

メダカの様な小さな身体に赤い顔が特徴のラミーノーズテトラ。その色合いからラミーノーズテトラ一種類を群泳させるだけでもとても美しいアクアリウムにすることができます。
本記事ではラミーノーズテトラの飼育方法や飼育する上での注意点、繁殖方法などを詳しく解説していきますのでぜひ最後までチェックしてください!
ラミーノーズテトラはどんな魚?

ラミーノーズテトラとは小型カラシンの一種で、ネオンテトラなどのテトラ類に属します。
アマゾン川が原産の淡水魚で、体長は最大でも5㎝ほどでネオンテトラより一回り大きく、小型水槽でも飼育が可能な熱帯魚です。
初心者でも飼育しやすく、病気や突然死も起こりにくいとされています。熱帯魚としてとても一般的な種類ですので流通量も多く、ブリードの個体だと1匹100円前後とお手頃な値段で販売されています。
ラミーノーズテトラの特徴
名前:ラミーノーズテトラ
原産:アマゾン川
寿命:3~4年
食性:雑食
見た目がとても美しく、透明がかった銀色の体に鮮やかな赤い頭部という特徴的な見た目をしていて、この頭部の赤色がラミーノーズテトラの状態を表しており、状態が良いほど赤い発色が濃くなります。
尾には黒と白の縞が入っておりこちらも魅力的ですね!性格も温厚なので他の熱帯魚との混泳も可能であり、寿命も3年〜4年と熱帯魚にしては長いので非常に飼育しやすい生体と言えるでしょう。
食性は雑食ですが草食を好む傾向があり、水槽内の水草の新芽を食べてしまうことがあるので注意が必要です。

ラミーノーズテトラの名前の由来
「ラミーノーズ」は”酔っぱらいの鼻”という意味で、頭部の鮮やかな赤色がこの名前の由来となりました。
学名を「Hemigrammus bleheri」 といい、熱帯魚研究家のハイコブレー氏にちなんでつけられました。

ラミーノーズテトラがオススメなのはこんな人
とても魅力的なラミーノーズテトラですが、どんな人にあっているのでしょうか。
オススメな人とオススメな理由と共にご紹介します。
アクアリウム初心者の方
ラミーノーズテトラは性格は温厚、病気にもなりにくく寿命も長い点からアクアリウムや熱帯魚飼育をしたことがない初心者の方にオススメの種類です。
水槽が小さいものでも飼育できますし、淡水魚ですので準備もしやすいといえるでしょう。ただし水槽が小さいとその分飼育可能な匹数が少なくなるので注意が必要です。
また、ラミーノーズテトラは価格もお手頃であるので初心者向きと言えるでしょう。通販価格だともっとお安いものもあるのでぜひ検索してみてください。

水槽を置く場所が限られている人
繰り返しになりますが、ラミーノーズテトラは体長が小さいため、小型の水槽でも十分に飼育可能です。
小型魚の安全な飼育に必要な水の量は「体長1㎝に対して1L」とされているので13L入る30㎝の小型水槽だと3匹程度飼育することができます。
大きな水槽を置く場所が確保できない人や、最初だから小さな水槽で…と考えている人にはオススメです。

群泳させたい人
ラミーノーズテトラは皆同じ方向に向かって泳ぐ習性があります。
そのため群泳させるのに向いています。群泳は泳いでいる魚が多ければ多いほど美しく感じます。
ラミーノーズテトラは小柄なので沢山泳がせることができますので、一つの水槽にたくさんの魚が泳いでいる壮観なレイアウトができますよ。
更にラミーノーズテトラはその体の色から、水草水槽にとても映えます。鮮やかな緑に鮮やかな赤色がとてもきれいに見えるのです。
ラミーノーズテトラは群泳をさせたい人にぴったりな種類です。

混泳させたい人
ラミーノーズテトラは性格が温厚で争いを好まないため、他のテトラ種やコリドラスなど、多くの熱帯魚と混泳させることができます。
ラミーノーズテトラの泳ぐ位置は水槽の中層。下層を泳ぐコリドラスなどのナマズ系や上層を泳ぐマーブルハチェットなどと混泳させるのも楽しそうです。考えるだけでわくわくしますね!
コリドラスについて詳しく解説した記事はこちら
-
-
【コリドラスパンダは弱いって本当?寿命は?】飼育方法から繁殖まで徹底解説
ユニークな見た目と動きで高い人気を誇るコリドラスパンダ。一度は飼って欲しい魅力的な底物系熱帯魚です。 とにかく愛くるしいアイドルフィッシュ的存在ですが、「コリドラスパンダは弱い」と思われがちで、導入を ...
続きを見る
混泳させる時に注意が必要なのは体長が同じくらいの小型魚が良い、ph値が合わない魚は避けるの2点です。体格があまりに違うとラミーノーズテトラが温厚な性格だとしても、大きな魚には食べられてしまうこともあります。
ラミーノーズテトラは混泳に向いているので、いろいろな熱帯魚と合わせて楽しみたいですね!
ラミーノーズテトラの飼育方法
美しく魅力あふれるラミーノーズテトラ。実際に飼育する方法について説明していきますが、今回は初めから水槽を立ち上げることを前提に解説していきます。
ぜひ参考にしてください。
用意するもの
熱帯魚(ラミーノーズテトラ)を飼育するためには次のものが必要です。
水槽
ソイル、または砂利
ろ過装備およびろ過フィルター
ヒーター
餌
水草
生体(ラミーノーズテトラ)
色々必要になるので、どのように選べばよいのか説明していきます。
水槽
ラミーノーズテトラは小型なので小さな水槽でも飼育することができます。
置く場所や飼育したい匹数からサイズを選ぶと良いでしょう。
30㎝水槽 → 3~10匹
45㎝水槽 → 10~20匹程度
60㎝水槽 → 10~30匹程度
水槽が大きくなればなるほど飼育できる匹数は増えますので、自身にあったサイズを選びましょう。

