

小学生の時に理科の授業でメダカの観察がありました。その時のメダカはキメダカや白メダカ、黒メダカというメダカで野生のメダカと言われるメダカを使っていることが多いと思います。
今回は、野生のメダカではなく「改良メダカ」と言われるメダカを徹底解説していきたいと思います。改良メダカの世界はとても深いのでぜひチェックしてみてください!
改良メダカとは

改良メダカとは、突然変異と突然変異を掛け合わせて、偶然作られたメダカです。そのメダカがほぼ必ず生まれるように品種改良して、販売されるようになりました。体色、透明鱗、目の変化、虹色素胞、柄、ヒレ変化、体型の7グループの35分類によって分類されます。
2004年に楊貴妃が「改良メダカ」ブームの火付け役となりました。いまだに楊貴妃は根強い人気があり、近年は、この楊貴妃をさらに改良して発売する販売者も増えてきました。楊貴妃の他に、体の色を変化させたメダカや、目の色を変化させたメダカ、ヒレや体型を変化させたメダカ、紋様をつけたメダカなど改良はさまざまです。
改良の方法は、自分の好みに合ったメダカ同士を掛け合わせて突然変異のメダカを生み出すということになるので、ここに醍醐味を感じてメダカを飼育する方も多く、メダカブームの一員になっています。


改良メダカの飼育方法
改良メダカによって飼育方法に一手間加える必要があるメダカを紹介します。そのほか、メダカ飼育の基本(過密飼育をしない、水質悪化させない、適度な光、適度な餌やり、急な水温変化をさせない、酸欠防止、定期清掃)は守りましょう。
スモールメダカ
スモールメダカは目玉の大きさは他と変わらないのですが、瞳孔が小さいため周りの反射光(環境の色)を判断できず、視力も弱いため物に当たりやすいです。
ですので水槽内は障害物を無くしておくと安全ですね。餌も視力の弱さから、食べるのが苦手ですのでブラインシュリンプや栄養価の高い餌で餌やりはこまめに行いましょう。
ダルマ体型のメダカ
背骨の数が少なく、体長が普通種体型の半分程度しかないメダカです。泳ぎ方が可愛らしいのが人気の秘密です。冬の寒さから転覆病の恐れがあるので、ヒーターを使った水槽での飼育が必要です。
泳ぐのが不得意な品種で、餌がうまく食べられないので、水槽では同じ種類のみで飼育し、消化の良い栄養満点の餌を与えましょう。
ラメや体外光のメダカ
横から見て鱗片がキラキラとラメを散りばめたような個体をラメメダカといい、上から見て背中に光が発現する個体を体外光メダカといいます。
針子から若魚は白容器で水温20度台後半に加温飼育しましょう。やや過密飼育ぎみで育てると、それぞれの個体の成長が遅く、その代わりラメや体外光の出現に必要なグアニンがメダカの体に増えていきます。若魚(1cmくらい)になったら、体を大きくするために、水量多めのグレー容器へ移動しましょう。
グアニン(グリシン、アスパラギン酸、葉酸、グルタミン)が含まれたラメや体外光用の餌を与えましょう。
斑(ブチ)があるメダカ
体に黒い模様があるメダカです。黒い水槽だと保護色の影響で黒い斑(ブチ)がはっきりと見えます。白い水槽を選ばない様にしましょう。

白いメダカ
野生型(ミナミメダカやキタノメダカ)の黒色素胞と黄色素胞が欠如した白いメダカです。
白メダカは寿命が短く、弱いと言われがちです。それは近親交配によるものなどの原因もあります。普通のメダカと同じように、飼育し、時々、先に購入した店以外から同じ品種を購入、交配していけば、寿命の短さは解決していきます。容器の色白を使用すると、白さが増します。

アルビノメダカ
白メダカに似ていますが、アルビノメダカはメラニン色素が欠乏しているメダカです。視力が弱く、直射日光も苦手です。屋内で他のメダカとは混泳させず、水流を弱く設定し、障害物がない様に飼育しましょう。

