

メダカの餌やりは、メダカにとっても飼い主にとっても楽しみな時間ですね。しかし、メダカを飼い始めた頃は餌を何を与えたら良いか迷うことが多々ありました。
近年は特に餌売り場には、たくさんの種類の餌が売られており、それぞれの成長や育成方法などに合わせたものがあります。今回はメダカがどんな時期に、どんな餌が良いかまとめてみました。それと、長期休暇の際に餌はどうするかも書いたので、参考にしていただけたら幸いです。
メダカはどんな餌を食べる?

メダカは口に入るものだったら、なんでも食べます。生き餌だったら、ゾウリムシ・ミジンコ・赤虫を好んで食べます。人工飼料も種類が豊富になってきました。
メダカはグルメで嗜好性があり、好き嫌いがあります。また、浮く餌が好きなのでよく食べるメダカは水面で餌を待っていたりして、そんな姿も可愛いんです!

パッケージの成分表について
餌のパッケージには製品について、商品の特徴が書かれた説明と成分表・成分が記載されています。求めている商品と説明文が一致していれば購入がすぐに決まりますね。購入が決まらない場合は、成分表や成分を参考にすると良いでしょう。
成分表の主な項目として以下のものがあります。
タンパク質
脂質
繊維
灰分
タンパク質
タンパク質は身体を作るもととなる栄養素です。メダカの場合、表示が50%が高タンパク、40%以下は低タンパクとなります。この高タンパク、低タンパクかで与える餌の判断の一つになります。
脂質
脂質はメダカをまるまる太らせるのに必要な栄養素です。8%以上は高脂質、4%以下は低脂質。高脂質の餌は水質悪化しやすいです。メダカも太りすぎると、内臓を悪くしてしまうこともあるので注意が必要です。
繊維
繊維は消化吸収を助け、メダカの腸内環境を良くしてくれます。免疫力を上げたり、皮膚を良好に保つ効果もあります。
灰分
灰分はリンやカルシウムのことです。メーカーによっては、リンやカルシウムと記載しています。骨の形成や新陳代謝を助けてくれます。
人工飼料と生き餌はどっちが良い?
手間暇が掛けられるならば、生き餌の方がコスパが良いでしょう。しかし、手軽な人工飼料でも十分育ちます。
自分で飼育しやすい餌を選ぶことをおすすめします。


メダカの稚魚の餌
卵が孵化して、2〜3日間はヨークサック(栄養が入った袋)があるので餌は要りません。ヨークサックがなくなってからの針子や稚魚は泳ぎもよちよち泳ぎなので餌の捕食も上手ではありません。ではどんな餌を与えたら良いでしょうか?
針子の時期の餌
針子は体が小さく泳ぎも上手ではないため、この時期の死因の多くは餓死です。餓死を防ぐために飼育環境をグリーンウォーターで育てるのがオススメです。グリーンウォーターは植物プランクトンの豊富な水です。植物プランクトンは基本的には動かないので、針子でも簡単に捕食することができます。
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もし、グリーンウォーターの飼育環境が用意できなくても、市販の針子の餌をこまめに与えれば育つので、心配しないでください。
針子の餌を選ぶ時は、骨の形成を助けてくれる灰分、カルシウムが20%配合されている商品でパウダー状を選びましょう。また、針子用の餌でなくても、大人のメダカの餌を指ですり潰したり、100円ショップで買ったすりこぎですり潰して与えても食べます。
気をつける点としては、針子は餌を食べ残すので掃除を怠らないようにしてください。掃除を怠ると水質悪化につながり、メダカが体調を崩したりするケースも出てきます。

稚魚の時期の餌
針子から稚魚に成長し、メダカらしくなってきましたね。このくらいから、ミジンコは食べられるようになります。少しずつ与えて、食べ切れる量を与えるようにしましょう。
与えすぎると、食べられなかったミジンコが生き残り、水槽内で落ちてしまいます。落ちると水質悪化が早いので、食べ切れる量だけ与えましょう。
稚魚は針子と同様に、パウダー状の人工飼料で十分に育ちます。水質悪化しないように、餌やりの量に注意しましょう。針子同様に、掃除も怠らないようにしましょう。

