

今回は、通常の水草育成環境で育てやすい赤系水草5種をご紹介します。
赤系水草は、水槽に華やかさをプラスしてくれるだけでなく、レイアウトの立体感や色のコントラストを簡単に引き出せる優秀なアイテムです。
水草水槽初心者にもおすすめな特に美しい品種を厳選しましたので、ぜひご覧ください。
ルドウィジア スーパーレッド

ルドウィジアの仲間で、赤系水草の入門種とも言える比較的育成しやすい水草です。
特徴
全ての葉がしっかりとした深い赤色になる
深紅のバラのような見栄え
葉が大きくならず使いやすい
赤色の安定感
葉は2㎝程度で、ルドウィジアレペンスルビンほど葉が大きくなりません。程よい成長速度で、中景〜後景草として使われます。
赤系水草によくある緑化現象がほぼなく、赤色を維持しやすいです。
育成環境
水温 | 22~28℃ |
水質 | 弱酸性~中性(pH5.0~7.0) |
光量 | 60㎝水槽で1500~2500㏐程度 |
CO2 | 添加したほうが良い(添加しなくても育成は可能) |
高光量でなくても赤色を保てます。本来の美しい姿を見るためには、CO2添加をしましょう。
底砂は、ソイルがベストです。あまり高栄養のソイルを敷くよりは、液肥をうまく活用しながら育てるほうが良いでしょう。
10㎝程度に成長したら、半分にカットして先端部を植えると増やせます。元株からも脇芽が出るので茂みを作りやすいですよ。



ロタラSP.H’ra(ハラ)

ベトナムに自生する水草で、高光量とCO2添加の環境では楽に育成ができる種です。
特徴
ロタラの中でも赤色を出しやすい
鮮やかなピンク・オレンジ系の赤色
水槽に繊細さをもたらす細かい葉
気泡を楽しめる
赤色を出すための環境づくりが比較的容易な種類です。2㎝程度の細長い葉を付け、中景~後景草として使われます。1本では線の細い水草なので、ある程度まとめて植えましょう。
成長速度が速く、光合成環境が整えば、美しい気泡を付けながらぐんぐん育ちます。
育成環境
水温 | 22~26℃ |
水質 | 弱酸性~中性(pH6.0~7.0) |
光量 | 60㎝水槽で2500~3000㏐程度以上 |
CO2 | 赤色を保つためには必須 |
高光量・CO2添加であれば、本来の発色を狙いながらでも育てやすいです。光合成環境が整っていないと緑色になるので、うまく赤色が出ない場合は、まず光量とCO2を見直しましょう。
底砂は、高光量・CO2添加の環境であれば栄養系ソイルがおすすめ。必要に応じて液肥を与えるのも赤色維持に効果的です。
トリミングに強いので、カットしてもすぐに新芽が出て、切った枝を植えることもできますよ。



ロタラ レディッシュ

東南アジア原産で、驚異的な赤さが人気の水草です。
特徴
ロタラ系で一番赤みが強い
ロタラsp.H’raよりも大ぶりで迫力がある
まっすぐ上に伸びる
気泡を楽しめる
3㎝程度の細長い葉ですが、ロタラの中では1本1本がしっかりとした印象の水草です。ロタラによくある横に伸びるという心配がありません。
中景〜後景草ですが、成長速度が速く、高さも出やすいので後景草のポイントとして使うのがおすすめです。
育成環境(光量、CO2、pH など)
水温 | 22~26℃ |
水質 | 弱酸性~中性(pH5.0~7.0) |
光量 | 60㎝水槽で2500~3000㏐程度以上 |
CO2 | 赤色を保つためには必須 |
難易度はそれほど高くありません。高光量・CO2添加で赤みが強くなります。液肥でバランス良く栄養を与えましょう。軟水を保たないと光量・CO2・栄養も無意味になりかねないので注意が必要です。
底砂は、弱酸性の軟水に傾けてくれるソイルが良いでしょう。
ロタラsp.H’ra同様に、トリミングでボリュームをアップさせることができます。



ルドウィジア レペンス ルビン

深い赤色に染まるルドウィジアの品種の一つで、丈夫で枯れにくいと言われています。
特徴
ルドウィジアスーパーレッドより赤色の深みが弱い
高光量・CO2がなくても赤みを出しやすい
環境が良いと葉が大型化する
エキゾチックな葉形も見どころ
比較的育てやすいですが、環境によって緑・薄赤茶・ワインレッドと色の変化があります。葉は3〜5㎝程度の楕円形で、高光量・CO2添加の環境では大きくなるので、小型水槽ではバランスが難しくなるかもしれません。
成長速度は程よく、中景~後景草として用いられます。葉が大きくなると存在感がありますよ。
育成環境(光量、CO2、pH など)
水温 | 22~28℃ |
水質 | 弱酸性~中性(pH5.5~7.0) |
光量 | 60㎝水槽で1500~2500㏐程度 |
CO2 | 添加しなくても育成可能 |
光量があればCO2を添加しなくても赤くできますが、色味が茶色っぽくなります。濃い赤色を出すにはCO2添加が必要です。
底砂は、弱酸性に傾けてくれるソイルがベスト。様子をみながら、底床からの栄養と液肥を使い分けましょう。
10㎝程度に成長したら半分にカットして、先端部を植えると根付いて増えていきます。



ハイグロフィラ・ロザエネルビス

最も美しいハイグロフィラとして有名で、非常に印象的な水草です。
特徴
ロマンチックなピンク系の赤色
浮き出た葉脈が美しい
先端の葉ほど赤みが強くなる
先端の葉がバラの花のように見える
3〜5㎝の楕円形の葉で、葉と葉脈のコントラストが特徴的です。根元に近いほうは黄緑色になるので、色のグラデーションも楽しめますよ。飼育環境によっても葉色が大きく変化します。
中景〜後景草で、成長はそれほど速くありません。インパクトが強めなので、レイアウトのコンセプトを決めたうえで取り入れると良いでしょう。
育成環境(光量、CO2、pH など)
水温 | 20~28℃ |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性(ph6.0~7.5) |
光量 | 60㎝水槽で1500~2500㏐程度 |
CO2 | 赤色を保つためには必須 |
丈夫で育てやすいですが、赤色をしっかり引き出すには、CO2を添加して光量も強めにすると良いです。光量不足だと緑色になります。
底砂は、ソイルでも砂利でも可。固形肥料や液肥などで、光合成環境とバランスが取れる栄養供給をしてください。
トリミングでボリュームを出せます。カットした先端を植えると根付き、元株からも新芽がでますよ。



まとめ
今回ご紹介した赤系水草は、一般的な水草水槽で赤色を保てる品種ばかりです。初めて赤系水草を導入する方にも楽しんでいただけると思います。
「多用し過ぎない」ということだけ注意すれば、赤系水草の導入はメリットしかありません。後景草に使って遠近感を出したり、中景で目を引くポイントを作ったりと表情豊かなレイアウトに一役買ってくれます。ぜひ活用して、ワンランク上の水景を目指してくださいね。