黒いメダカ
通常メダカは黒水槽ではより黒っぽく、白水槽ではより白っぽくなります。この現象を背地反応(はいちはんのう)といいます。ブラック体色の中には、背地反応をする品種としない品種に分かれており、黒水槽ではほとんど見分けがつきません。白水槽では明確に判別できます。ちなみに背地反応する品種を「黒」、背地反応しない品種を「ブラック」と呼んだりしますね。
黒いメダカは色を保持させるためにも、黒い容器や黒いバックスクリーンの水槽に入れましょう。黒いメダカは水温が上がると、熱が体内にこもり、体調不良を起こしやすい(人間で言うと熱中症)ので、気をつけましょう。
ヒレの長いメダカ
ヒレが伸長する品種です。メンデルの法則でヒレが伸びるか伸びないかが決まります。メンデルの法則通りに繁殖しても、伸びるように飼育しないと伸びません。
ヒレの長いメダカは少ない飼育数で、たっぷりの飼育水、エアレーションで流れを作り、たくさんヒレを動かす環境をつくります。
また、ヒレが伸びると雌雄の見分けるのが難しいため、まだヒレが伸びていない体長1.5cmくらいの幼魚のうちに選別し、ヒレが伸び切らないうちに繁殖もしましょう。

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改良メダカを飼育する際の注意点
この頃はメダカのフェスティバル(即売会)が各地で行われるようになってきました。1ペア1000円から1万円以上する綺麗な改良メダカが出品されています。販売しているメダカ屋さんも頑張って売り込みをしています。
気になっていたメダカが売っていて、すぐに購入したい気持ちになってしまいますね。購入前や飼育する際の注意点を書き出してみました。
飼育に慣れてから改良メダカを迎える
キメダカ・白メダカや固定率の高い楊貴妃など、形や色など整ったまま飼育できるようになったり、水質で濁りや油膜に対応できるようになってから、高級な改良メダカを購入すると良いです。
水槽を買って、水を入れて、カルキ抜きをして、バクテリア剤を入れたら、すぐに飼育出来るほど、簡単には飼育はできません。継続して飼育できるようになってから、気に入った品種の改良メダカを購入する方が失敗しません。

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固定率の高いメダカ屋で購入する
固定率の高さは、メダカ屋の腕の見せ所と言っても過言ではありません。同じ品種でもネームバリュー、固定率が高いからと理解して、購入しましょう。購入時に、SNSのアカウントを教えてもらったり、固定率の維持の秘訣を聞くのも忘れずに行いましょう。
繁殖は形や色、ラメなど状態の良い個体のペアで行う
固定率の良いメダカを購入するだけで、改良メダカの飼育は終わりではありません。繁殖で適当に飼育していると、ラメや体外光やヒレの伸びは無くなってしまいます。元気が良く、形やラメなど状態の良いペアで、その品種に合った繁殖を行いましょう。

採卵時に他の卵が混ざらないようにする
採卵は素手で行いますか?もし素手だとしたら、他の品種の卵と混ざらないように気をつけましょう。産卵床の場合は、どのメダカの卵だったか把握するのを忘れないようにしましょう。

改良メダカの種類と稚魚の分だけ水槽が必要になる
改良メダカを購入して、卵も採ることができました。卵が孵化すると隔離水槽か稚魚専用が必要です。改良メダカの種類が増えると水槽も増えます。種類を増やすときは、スペースの確保をしてから購入しましょう。
自身の改良メダカを新商品として販売する時は慎重に行う
新しい改良メダカができ固定率が上がったら、日本メダカ協会のホームページの品種名早見表案(ニックネーム順)などを参考にして名前付けや販売の勉強を行ないましょう。
改良メダカの作り方
改良メダカを作る事は、夢があります。突然変異で生まれた個体同士をかけ合わせて作っていきます。下記の項目を守り、新しい情報を取り込みながら改良メダカを作っていきましょう。
どんなメダカを作るか想像する。
メンデルの法則を理解する。
血統と何代目かを間違えない様にしっかり記録する。
固定率の高い親メダカを用意し、オスメス1匹ずつで飼育する。
掛け合わせが悪いメダカもいるので、無理な掛け合わせはしない。
1世代から3世代の累代では、新種を作れません。新しい品種が出来るまで、数年の根気が必要。間違っても、放流はしてはいけない。
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まとめ
今回は改良メダカについて徹底解説してみました。自分好みの新しいメダカを生み出せるのは、とても夢がありますよね。この頃は、出目や水泡眼など金魚にいるような種類も出てきました。品評会も行われる様になり、次の世代への夢も膨らみ、ますますメダカを飼育するのが楽しくなりますね。

