

海水生物で言えばシーラカンス・オウムガイ・カブトガニなど白亜紀恐竜時代からの現存生物…つまり「古代生物」はよく知られています。
では熱帯魚ではどうでしょう?
知名度が低くアクアリストでも初心者だとためらいがち、しかも大型魚が多いことから、熟練者でも飼育者は限られてしまいます。
今回はそんな悩みを解消する「飼育しやすい古代魚」にスポットを当てていこうと思います。
古代魚とは

古代魚を厳密に定義すると『古生代(約5億4200万~約2億5100万年前)や中生代(約2億5100万年前~約6600万年前)から生存し続けてきたと推定される魚』のことを指すそうです。
何だかややこしいですよね?本記事では定義はさほど重要ではないので「三葉虫などの原子生物が発生した時代」「恐竜が隆盛を誇った時代」程度の認識に留めておきましょう。
漠然と古代魚と定義しましたが
海水性
熱帯淡水性
の2通りが最も有名です。
基本的には大型で、不完全ながら空気呼吸に依存する種が多いのが、古代魚の共通項です。海水魚では生きた化石「シーラカンス」が有名ですね。
本稿では後者の『熱帯性淡水魚』いわゆる熱帯魚と呼ばれ、アクアショップで販売されている魚種についてご説明していきます。
古代魚もいいですが個性的な生体ならこちらの記事も参考にしてみて下さい
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肺魚

肺魚とひとくくりにされがちですが、オーストラリア・南米・アフリカと3大陸にその生息地は跨ります。
それぞれ分布域により以下の代表種に分かれます。主の生息地はアフリカ大陸であり、他の地域では極端に種が限られるのが特徴的です。
オーストラリア ⇒ ネオケラトドゥス(オーストラリア肺魚)
南米 ⇒ レピドシレン・パラドクサ
アフリカ ⇒ プロトプテルス・エチオピクス、アンフィビウスなど
アフリカ大陸産の肺魚は最も種類が多く、肺魚の最小種であるアンフィビウスから、最大種であるエチオピクスまで種々様々です。
アンフィビウスは最小の肺魚と言われますが、それでも約60cm程まで成長するので、言葉通りに受け止めると確実に持て余してしまいます。
生息地はアフリカ東部のザンベジ川水系に広くまたがり、浮き袋が進化した2つの肺状の器官を使い、乾季には泥状の繭を作る『夏眠』という形態でしのぎます。
これはオーストラリア肺魚以外の全ての肺魚が行う行動です。他のアフリカ産肺魚と比べるとやや水質や環境にうるさい肺魚なので、その飼育は肺魚マニアでも慎重になるそうです。
また生体の費用も約20,000~30,000円ほどと高額なので、とてもではありませんが初心者にはおすすめできません。

その真逆を行くのが肺魚界の最大種ことエチオピクスです。アフリカ中央部・東部、ヴィクトリア湖、タンガニイカ湖、ナイル川、スーダンなどほぼ大陸全域に生息しており、最大全長は2mという記録もあります。

非常に丈夫な肺魚でちょっとやそっとの事で死に至ることもなく「バケツでも飼える」と豪語する飼育者もいるほどです。飼育下でも最大全長は170~180cmに成長するので、少なくとも180cm以上…場合によってはメーターオーバーの特注水槽が必要となるでしょう。寿命も20年は超えるので正に肺魚の中の王様と言っても過言ではありません。
肺魚飼育は、初心者はもちろん熟練者でも莫大な費用がかかります。実際に「肺魚じゃなきゃダメ!」という飼育者が大半です。他の肺魚も10年以上の寿命は確実に超えるので、飼育にはそれ相応の覚悟が必要です。

この中でも長らくオーストラリア肺魚、正式名称ネオケラトドゥスは政府により海外への持ち出しが禁止されていました。生体費用も熱帯魚としてはトップクラスの高額種で、最低でも10万円…大きく育った成魚が50万円で販売されていたこともありました。
2002年オーストラリア政府の長年の取り組みによりブリーディング、そして総個体数が安定したため輸入が解禁されましたが、最も原始的な肺魚のため空気呼吸が苦手という似つかわしくない特徴を持ちます。その体長も1.5mほどになり他の肺魚の様に柔軟性がないので、かなり余裕のある水槽が必要となります。
南米大陸唯一の肺魚「レピドシレン・パラドクサ」はアフリカ産肺魚の近縁種です。この肺魚は別名ミナミアフリカハイギョとも呼ばれ、最大全長は1mになります。アマゾン川水系に生息し、比較的縄張り意識が低いので同種同士の混泳も可能です。これはネオケラトドゥスも同様です。ただ一度喧嘩を始めてしまうと咬合力の強い肺魚同士では、確実にどちらかが致命傷を負うので単独飼育が無難でしょう。