ソイル、または砂利
ラミーノーズテトラは弱酸性の水質を好むので、底床はソイルがオススメです。特に水草も一緒に育てる場合は根を張りやすいソイルが良いでしょう。
ラミーノーズテトラには特別な機能を持った底床は必要ないため、大磯砂利を使用しても良いでしょう。大磯砂利を使用する際は貝殻などが取り除かれたものを選んでください。

ろ過装備およびろ過フィルター
ラミーノーズテトラは水を汚しにくい種類なので、ごく一般的なフィルターで十分です。
どんなフィルターでも問題はありませんが、水流が強すぎず物理濾過、生物濾過どちらも優秀な水槽の上に乗せて使う上部フィルターがオススメです。

ヒーター
大体26℃前後の水温を保てる様なヒーターが必要です。
準備した水槽のサイズによって商品を選びましょう。

餌
ラミーノーズテトラの口はとても小さいので、小さな粒のものを選びましょう。
赤虫なども食べますが、グッピーやネオンテトラ用餌がオススメです。

水草
ラミーノーズテトラは草食を好む傾向にあるので、水草を食べてしまいます。
特に柔らかい新芽は食べられやすいという問題があります。
そこで丈夫で葉が硬い水草を選ぶと良いでしょう。食べられるのを少しは防げますし、食べられたとしてもまた育ってくれます。
オススメの水草3種
アマゾンソード

アマゾンチドメグサ

クリプトコリネ

生体(ラミーノーズテトラ)
ラミーノーズテトラは養殖された「ブリード」野生でとれた「ワイルド」の2種類がいます。
ブリード個体 | サイズが小さめ模様が劣ることもある水槽に慣れているので飼育しやすい |
ワイルド個体 | サイズが大きい傾向模様がはっきり出る傾向気性が荒いことがある飼育の難易度が高め |
あくまで傾向ですが上記の様な差があります。値段もワイルドの方が少し高い傾向にあります。
ちなみに生体の購入は水槽を立ち上げて水質が安定してからにしましょう。
水槽の立ち上げと水合わせ
必要なものが用意出来たら水槽を立ち上げていきます。
- 水槽を置く場所の確認
- ソイル(砂利)を底から2~3㎝敷く
- アイテム(フィルタ、ヒーター)を取り付ける
- カルキ抜き(1日程度汲み置いた)した水を8分目まで入れる
- 水草を設置
ここまで出来たらフィルターも稼働させ、水が透明になるまで約2週間~3週間おきます。

水が透明になったら生体を購入し、水合わせを行っていきます。
- 生体を購入した時のビニール袋に入れたまま水槽に入れる。
- ビニール袋の水が水槽の温度と同じになるまで待つ。(1時間ほど)
- ビニール袋に入った水ごと水槽に放つ。
これで水合わせも完了です!
水合わせについて詳しく解説した記事はこちら
-
-
[水合わせで失敗したくない!] 点滴法や水合わせ時間まで徹底解説
熱帯魚を購入しご自宅の水槽に入れる際は必ず水合わせを行う必要があります。 水合わせは「pHショック」「アンモニア中毒」によるダメージを避け「水温」「水質」を均一にすることにより、生体の健康を維持する上 ...
続きを見る
はじめて熱帯魚を飼育するときに生体を先に購入してしまう事がありますが、水槽の立ち上げをしっかり行うことが大切です。焦らずしっかり時間をかけましょう。

