


クーリーローチと聞いてどんな魚なのかパッと頭に浮かぶ人は意外と少ないのではないでしょうか。クーリーローチは、まるで小さなウミヘビのような見た目をしている、ドジョウの仲間の淡水熱帯魚です。
混泳水槽での残りエサ対策として導入されていることが多いですが、よく見るとつぶらな瞳と「とぼけた顔」がとっても可愛いので、クーリーローチだけを飼っている熱狂的ファンも実は多いのです。
今回は、クーリーローチの生態や飼育方法などを徹底解説していきますのでぜひ最後までチェックしてみてください!
クーリーローチはどんな魚?

クーリーローチの生態
クーリーローチはコイ目ドジョウ科の淡水熱帯魚です。インドネシアなどの東南アジアが原産地で、自然下では流れが緩やかな河川や池に生息しています。最大サイズは10cm以上で、寿命は約5~10年ほどであり、温和で臆病な性格です。

クーリーローチの食性
食性は雑食性で、沈下性の人工飼料や赤虫など何でもよく食べるので、水槽のお掃除屋さんとしても好まれています。

クーリーローチの見た目
ドジョウの仲間だけあって吻先にはヒゲが生えており、体は細長くニョロニョロとした泳ぎ方が特徴的です。体色はベースが明るいオレンジやベージュで、そこにブラウンの縞模様が入るのが特徴的です。
この模様には個体差があり、背中からお腹までしっかりブラウンが繋がっている個体もいれば、背中に大きめのスポット模様のようにブラウンが入っている個体もいます。
たまに波打ったような不思議な縞模様や、縞模様の間に小さいスポットが出る個体もいるので、ショップ巡りをして珍しい模様の個体を集めてコレクションする熱狂的ファンも結構います。
ホームセンター内のペットショップではなかなか売っていないことが多いので、アクアリウム専門のショップで買うことをオススメします。

クーリーローチがオススメなのはこんな人
水槽内の生体を増やしたいけど下層にしか空きがなく、アクセントになる生体が欲しい方!
クーリーローチは温和な性格で混泳にも向いている種類で、水槽内のアクセントとして少し変わった種類を投入したい場合にもおすすめです。砂に潜ったりするなど基本的には水槽の下層で生活しているので、下層に空きがある場合にはクーリーローチはおすすめです!
クーリーローチは底砂の中に潜る習性があり、他の熱帯魚が食べこぼして底に沈んでしまったり底砂の隙間に入り込んでしまったような残りエサを食べてくれます。水槽掃除の手助けをしてくれるような熱帯魚を飼いたい人にオススメです。

クーリーローチの飼育方法
飼育環境
クーリーローチの好む環境は、水質が弱酸性~中性(pH6~pH7)で、水温は25度~30度です。餌は沈下性の人工飼料や冷凍アカムシなど、何でもよく食べます。混泳水槽の場合は、上層部を泳ぐスピードの早いテトラに餌を取られて痩せてしまう事がないように注意して見てあげましょう。

底砂は何を選べばいい?
底砂に潜る習性があるので、必ず底砂は用意してあげましょう。体を傷つけないように、鋭い角がないものを選んであげてください。ただしソイルは素材の性質上潜る度に水槽内に泥を巻き上げてしまうので避けましょう。底棲魚専用の底砂が販売されているので、底砂に悩んだらボトムサンドを購入すれば間違いないですよ。

底砂について詳しく解説した記事はこちら
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底砂はどれを選ぶ?淡水水槽の底砂の基本を徹底解説
続きを見る
水草との相性
クーリーローチは底砂に潜るということは前述した通りですが、砂を掘り起こしてしまうということは水草がしっかり根を張っていないような水槽だと水草が浮いてきてしまいます。
「でも水草水槽の中で飼ってみたい…」という場合は、溶岩石や流木にすでに活着させてあるような水草を購入すれば浮いても来ないし水槽にポンと入れるだけなので楽でオススメですよ。また砂の中に汚れが溜まってしまうと病気のもとなので、定期的に砂の中も掃除することを忘れないようにしましょう。