チョウザメ

チョウザメというと、高級食材キャビアの方が有名でしょう。古くは北海道北部の河川にも遡上していましたが、現在は全て全滅しています。
サメと銘打っていますが全くの別物であり、寒帯・亜寒帯に生息するので飼育には大容量の飼育水を冷やす「水槽用クーラー」が必須です。代表種としては
オオチョウザメ(ベルーガ)
コチョウザメ
ベステルチョウザメ
オオチョウザメは体長6mを超えるチョウザメ最大種です。カスピ海・黒海等に生息し、チョウザメとしては例外的に小型魚を捕食するケースもあるほどです。主に中層を泳ぐことが多く、池などの大型施設が最終的に必要になります。かなり成長スピードが早く一般的な観賞魚とはとても言い難いでしょう。
反対にコチョウザメはチョウザメの仲間では最小品種です。90cm~120cm規格水槽で修正飼育可能であり、大きくなるチョウザメの種類でもギリギリご家庭で飼育可能な種と言えます。育てやすく如何にもチョウザメというフォルムを持つ人気種であり、鑑賞魚として根強い人気を誇っています。ごく稀にアルビノも流通し、安定してブリードが行われているチョウザメ入門種ともいえます。

ベステルチョウザメは国内で最も多く養殖されています。オオチョウザメのメスとコチョウザメのオスを交雑させた改良品種で、本来は食用として改良された歴史を持ちます。観賞魚としての人気もコチョウザメと同じく高く、熱帯魚ショップでも比較的目にする機会が多いでしょう。良く泳ぎ回る活発な改良品種であり飼育もしやすいので、チョウザメの入門的な立ち位置を持ちます。
チョウザメは淡水・汽水・海水と行動範囲が広いうえに、種によっては水温調節もかなりシビアなので、その知識や飼育設備が万全でも長期飼育の実例があまりなく、初心者はもちろんマニアの方にもおすすめしづらい魚です。

ガー

アメリカの五大湖周辺やキューバ・メキシコなど中南米に生息する巨大魚であり、時には小型の水鳥さえ捕食してしまいます。かつては閉鎖的な社会主義国であったキューバ産の「マンファリ」そしてワニの銘を持つ「アリゲーターガ-」など希少種が多かったのですが、東南アジアでの繁殖方法の確率などもあり、急激に値段が安くなりました。
アクアショップで見かけるガーの仲間は、これらが大半を占めています
アリゲーターガー
キューバンガー(マンファリ)
スポッテッドガー
小型と言われる「スポッテッドガー」ですら、最大全長は60cmをオーバーしてしまいます。
スポッテッドガーは温和な性格を持ち、大型魚タンクの良い混泳魚にもなるので、その大きさを除けば非常に飼育しやすい魚です。現地ではスポーツフィッシングの対象魚として釣り人の人気の的です。ガーの仲間は数年前に日本への帰化問題がありましたが、その後の研究で繁殖の痕跡は一切ないことが確認されています。
アリゲーターガーはアメリカ・メキシコの北米・中南米に生息している、世界最大のガーです。野生界では2mを軽々とオーバーし、現地では水鳥さえ襲うことから「バードイーター」の寿命を持つほどです。
信頼できる最大記録は1953年ミシシッピ川で捕獲された個体で、全長304.8cm、体重104.4kgにも及びました。既に国内では帰化の懸念が高まり、2018年に特定外来生物に指定されています。これは他のガーの仲間も同様です。特定の条件を公的機関に届け出なければ飼育することができないので、手に入れるのは困難でしょう。

キューバンガーことマンファリはキューバおよび周辺の島々に限定的に生息していたので、政治上の兼ね合いもあり長い間「幻のガー」と呼ばれていました。全長1mほどのこのガーはようやく90年代の終わりごろに入荷され始めましたが、ほどなく特定外来生物に指定されたので、国内で目にする機会が極端に失われています。
ガーの仲間はその鰓に毛細血管を網目状に張り巡らせた「ラビリンス器官」を持ち、定期的に空気呼吸をする特徴を持ちます。

スティングレイ(淡水エイ)

この手の海洋起源の熱帯魚は‟汽水魚”が大半ですが、このスティングレイは完全淡水魚となります。

扁平で円形状の形を持つ淡水エイは「一枚、二枚…」と数えられることが多く、その体長も‟体盤長”で表記されます。尾の長さは目安にされませんが、その付け根に毒を持つカミソリのような「毒針」を持つので、取り扱いは要注意です。
袋越しでも油断すると手をスッパリといかれた…そんな話も聞くほどです。
これまで紹介した古代魚の様にスティングレイの仲間も、例外なく大型化します。ショップで販売されているスタンダードなエイの最大サイズと、世界最小の淡水エイを例に挙げましょう。
クロコダイル・スティングレイ…体盤長60cm
ポルカドット・スティングレイ…体盤長60cm
モトロ…体盤長40~50cm
ヒマンチュラ・チャオプラヤ…淡水エイ最大種・体盤長2~4m
ポタモトリゴン・ヒストリクス...淡水エイ最小種・体盤長20~30cm
「ヒマンチュラ・チャオプラヤ」は最低でも体盤長2mを超す世界最大の淡水エイで、東南アジア諸国に生息します。最大記録は2008年3月に捕獲された個体で、尾を含めた体長は実に4.3mを超えていたと記録されています。
最小種は南米パラグアイ・ブラジルに生息するポタモトリゴン・ヒストリクスです。やや地味な茶褐色の体色をしており、余り鑑賞映えするとは言えませんが、10,000円を切る実勢価格で販売されているので入門種としては最適でしょう。ただし市場に出回りにくく手に入れ難いのがネックとなります。

