

ミニマッシュルームは小さな葉をつける水草で、使い勝手の良い前景草で、丸い葉っぱが可愛らいしいですよ。
ビオトープにも使われることもあり、ライトグリーンの葉が水槽を明るく可愛らいしい雰囲気にしてくれます。
今回はそんなミニマッシュルームの上手な育て方や増やし方、相性の良い水草などをご紹介しますのでぜひ最後までチェックしてみてください。
ミニマッシュルームの特徴

ミニマッシュルームは短い茎と円形で10mm〜20mm程度の小さな葉っぱが特徴的な水草です。
ウォーターマッシュルームを品種改良して誕生した品種であり、ウォーターマッシュルームをそのまま小さくしたような外見を持ちます。
前景~中景草として使いやすく、地下茎(ランナー)を伸ばして増えるので一度状態が安定すると非常に増えやすくなりますよ。扱い易い水草ではありませんが、うまく扱えると非常におしゃれな水景を描くことができます。


ミニマッシュルームの基礎知識
名称 | ミニマッシュルーム |
学名 | Hydrocotyle vulgaris |
別名 | ピグミーマッシュルーム ウチワゼニクサ |
値段 | 500円~1000円程度 |
レイアウト | 前景~中景草 |
高さ | 5㎝~15㎝程 |
底床 | ソイル推奨 |
適正水温 | 15℃~20℃ |
適正水質 | pH5~7.5程度、GH6程度まで |
CO2 | 無しでも可だが添加推奨 |
必要光量 | 強め |
育成難易度 | ★★★☆☆ |
ミニマッシュルームは侵略的外来種
ミニマッシュルームですが、チドメクサ属として分類されており、侵略的外来種であると認定されています。そのため、河川などに流出してしまうと、環境への被害が大きく、場合によってはその地域固有の水草や生体が絶滅してしまう可能性があるため、絶対に流出させないようにしましょう。
また、近似種であるブラジルチドメグサは特定外来生物に分類されており、流出させた場合罰則が科されることがあります。水草を扱う際には、使用する排水溝などにはネットをかけ、外への流出を最大限抑える努力をする必要があります。

ミニマッシュルームの育て方
ミニマッシュルームの特徴として、溶けやすい点が挙げられ、水槽立ち上げ時にミスト式でしっかり定着させた上でCO2添加を行わないとあっさり溶けてしまうことが多いですが、一度安定さえすればミニマッシュルームはランナーで増える水草であるため、たくさん増えてくれます。
そのうえ、増えすぎて大変なことになることが多い水草の一つですので、育成する際はトリミングに追われる覚悟が必要な水草でもあり総じて手がかかる水草です。

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ミニマッシュルームの植え方・トリミング方法
ミニマッシュルームはランナーによって増える水草です。購入した際にはランナーで繋がっている場合があるため、ランナーを切り離して植えましょう。
お勧めは水槽立ち上げ時にミスト式を使用して安定させることをお勧めします。立ち上げ時以外に導入する場合は一度水上栽培を行い、ストックを確保したうえで植え込みを行うことで溶けた場合でも保険を残すことができます。
前述のとおり、気づいたら増えて、トリミング。気づいたら増えて、トリミング。とこまめな管理が苦手な方にはお勧めできません。

また、別種であるウォーターマッシュルームは最大40㎝にもなる大型の水草となっており、縦幅30㎝の水槽にミニマッシュルームと間違えて導入してしまうと大変なことになります。
水上栽培も可能ですが、水上葉は水中に沈めると枯れてしまうため、ミスト式から注水した際も同様ですが、水中葉が出てきたら水上葉はカットしましょう。トリミングをしっかりと行うことによって、ミニマッシュルームのポテンシャルを最大限生かすことができます。
水上栽培の注意点として、水上葉を放置してしまうと非常に大きく成長し、水中に沈めた際にレイアウトを乱してしまう恐れがあります。

ミニマッシュルームを育てる際の注意点
ミニマッシュルームはコケが生えやすい
非常にこけが生えやすい水草です。こまめに落とすか、カットしてしまうことをお勧めします。その特性上、エビとの相性は抜群で、ミニマッシュルームの上でコケを食べてくれるエビの姿は非常に映えます。
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また、オトシンクルスとも相性がいいので、一緒に導入することも考えましょう。
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別種に注意
前述しましたが、近似種であるブラジルチドメクサは特定外来生物に認定されております。
飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止、輸入も同様です。(環境省-日本の外来種対策-https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/bassoku.html ー 2024.1)
これらに違反すると最大3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金が科される恐れがあります。(環境省‐日本の外来種対策 ‐ https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/bassoku.html - 2024.1)
こちら(https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/manual/10hp_shokubutsu.pdf)にミニマッシュルーム(PDF内ではウチワゼニクサと記載)情報が書かれておりますので、もしお手持ちにブラジルチドメクサと思しき水草があった場合、購入した侘び草にその恐れがある水草があった場合は一度確認を推奨します。

溶けやすい
光量不足に弱く、CO2が添加されていない環境ではやや溶けやすく、初心者にはやや難易度が高い水草でもあります。前述のとおり、立ち上げ時に導入する。若しくは水上栽培から始めることを強くお勧めします。

思わぬ場所に増えていることがある
ランナーにより増えるため、離れた場所に伸びている場合があります。ランナーの流れを確認したうえで、増えてほしくない場所に伸びている場合ランナーを切り、その先を回収しないと後景草の下に生え、そのまま枯れて気づかぬうちに水質を悪化させる場合もあります。
水槽の水換え頻度を変えていないのに急激に水質が悪化している場合、後景草の下部を確認することをお勧めします。

ミニマッシュルームのおすすめレイアウト

小型生体との混泳をお勧めします。個人的にはミナミヌマエビとグリーンネオンテトラがお勧めです。特に小型な両生体とミニマッシュルームとの相性は非常に良く、大きく育ったミニマッシュルームの下をミナミヌマエビやグリーンネオンテトラが泳ぐ姿は必見です。
さらに、白色が特徴の石との相性は抜群で、ミニマッシュルームの鮮やかな緑色とのコントラストは水景を鮮やかに見せること間違いありません。
ほかの水草との相性も良く、特にリシアやキューバパールグラスで草原レイアウトをし、アクセントとしてミニマッシュルームを使用すると、可愛らしい外見をうまく生かすことができます。
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後景草には緑以外の色が出る水草がマッチします。少々主張が激しいですが個人的にはロタラロトンディフォリアがお勧めです。桃から鮮やかな赤色が特徴的なロタラと鮮やかな緑色なミニマッシュルームとの相性は抜群です。
前景~中景で草原を、後景草にロタラロトンディフォリアで夕日のような水景を描くとすべてのポテンシャルを生かすことができるでしょう。
また、流木とも相性が良く、森林や水没林のようなテーマで水景を描くことも可能です。

まとめ
ミニマッシュルームは可愛らしい水景を作るのにもってこいな水草です。
小型生体との相性も良く、CO2添加と強い光量があれば無尽蔵に増えるため、手持ちの水草が少ない場合でも容易に増やすことが可能で、これからCO2添加を始めようと考えている方が入門するには良い水草であるといえます。
また、水上栽培、ミスト式とも相性が良く、これから水槽を立ち上げようとしている場合でも、すでに立ち上げが終わっている場合でも水上栽培から始めることで容易に水槽にプラスすることが可能と非常に使い勝手の良い水草です。
しかし、溶けやすく、初心者がとっつきづらい側面もあるため、しっかり下調べ等を行った上で育てることをお勧めします。

