、水槽内に栄養剤を投入したりといった栄養付けも産卵をうながすコツです。
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まとめ
今回はアベニーパファーの特徴や飼育方法などについてご紹介していきました。
餌やりの面では少し難しく感じる点がありますが、飼育がしやすく、初心者でも飼いやすい生き物です。
慣れればピンセットから直接餌を食べてくれたり、水槽に近寄ると水面をパクパクして餌を求めたりといったかわいい面がたくさん見られます。
「アクアリウムをはじめる上で何かを飼いたい」「飼育難易度の低い魚から挑戦したい」という方はぜひアベニーパファーの飼育も検討してみてください。