最大種・最小種以外に上記に挙げた残り3種が、最も頻繁に目にする淡水性のエイです。
クロコダイル・スティングレイはコロンビアに生息し、その美しいスポットや柄から愛好家に最も好まれている種類と言ってもいいでしょう。本種を始めとする淡水エイは水質の変化に大変敏感で「水合わせ」には最新の注意を払いましょう。環境の変化に弱いため輸送の際にすでに弱っていることもあり、購入する際は実店舗でしっかりと状態を確認することが大事です。

ポルカドット・スティングレイは真っ黒い体に入る白い円形の模様が美しい淡水エイで、マニアから最も美麗な種と言われるほどです。オスメス1ペアと十分なスペースさえ確保可能であれば、その繁殖も可能です。淡水エイは卵胎生で子エイを直に産み落とします。やや広めの横幅150〜180cm×奥行き90cm×高さ60cm水槽でペアを飼育すると、妊娠したメスは腰のあたりが明らかに盛り上がり分厚くなります。一度の出産で5〜20匹を産出し、メス個体のサイズが大きいほど子エイの数は増えていきます。

モトロは淡水エイの中でも1、2を争うポピュラー種です。この種も南米オリノコ川及びアマゾン川流域に広く分布しており、非常に活動的に水槽内を泳ぎ回るので、他の大型古代魚などと混泳されるケースが多く見受けられます。
淡水エイで誤解されやすいのは「体盤長」という表記でしょう。しばしば体長と勘違いされ、90cm水槽で飼育可能では?と考えてしまいがちです。
この数値は‟直径”に近いイメージ、しかも尾をカウントしていません。そのため奥行きは最低でも45cm以上が必須です。以上のことから最適サイズの水槽は少なくとも120cm水槽以上になるので、この点に注意が必要です。


アロワナ


古代魚だけでなく熱帯魚の中でもかなりメジャーな存在になりました。その昔「アジアアロワナ」と言えば幻のアロワナで、時価100万円を普通に超えていたのが、懐かしいほどです。
意外にも口内保育をする‟マウスブルーダー”ということもあり、2000年代に入ると東南アジアで養殖された個体が多く流通し、アロワナの価格は急暴落しました。オーストラリアの2種、並びに近縁種であるプランクトンイーターの「ヘテロティス」は現在でもなかなか、入手のハードルが高い種です。
代表種は以下の通りです。
シルバーアロワナ ⇒ 南米大陸・最も安価で入手しやすい
ブラックアロワナ ⇒ 南米大陸・稚魚が黒褐色になる。やや水質にうるさい種
ノーザンバラムンディ ⇒ オセアニア地域に分布
スポッテッドバラムンディ ⇒ オセアニアに分布するが入荷は稀
アジアアロワナ ⇒ 東南アジア産。〇〇龍など品種改良が進んでいる
更に変わり種として
ヘテロティス(ナイルアロワナ)⇒ アフリカ大陸ナイル川に生息
パントドン(バタフライフィッシュ)⇒ 西アフリカ大陸に生息
の2種が古くから名が知られています。厳密にいえばヘテロティスはアロワナ目アロワナ科ヘテロティス属、パントドンはアロワナ目パントドン科パントドン属に分類される近縁種という位置づけです。
ただその姿かたちはアロワナとほぼ同じで、パントドンに至っては最大10~15cmにしか育たないので、巨大魚アロワナを飼育できない愛好家の「アロワナ代替魚」として、地味な人気を持っています。

アロワナの仲間は自然界ではヘテロティスを除き昆虫食主体であり、このパントドンも負けず劣らずのジャンプ力で、水上のコオロギなどを捕食する圧巻のシーンを飼育下でも観察できます。
最もスタンダードなアロワナが「シルバーアロワナ」です。アロワナは口腔内保育をする‟マウスブルーダー”であり、ヨークサック付きの稚魚がまとまって入荷します。一般流通種ですが実はアロワナ最大種でもあり、自然界では1mオーバー、飼育下でも最低で50cm以上の大きさになります。南米大陸ではかなり生活に密着しているアロワナで、原住民の方などにより食用魚として扱われています。