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メダカの成長期の餌
成長期のメダカは食欲旺盛です。餌は「成長用」「主食フード」と記載されている商品を購入すると良いでしょう。タンパク質が40%以上、脂質が8%以上の商品を選ぶと良いですよ。
この時期になると食べるのも上手になります。食べ切れる量を与えて、与える回数を増やすと、すぐに抱卵するようになります。

商品によっては稚魚から成魚まで食べられる餌もある
パウダー状は稚魚でも成魚でも食べられます。これから成長する稚魚に合わせて、栄養価も高くなっています。成長期の餌は、粒が大きめなのが多い中、どの大きさのメダカでも食べられるので「ヒカリ パラクリア パウダー」などの餌を選ぶと成長スピードが早くなります。

メダカの繁殖期の餌
抱卵すると、より栄養価の高い餌が必要になってきます。それと食いつきをよくするために、嗜好性がある餌を選ぶと良いです。餌は「繁殖用」と書いてある商品を選びましょう。
繁殖させないメダカにはどんな餌を与える?
メダカを全部繁殖させてもいいですし、形の良いオスメスだけをペアにして、繁殖させても良いです。ペアだけが繁殖する場合、ペア以外のメダカは、無理して繁殖用の餌を食べる必要はありません。
餌は普通の餌の他に色々な餌の種類が開発販売されています。楊貴妃メダカや紅帝メダカなどは色揚げ用の餌を与えて鑑賞を楽しみましょう。オーロラメダカやサファイアメダカは体外光等の光り具合も増すために作られた餌を与えましょう。

メダカの越冬時の餌
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暑さがおさまる頃から、メダカの活動は落ちてきます。秋には消化能力も落ちてくるので、低タンパク、低脂質の「消化が良い」や「負担が少ない」と書いてある餌を与えましょう。屋外飼育のメダカは餌の食べが悪くなり、餌を食べきれなくなったり、食べたがらなくなったら越冬(餌切り)を開始しましょう。
もし、越冬中に餌を食べたそうに、水面へ上がってきたら、消化の良い餌を少しだけ与えるようにしましょう。食べすぎると、消化不良を起こして、落ちてしまいます。食べ切らず餌が水槽に残ると水質悪化してしまうので、餌の量は少なめにしましょう。


長期休暇の際に餌はどうする?
メダカは1週間くらい餌を与えなくても生活ができます。少しでも綺麗な状態の水槽で旅行に出発してもらいたいので、旅行などの出発前日に水換えを行い、餌切りをしておきましょう。稚魚も孵化して2週間すぎていればアオウキクサやマツモ、アナカリスなどの水草を水槽に入れていると、それらに付いている微生物を食べて生活ができます。
留守番用の餌は、メダカがどのくらい食べ残すかわかりません。便利な餌ですが、水質悪化を招く恐れがあるのでやめましょう。
自動給餌器は少量の餌を与えるには不向きな機械です。無理して設置すると、水質悪化を招く可能性があります。

餌の使用期限はあるの?
餌の賞味期限は開封後約6ヶ月と言われています。保存方法によっては、ビタミン類や油分が酸化してしまい、消費期限よりも早く餌が劣化してしまう可能性もあります。餌の状態も観察して変色していたら使用しないほうがいいでしょう。また、虫が入ってこないよう蓋をしっかり閉めておくことも忘れないようにしましょう。
虫の侵入や、湿度による酸化を防ぐためにも、大きいビスケットの空き缶やプラスチックケースなどに乾燥剤(シリカゲル)を入れて、保管しましょう。そして、変質を避けるために日の当たらない場所へ置くようにしましょう。


まとめ
少量のメダカを飼育している分には、人工飼料で十分です。餌の種類は普段用、繁殖用、負担の少ない餌の最低3種類が必要となります。メダカの様子を観察しながら、餌の種類や量を調整してください。
一種類だけにこだわらず、餌をブレンドをしてみたり、夏の暑い日には赤虫など生き餌を与えてみたり、色々と餌やりの時間を楽しんでみてください。