混泳
基本的に臆病で、物陰に隠れて動きの少ない魚なので、混泳させる魚の数にもよりますが水槽サイズは30cmの小型水槽からでも飼育は可能です。同種で固まっているのが好きなので、3匹以上でまとめて飼ってあげるのがオススメです。
また、温和な性格で混泳にも向くと書きましたが、雑食性の強い魚なのでエビとの混泳には少し注意が必要です。口に入らない成体サイズならば問題はありませんが、稚エビのような口に入るサイズだと食べてしまう可能性が高いので、エビを繁殖させたい水槽には投入しない方が無難です。

隠れ家
環境に慣れるまでは、ライトをつけたりしただけで暴れるように縦横無尽に泳ぎ回る事があります。水槽内に土管などの隠れる場所を作ってあげると、落ち着きやすく慣れやすいです。暴れた際に飛び出し事故が起こる可能性が高いので、網やワタなどでフタの隙間も埋めてあげると安心です。


クーリーローチを飼育する際の注意点
上記のクーリーローチの飼育方法でも述べた中から、クーリーローチ飼育の注意点を以下にまとめます。
餌をしっかり食べているか確認する
底砂を必ず用意する
ソイルは避ける
水草は活着済のものが安心
砂の中も定期的に掃除する
隠れる場所を用意すると慣れやすい
飛び出し防止対策は必須
稚エビとの混泳には注意する
細かい事を言うと様々な注意点がありますが、基本的に1番気をつけなければならない事は飛び出しです。クーリーローチを含む細長い体型をしている魚は、「そんな隙間から出る?」というような隙間からでもスルッと飛び出してしまうことも多いのです。もし水槽内にいなかったら、水槽の周りを探してあげてください。飛び出してそこまで時間が経っていないければ、また元気に回復して泳いでくれる確率が高まります。

クーリーローチの繁殖
繁殖の難易度は?
クーリーローチの繁殖は、国内では成功した例をほぼ聞きません。それだけ難しいという事になります。ショップで販売されている個体は、ほぼ全て国外からの輸入個体になります。
それでも挑戦してみたい場合は、あまり刺激を与えないように人が頻繁に通らない場所に水槽を設置して、クーリーローチのみを雌雄で5匹~10匹ほど水槽内に入れて、土管や流木など隠れる場所も十分に用意しましょう。痩せないようにしっかり餌を食べさせて、十分子育てができる環境だと認識してくれたら流木などに卵を産みつけてくれるかもしれません。

稚魚が孵化した場合の餌は?
もしも稚魚の孵化までいけたら、餌はブラインシュリンプを沸かして与えましょう。ブラインシュリンプは、休眠状態の卵で売られている小さなエビのような動物プランクトンの一種です。


ブラインシュリンプの使い方
ブラインシュリンプは25度くらいの海水につけて24時間経たないと孵化しないので、与えたい1日前から準備しておくと安心です。また、沸かしたてが1番栄養が多くサイズも捕食しやすいので、毎日少量ずつを沸かして新鮮なものを与えることをオススメします。
ブラインシュリンプの沸かし方は、少量を沸かす程度なら浅いお皿やタッパーに海水をはり、ブラインシュリンプの卵をひとつまみ入れて光などを当てて適温にあたためると準備完了です。与える時は海水を濾すために専用の濾し器が必要になります。
文章で見ているとなんだか大変そうに思えますが、やり方を覚えて慣れてしまえばなんてことは無いです。せっかく孵化したクーリーローチの稚魚を育てるためには最適な餌になりますので、ぜひ挑戦してみてください。
繁殖に興味がある方はこちらの記事もおすすめです!
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まとめ
ここまで、クーリーローチの生態や飼育方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今まで知らなかった、という人も興味を持っていただけたのではないかと思います。知っていたけど飼うまでに至らなかった、という人も飼ってみたくなったのではないでしょうか?
水槽内のアクセントとしても、お掃除の手助けとしても実は人気なクーリーローチ。混泳水槽でも、もちろん単体で飼ってもオススメの熱帯魚です。ヘビのような見た目に最初は驚くかもしれませんが、そのつぶらな瞳ととぼけたような顔を見ていると、その魅力にハマってしまうこと間違いなしです。