ブラックアロワナの外見はややシルバーアロワナに似ていますが、成魚はやや黒みがかり、稚魚に至っては背面上部が真っ黒に染まります。南米ネグロ川と支流のブランコ川に住むアロワナで、シルバーアロワナより一回り小さく育ち、成長速度も非常に緩慢です。
オセアニア・オーストラリアに分布するアロワナが「ノーザン、スポッテッドバラムンディ」です。体長は40~60cmとアロワナ中最も小柄ですが、体幹が固く旋回運動が苦手なので水槽の奥行きが45cm以上がなければ、非常に窮屈でストレス過多に陥ります。扁平気味な体形を持つ
南米種と比較し、体高や横幅にボリュームが見られます。
最後にご紹介するアジアアロワナですが、この科の魚種で唯一サイテスに記載されています。体形はオーストラリアアロワナとほぼ同一ですが、約90cmと大型化し産出域・改良品種で色とりどりのバリエーションが見られるのが特徴的です。現在は落ち着いた生体価格ですが、深紅色に染まる‟スーパーレッド(真紅龍)”や‟プラチナアロワナ”などは、数十万円するケースもある熱帯魚屈指の高額種です。


モルミルス

アフリカ大陸中西部のコンゴ川流域に生息する古代魚です。微弱な電流で電磁場を作り上げ、エサや仲間を探すという特殊な能力を持ちます。
未確認の種類が非常に多い一群として知られており、現在20種ほどが種の正式認定を受けていますが、その10倍の約200種が未だ分類分けされていません。
入荷はかなりイレギュラーで、忘れたころにやってくる個体と言えるでしょう。その中でも比較的安定した流通のある種は、以下の3種類ほどに限られます。
エレファントノーズフィッシュ
ダブルトランクエレファント
ドルーンモルミルス
安定しているとはいえ、エレファントノーズフィッシュ以外のモルミルスに出会えることは、かなり稀でしょう。

モルミルスの仲間は巨大化する傾向が高く、上記3種の中でも「ドルーンモルミルス」は約40cmオーバーにまで育ちます。エレファントの名が入るモルミルスは成魚でも15~20cmほどと、例外的に中型魚に落ち着きます。
ドルーンモルミルスはイルカの名前を冠する様に、魚類としてはかなり人懐っこい性格の持ち主です。個体によっては輪くぐりなど単純な芸を覚えることもあり、後述のブラックゴーストと同じく『ペットフィッシュ』的な立ち位置を持つ熱帯魚です。

エレファントモルミルスの2種は中型魚として飼育できる点がありますが、性格は臆病で用心深い傾向を持ちます。どちらも同サイズほどですが、ダブルトランクエレファントは象のような口吻が特に長く、販売個体も少ないので以前より目にする機会が減少気味です。
モルミルス類はほとんどが高額種で店頭に滅多に出回りませんが、唯一「エレファントノーズ」は安定してお目にかかることが可能です。価格帯は1,500~2,000円ほど、自然界では30cmになると言われますが水槽内では15~20cmほどからほぼ成長することはありません。

モルミルスの一群は安定した長期飼育の例を耳にすることが少ない熱帯魚です。どうしても与えるエサのバリエーションが乏しくなりがちであり、微弱電流で周囲を探知するのでコミュニティタンクではストレスを受けがちになるのが、最大の要因と言われています。


ブラックゴースト


数多い熱帯魚の仲間の中でも、古くから独特の仕草や性格で人気の高い古代魚です。南米大陸のアマゾン川流域が生息地であり、最大サイズ30cmと言われますが水槽内ではそれほど巨大化はしません。
腹ビレと尾ビレが融合した奇抜なフォルムを持ち、その全身は真っ黒ですが尾の付け根に白いリングを唯一持ちます。
横になって寝る・立ち泳ぎをする・同じエサに飽きるなど、何とも小動物的な性格をしており、60cm水槽でも終生飼育可能です。


ポリプテルス

人気で言えば、この古代魚グループの人気はほぼ不動のものです。ニョロ系の底生魚であり、一説では約4億年前からその姿かたちが変わっていません。60cm水槽で飼育できる種から、120~150cm水槽でなければ持て余してしまう種など、非常にバラエティに富みます。
お店に行けば必ず出会える古代魚と言ってもよいでしょう。代表的な種類をご説明していきましょう。
ポリプテルス・セネガルス
ポリプテルス・パルマス
ポリプテルス・ビキール
ポリプテルス・エンドリケリー
「セネガルス」は古代魚の入門種です。ポリプテルスの仲間は水槽サイズに合わせて成長していくことが多く、小さな水槽で育てていれば、ほぼ巨大化することはありません。特にセネガルスは店頭で購入可能な小型ポリプテルスの中でも最小種であり15~20cm程度にしか育ちません。そのため初心者の方に強くおすすめできます。