ラミーノーズテトラを飼育する際の注意点
では、ラミーノーズテトラを飼育する際の注意点はどんなことがあるのでしょうか。
注意点は大きく4つあります。
水質と水温に気を付ける
強い水流は避ける
餌は小さい粒のものを少量ずつ与える
飛び出しに注意する
では一つずつ説明していきます。
水質と水温に気を付ける
ラミーノーズテトラの好む水質はph5.5程度までの弱酸性から中性です。弱酸性の軟水の下で赤い発色が綺麗に出るといわれています。
水温は23℃〜28℃が良いとされています。低水温だと白点病になりやすいので26℃~28℃キープすると良いでしょう。
白点病について詳しく解説した記事はこちら
-
-
白点病ってどんな病気?原因から治療までを解説
「白点病と他の病気の見分け方は?」 「白点病は水換えだけで自然治癒する?薬が必要?」 「水温の変化で白点病にかかる?」 白点病は、アクアリウムを楽しむうえで必ず知っておきたいメジャーな病気。たとえば新 ...
続きを見る
強い水流は避ける
ラミーノーズテトラは強い水流を嫌うので避けたほうが良いです。フィルターを選ぶときもあまり強い水流が起こるものは避けましょう。
水流に逆らって泳いだ時に泳ぎ疲れてしまうことがあります。そうすると衰弱してしまうので注意が必要です。
上部フィルターについて詳しく解説した記事はこちら
-
-
[サクッと解説!]上部フィルターのメリットデメリット
アクアリウムを始めるにあたって、必要とされるフィルター、濾過装置には様々なものがあり、「外掛式」や「底面式」、「投げ込み式」、「スポンジフィルター」など種類はたくさんあります。 その中でも比較的シンプ ...
続きを見る
餌は小さい粒のものを少量ずつ与える
ラミーノーズテトラは口が小さいため、粒の小さな餌を選びましょう。もし用意した餌が少し大きいと感じたら砕いて与えるようにしてください。
与える量は1度で食べきれる量にしましょう。赤虫も食ベますので与えても大丈夫ですが注意が必要です。
ラミーノーズテトラが餌を食べない場合は、赤虫などの与えすぎによる消化不良が原因で拒食になっている可能性があります。赤虫などを与える際には量に注意しましょう。
餌を与えすぎると食べ残しによる水質汚染や、腐敗した餌を食べてしまう事で突然死の可能性もあります。プロホースなどを使って底床の掃除を定期的にすることで残餌による水質汚染を防ぐことができます。

飛び出しに注意する
ラミーノーズテトラは遊泳性が高く水面近くを勢いよく泳ぎ回ります。あまりの元気さで水槽から飛び出てしまうこともあるのでしっかりと蓋をすることが必要です。
ラミーノーズテトラの飛び出し事故は意外と多いので注意しましょう。小型魚なので小さな隙間からでも飛び出すことがあります。蓋で覆えない部分があったら、板などで補うようにしてください。

ラミーノーズテトラの繁殖
熱帯魚を飼育するなら、ぜひ繁殖にもチャレンジしたいですよね。
しかしラミーノーズテトラの繁殖は難しいとされています。
理由は大きく2点あります。
そもそもオスとメスの判別が難しい
親魚が卵や稚魚を食べてしまう
それぞれ説明していきます。
そもそもオスとメスの判別が難しい
ラミーノーズテトラは見た目だけでオスメスを判別する事が難しく、親となる個体を隔離する事が非常に困難です。
そのため群れで飼育を行い、抱卵したメスを隔離する、という方法がオススメです。
親魚が卵や稚魚を食べてしまう
ラミーノーズテトラは卵をばら撒く様に産みます。その卵を水槽内にいる他の熱帯魚に食べられてしまったり、親魚に食べられてしまう、と言った事が起こります。
稚魚も非常に小さく、同様に食べられてしまう可能性が高い様です。そのため、卵の段階でサテライトを設置して隔離してあげる事がひつようです。

繁殖の手順
注意点がわかった所で、繁殖方法を確認してみましょう。
①抱卵しているメスを見つけ隔離する
よく観察しているとお腹が大きいかな?という個体が現れますので、隔離用の小型水槽で隔離します。水槽には産卵用のウィローモスなどをいれておきましょう。
②水質に変化をつけ産卵を待つ
ラミーノーズテトラは水温やphの変化で産卵をしますので水温を徐々に下げてから上げる、水を少し入れ替えるなどをしていくと良いでしょう。
産卵を確認したら親魚は元の水槽に戻し卵だけを隔離します。
③隔離水槽を布で覆い稚魚を育てる
ラミーノーズテトラの稚魚は光に弱く死んでしまうので、隔離水槽を布などで覆いましょう
稚魚は非常に小さくインフゾリアという微生物しか食べません。販売はあまりしていませんが、ネット通販で取り扱いがある様です。
10日ほど経って市販の餌が食べられる様になったら、成魚になるまで育てましょう。大きくなって食べられる心配がなくなったら元の水槽に戻す事ができます。
まとめ
いかがでしたか?
ラミーノーズテトラは初心者でも飼育しやすい事がわかりました。熱帯魚初心者の方のはじめの一歩にいかがでしょうか。
一度水槽を立ち上げれば長い準備期間も必要なくなりますので、新たな種類も買いやすくなりますよ!