「パルマス」はセネガルスよりも一回り大きくなり、成魚の全長は30cmほどです。ポリプテルス内では小型ですが、最終的には90cm水槽ほどのサイズが必要になるでしょう。
この仲間内の最大種が「ビキール」です。不確定ながら過去に120cmの大きさのビキールが確認されたそうですが、一般的には70~90cmほどでその成長は止まるでしょう。
「エンドリケリー」は大型ポリプテルスの中でも、最も安価で幼魚は1000~2000円ほどの費用で購入できます。飼育のしやすさではポリプテルスの中で1・2を争いますが、いかんせん60cm超と巨大化するのがネックです。
ポリプテルスは幼魚時代は例外なく両生類の幼生のような「外鰓」を持ち、成長してからもある程度、空気呼吸をさせるのが飼育ポイントです。

比較的小型の古代魚
数億年単位でその姿や形を変えていない古代魚は、ほとんどの種が大型魚です。そんな古代魚の中でも、初心者でも飼いやすく費用面でおすすめできる小型種も、少なからず存在します。
アロワナの近縁種
小型モルミルス
ポリプテルスの小型種
などは終生60cm規格水槽で十分その飼育が可能です。飼育の難しいとは言えない丈夫な魚なので、初心者の方にも自信を持っておすすめできます。一番気になる費用の面でも、普通の中型魚飼育と何ら変わりはありません。
代表的な小型の古代魚を、その種類別にご紹介していきます。
パントドン(バタフライフィッシュ)


アロワナの近縁種で『蝶のような魚』の別名を持ちます。
その別名の通り表層でジッと佇み、枝などを通りかかる昆虫を積極的に捕食する魚です。そのため飛行能力が異様に発達しており、アマゾン現地ではトビウオの様に群れで川面上を滑空する姿も見られるそうです。
最大サイズは約20cmと表記されがちですが、実際にそこまで巨大化した個体が輸入されることもなく、水槽内ではほとんど成長はしません。平均で10cmほど、長期間飼い込んでも15cm以前でほぼ、その成長は止まります。メーターオーバーするアロワナと比較すると、取り分け小型魚ということが分かりますよね。
値段もこの手の珍しい古代魚としては安価です。1個体が1000~2000円ほどであり、厳つい顔の割に温和な性格の持ち主なので、複数匹混泳させても滅多に喧嘩はしません。
注意点は以下の2つでしょう。
頻繁にジャンプするので蓋は必須用具
口に入るサイズの魚との混泳は不可
特に明記しなくても守っている飼育者の方が多いほどです。ただ飛翔に特化した進化をしているので、蓋には念のため重しを乗せて置いて下さい。混泳魚については「パントドン」と同サイズの中型魚がベストです。
意外なサイズの魚も丸のみにしてしまうので、この点は要注意ですね。
以上の点を守れば60cm水槽はおろか、45cm水槽でもギリギリ飼育可能な魚です。しかも常に水面下に漂う完全な表層魚なので、ナマズ類などの低生魚との相性はバッチリです。
小型であり費用も特別かかる事もありません。初心者におすすめの小型古代魚と言えますよ。


小型モルミルス

モルミルスの仲間は巨大化する傾向が多い古代魚です。
そんな彼らの中でも、足掛け数十年に渡り親しまれている小型モルミルスが…
エレファントノーズフィッシュ
ダブルトランクエレファント
の2種でしょう。
10年ほど前までは例外なくアクアショップで見かけたものですが、近年は実店舗への入荷量が著しく落ちており、個人的には余り見かけなくなった印象があります。
ただ時代の流れでしょうか?その分ネット上ではより費用が掛からず、容易に手に入れることができるので、販売するプラットフォームが変わりつつあるのでは?という印象を受けます。
この2種、特にノーマルエレファントの飼育の際は、心配になるほど成長を感じ取れませんでした。ダブルトランクは書籍によっては「30cmまで成長することもある」と記載されていますが、やはりその成長速度は極めて遅い魚だと思います。この小型モルミルス(一般的には中型魚ですが)は、前述のパントドンと比較すると、混泳に関して2つのクセがあります。
夜行性に近い生態
人工飼料に餌付かない
明確に挙げるとしたらこの2点です。
デンキウナギ目に属するこの2種は、微弱ですが電磁波を作り上げエサや障害物を感知します。そのため暗がりを好み、なかなか表に出てこない上に、若干夜行性よりの性質も持ちます。ストロー状の口吻を持つので食害は生じませんが、昼行性の熱帯魚との混泳には若干注意が必要になります。

海水魚のヨウジウオ・タツノオトシゴほどではありませんが、その口吻…即ち口の口径が小さいのも特筆しておきましょう。エレファントの名がつくように、まるで象のような口を持つ2種のモルミルス。これは人間でいう唇が伸びた器官です。野生では底砂の中の微生物や小型昆虫等をこの口吻で探り当てエサとしています。
その様な生態を持つため、沈下性の人工飼料ですらなかなか餌付くことはありません。解決法は実に簡単で「冷凍赤虫・ミジンコ・イトメ」などをバランスよく与えるだけです。
実際に筆者は熱帯魚飼育を始めてから1年もたたずに問題なく飼育できた経験があり、冷凍飼料のバラエティが増えに増えた現在では、初心者の方でも問題なく飼育可能です。冷凍飼料がメインというと「費用が掛かるのでは?」と心配に思うかもしれませんが、それほど大食漢の魚ではないので、パントドンより少し難易度は高くなりますが、初心者の方に是非おすすめできます。


ポリプテルスの小型種
ポリプテルス・セネガルス
ポリプテルス・パルマス
のポリプテルス2種が60cm水槽で飼育可能な、「ギリギリのポリプテルス」でしょう。パルマスは90cmが必要になるケースもありますが、それは大きな水槽でのびのびと育てた場合です。
例外はありますがポリプテルスの仲間は、基本的に飼育されている水槽サイズに比例するように成長し、60cm水槽で小さなころから飼育している場合はそれほど巨大化しないことが良く知られています。

これまでの中型魚の例にもれず、口のサイズより大きな魚であれば不幸な事故は起こりません。またそもそもが底生魚であり動きもゆったりとしているので、充分にエサを与えていれば同居できる魚はかなり多岐に及びます。
飼育における注意点は
流木やシェルターを多めに入れる
空気呼吸できるように水位を若干落とす
という点くらいですね。
底生魚である彼らは底面積を主体に行動するので、他の底生魚やポリプテルスと顔を付き合わせやすくなります。滅多にトラブルを起こさない温和な性格の持ち主ですが、お互いの安全のためにできる手は打っておくに越したことはありません。
また幼魚の頃は肺魚と同じく「外鰓」を持つので、呼吸は鰓以外にも空気呼吸に依存する面も見受けられます。積極的に空気呼吸を誘導することで、運動量を増やす効果も望めます。


ブラックゴースト

一種のみの紹介になりますが、個体の費用も数百円程度とお手頃で、何よりその魚らしからぬ行動から「ペットフィッシュ」と呼ばれるほど根強い人気種です。
条件が良ければ30~40cmにもなり、その大きさの個体も目にしたことがありますが、ほとんどがWC(野外採取)個体です。このブラックゴーストにも飼育上の注意点があります。
ブラックゴーストは単独飼育する(他魚はOK)
モルミルスなど電流を持つ魚との混泳は不可
この2つには共通の理由があり、どちらも狭い水槽内で微弱な電流がぶつかり合うと、不安定になり攻撃的になるケースが出てくるからです。
またこの手の魚の特徴として、出荷先で人工飼料にならされていなければ、ほぼほぼモルミルス同様に冷凍飼料メインの飼育となります。先ほど冷凍飼料のバリエーションも増えてきたと言いましたが、それでも栄養は偏るようでこの飼育方法を続けていれば、まず巨大化はしないでしょう。
この「ブラックゴースト」はおよそ魚らしからぬ性格の持ち主で、飼い主の顔を覚えたり、水換えの際に水槽内に手を入れるとまとわりついてくるなど、非常に愛らしい面を持ちます。
流木にわざと挟まったり、休息時には無防備に横たわり、無意味に回転をし始めるなどユーモラスに富んだ行動を観察させてくれます。ペットフィッシュの入門種として、非常に初心者の方の熱帯魚のイメージを変えてくれるという点では、おすすめしたい熱帯魚種です。

古代魚を飼育するのに必要設備は?
古代魚とひとくくりにされますが、生息地や生態もそれぞれ異なる上に、単独飼育しかできない種類も少なくはありません。
ただ飼育時における必要設備の基本的な共通項として挙がるのは
ほとんどの古代魚が巨大化する
初期投資・継続費用がかかる
基本は90cm以上の水槽が必須
の3点でしょう。
前項でご紹介したような小型の古代魚はかなり珍しい部類で、古代魚はほとんどが「大型魚」に位置づけられます。当然ですが最低でも90cm以上の水槽設備は必要となり、付随する『ろ過器』や『水槽用ライト』『ヒーターのワット数』『底砂などのアクセサリ』も大がかりなもの・頑丈なものを用意しなければいけません。
特に90cm規格水槽をフルに水で満たすと、その重量は約200kgにも達します。相撲取りが1~2人乗っているようなものなので、場合によっては床の補強工事も必要となってしまいます。
また、大抵の古代魚の寿命は10年をゆうに超すので、長期的な付き合いも視野に収めるべきです。
それでは古代魚を飼育するのに必要な飼育設備を、初心者の方にも分かり易く、個別に紹介していきましょう。

水槽
最低サイズが90cm規格水槽と言いましたが、これはあくまで横幅です。その他の高さ…特に奥行きが45cm以上ないと飼育は厳しいでしょう。充分な運動が確保できず、自ずと健康に支障をきたしてしまいます。
可能な限り広い水槽を飼い始めの段階で念頭に入れましょう。一般規格の水槽は90cm(横90cm×奥行き45cm×高さ45cm:満水時約200kg)に続き
120cm(横120cm×奥行き45cm×高さ45cm:満水時約250kg)
150cm(横150cm×奥行き60cm×高さ60cm:満水時約500kg)
180cm(横180cm×奥行き60cm×高さ60cm:満水時約700kg)
と続きます。

例えば人気古代魚である「シルバーアロワナ」は自然界で1m越え・飼育下でも最低50cmにまで育つので、最低ラインが120cm規格水槽です。比較的成長の度合いを水槽の大きさに合わせてくれるポリプテルスなどは、90cm規格水槽でも長期間飼育可能でしょう。
ただことさら巨大化する肺魚の「エチオピクス」や「クロコダイルスティングレイ」になると150~180cm規格の水槽を用意せざるを得ません。
水槽の材質により更に
ガラス製
アクリル製
の2つの選択肢があります。
ガラス製は透明度が高く鑑賞性に優れていますが、巨大古代魚のパワーに押し負け、ガラス面の破損や接合部からの水漏れの心配がぬぐえません。
反対にアクリル製水槽は基本的に丈夫で、ガラスの様に割れる材質ではありません。その一方で擦り傷などが付きやすく、特に盛んに壁面を舐めるような「ロイヤルプレコ」などを同居させたら、たちまち傷だらけになってしまいます。ですが非常に水槽自体が軽く、水換えなどのメンテナンスがスムーズに行えます。
どちらが古代魚飼育によりマッチするかという明確な答えはありません。両方ともそれぞれの長所短所があります。ただ価格は圧倒的にアクリル水槽の方が高額なので、この点で皆さん悩まれるようですね。



ろ過器
どんな魚を水槽内で飼育する際にも、必ずろ過器は必要不可欠です。例外的な小型古代魚でしたら、一般的な上部式フィルター、もしくは投げ込み式フィルター等でも事足りるのですが、流石に巨大水槽となるとそうもいきません。
古代魚の飼育水槽に使われるフィルターは、大まかに分けると以下の2つが限定的でしょう。
外部式フィルター(パワーフィルター)
落とし込み式フィルター(オーバーフロー)
水槽に後付けで取り付け可能なフィルターの中で、最もろ過能力が高いフィルターがエーハイム等に代表される「外部式フィルター(パワーフィルター)」です。GEXやTetra・KOTOBUKIなどの有名企業からも各種パワーフィルターが発売されており、その能力は今や老舗エーハイム社に迫る勢いです。
120~150cm水槽ですらカバー可能な高性能な製品も数多く、どの製品や内部ろ材を選ぶかは飼育者のセンス次第です。ここまでくるとなかなか初心者の方にはおすすめできない分野になりますね。
巨大古代魚はフンなどの代謝も多く、エサなどの食べ残しもケタ違いです。使用するパワーフィルターは適合水量・適合水槽よりワンランク上の物を使用した方が、より水質が安定します。

もう一つのフィルターは落とし込み式フィルター、オーバーフロー方式と呼ばれるものです。海水魚水槽などでよく用いられる方式で、水槽下部に直結されたろ過層に、ポンプなどで呼び水をしろ過を行います。
オーバーフローは現状で最もろ過能力の高い方法ですが
下部ろ過層の分、重量が加算される
メンテナンスの労力がかかりすぎる
というマイナス面があります。
ただ最近は小型水槽にも標準セットされているものもあり、何より初心者用にもお求め安い費用の「オーバーフローキット」すら市販されるようになりました。
結論として「パワーフィルター」「オーバーフロー」共に一長一短で、最終的には飼育者の生活スタイルや、用意できる費用でお任せするしかありません。
パワーフィルターを複数台使用しても構いませんが、電気代などのランニングコストの面からおすすめはできないでしょう。基本的には強力なパワーフィルターを使うマニアの方が大多数を占めていますので、ご家庭で使用する場合は‟パワーフィルター”の方が好まれているようです。
ただ関税の問題なのでしょうか?エーハイムは一つ一つの部品が非常に高額です。個人的には同程度の能力を持つ国産メーカーをおすすめしたいところですね。
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蓋
パワフルな巨大魚は簡単に蓋を押しのけ、水槽外に飛び出してしまいます。陸上で長期間生存可能な肺魚でも、発見が遅れれば命に支障をきたします。
ポリプテルスなどニョロ系の熱帯魚は、僅かな隙間を見つけ飛び出してしまう脱走名人です。本来ジャンプ力で自然界を生き抜くアロワナなどは、割れる危険性のあるガラス製の蓋などは避けましょう。
原則、蓋はよほどのことがない限り、割れにくい「アクリル」か分厚い「ガラス」性のものをおすすめします。蓋の設置方法にも注意点があります。
必ず‟重し”を乗せる
僅かな隙間はウールマットで埋める
パワフルな種が多い古代魚飼育で、この2点は安全策として必ず施すようにしてください。

ヒータなどの水中器具
古代魚たちを飼育する水槽内。そこに設置する飼育機器(ヒーターなど)は特に注意を払いましょう。これは初心者向けの小型古代魚、大型古代魚全てにおいて共通事項です。
飼育機器を直接水槽内に入れると以下のリスクが生じます。
ヒーターなどによる火傷
嚙み砕かれて漏電してしまう
パイプ等が外されて水漏れする
ヒーターについては最も気を付けなければいけません。小型古代魚でも性格がノンビリしている「ブラックゴースト」などは好奇心旺盛な魚です。知らず知らずのうちにヒーターに巻き付いてしまい、火傷で亡くなる…という事故も度々耳にしたものです。
また咬合力が強い「肺魚」などは、ヒーター程度なら容易に噛み砕いてしまいます。他にも巨大魚のパワーは想定外のもので、何かしらのきっかけで暴れ回り、いつの間にか亀裂が入っていた…ということさえありました。

通電しているので漏電のリスクはもちろんのこと、空焚き防止機能が付いていないヒーターがひょんなことで、水槽外に放り出されれば家屋の火災にも繋がりかねません。
特に大型水槽のヒーターはワット数が大きいので危険が増します。必ず「トラッキング機能(空焚き防止)」が付いている」「ヒーターカバーを付ける」、場合によってはセパレーターで区切ったり、ろ過層にヒーターを取り付ける工夫も要します。
漏電についても同様の危険性がつきまといます。電動式の投げ込みフィルターや水中灯などを入れるのは避け、水槽内は可能な限りシンプルに徹するのがベストです。
筆者も過去に90cm水槽の水漏れを経験しました。20cm程度のシクリッドを飼育していたのですが、ひょんなことから排水口にアタックされ、気付いた時には1/3ほど漏水していたのです。幸いにも個人宅だったので大事には至りませんでしたが、これが集合住宅なら取り返しのつかないところでした。
取水口・排水口はL字型のコーナーガードの中に入れ込むか、頑丈なセパレーターで飼育魚の生活スペースと完全に分けてしまいましょう。


エサ
大型魚で草食性と言えば、真っ先に挙がるのがプレコですが、こちらはほぼ人工飼料でまかなえます。他にも古代魚はほぼ「肉食魚用人工飼料」に餌付くので、さほど心配はいりません。ただ以下の古代魚に関しては注意が必要です。
エレファントノーズ(モルミルス)
チョウザメ
ヘテロティス(ナイルアロワナ)
経験からお話ししますが、まずモルミルスの仲間は人工飼料に餌付くことはありません。冷凍赤虫メインになりますが、単食飼育では元も子もないでしょう。結論を言えば他の冷凍飼料はもちろんですが、その他にもミジンコ等を採取したり、匂いの強いレバーや肉片などを飼育者自身が調達しなければいけません。
チョウザメ・ヘテロティスの2種は、その見かけによらず「プランクトンイーター」です。モルミルスの様に小さな飼料をバランスよく与えなければいけませんが、その分食べ残しも膨大です。チョウザメは近年そのキャビア採取のための養殖事業が行われていて、そちら方面から情報収集をするのも良いかもしれません。
この3種…特に後者の大型古代魚2種は、その摂食形態の特異性により頻繁な水替えを必要とするので、より手間がかかるということを必ず覚えておきましょう。


古代魚を飼育する際の注意点
前述した「小型古代魚」は少しその終生にクセがある程度です。正に費用面でも、初心者が初めて飼育するという点でも、強くおすすめできる古代魚たちです。
これが大型種となると180°その見解が変わります。「古代魚」に限定してお話ししましたが、これは大型魚全般の共通事項と捉えてください。混泳に関しても大原則として…
肺魚(オーストラリア肺魚を除く)
モルミルス
同士を混泳させるのは不可能です。これは種の習性ですのでどうしようもありません。他の古代魚も水槽の大きさや、相性等の問題で偶発的な問題が起こることもあり得ます。
小型魚なら簡単に隔離できますが、大型魚となるとそうもいきません。
これが最後の注意点・問題点となりますが、魚の成長やそれに応じた発情期…成長スピードによる大きさの差などで弱い立場に陥る個体は、どうしても出てしまう傾向があります。
「基本は単独飼育」を行ってください。始めは仲が良かったアロワナ同士が急に争うようになり、野外に遺棄したり、とんでもないことに「食べてしまった」なんて笑えない話を過去に聞きました。
遺棄よりはマシですが、そこまで切羽詰まって飼育するのはやはり正道ではないでしょう。
まずは「一匹を大事に」そして「単独飼育」向きの魚だということを忘れずに、大切に育て上げてください。

まとめ
今回は古代魚にスポットを当ててみました。
一口に古代魚と言っても世界には数多く生息しており、細かい分類では本記事でまだまだカバーしきれない部分もあります。
例外としてご紹介した「小型古代魚」たちは、初心者のアクアリストにも飼育のしやすさや、初期・継続的な費用面でも強くおすすめできます。
まずは背伸びをせず、はじめの一歩としてこれら小型古代魚の飼育にチャレンジしてみてください。
いざ飼育してみると、その労力より水槽内で見せてくれる仕草や、古代魚独特の行動の方に魅了されるはずですよ。

