

皆さんは、ベタの種類をどれくらい知っていますか?ベタと一言で言っても、その種類は本当に様々。全て同じベタという魚ではあるけれど、色の出方や尾ヒレの形状によって、実に多様な呼ばれ方をするのがベタの特徴のひとつです。ここでは、色の違いと尾ヒレの形でベタがどのように呼ばれ種類分けされているかを徹底解説します。
ベタの特徴

ベタとは
ベタは、タイが原産国である観賞魚です。地元では「闘魚」と呼ばれ、ベタのオス同士を闘わせる事は広く知られています。
気性が荒く闘魚として親しまれているのは、原種に近い昔ながらの尾ヒレが短いベタ「プラカット」。より見栄えがするように品種改良されていった結果、現在のように大きく様々な形をした尾ヒレや美しいカラーリングを持つショーベタが流通するようになりました。
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ベタのカラーリング
そしてベタのカラーリングは多岐にわたり、赤、青、黄色、白、黒、などから構成されます。これらの色のグラデーションだったり、1色のみだったりと本当に色々な色の出方があるのです。品種改良が常に行われる中で、例えば以下のようなカラー派生が新しく次々に作り出されています。
メタリック
カッパー(コッパー)
ラベンダー
ダルメシアン
リム
これはカラー派生の中の本当にごく一部ですが、簡単にご紹介します。
メタリック(メタリカ)
金属光沢を持つ鱗があるベタのことを言います。ほぼ全身が金属光沢の鱗で均一的に覆われている場合はメタリック(メタリカ)と呼ばれ、まばらに点在する場合はギャラクシーなどと呼ばれたりします。

カッパー(コッパー)
金属光沢の中でも銅色が発現した場合はカッパー(またはコッパー)と呼ばれます。これはそのまんま英語の「銅色」という意味になります。

ラベンダー
青みの強い紫からピンクがかった紫まで様々ですが、ほぼ全身紫色を帯びている場合はラベンダーという名称で売り出されます。

ダルメシアン
黒と白や、青と白のぶち模様のベタがこう呼ばれて流通しています。ぶちは犬のダルメシアンのように細かい事もあれば、まだら模様のように大きく出る事もあります。

リム
リムとは、円形の物体の端や縁を意味する言葉です。ヒレの縁にだけ別の色が乗っているベタにはリムという名称が付けられます。例えば白い体にヒレの先だけ青色が入った場合は「ブルーリム」のように呼ばれます。

色の派生のごく一部だけでもこれだけ種類があるのが凄いですよね。次に尾ヒレの形状や模様によるベタの種類分けについて解説します。
トラディショナルベタ
トラディショナルベタは、昔から広く親しまれているベタの代表的な種類です。流通量も多く、ベタ専門店や熱帯魚店だけでなくほとんどのホームセンターでも取り扱われているでしょう。
流通量が多いため値段もお手頃な個体が多く、ベタ初心者でも飼いやすいので人気な種類です。大きな木の葉のような尾ひれをしているのが特徴で別名を「べールテール」と言います。

プラカット
この名前は、タイ語でプラ(魚)カット(噛む)ということで「噛む魚」を意味します。プラカットは、ベタの原産国であるタイで「闘魚」として親しまれてきた尾ヒレの短い種類のことを言います。
原種に近いため他の大きいヒレのベタよりも気性が荒い傾向があります。また、筋肉の動きがヒレに伝わりやすく、ジャンプ力が強いため飛び出しに注意しなければいけない種類です。

鯉ベタ
鯉ベタとは、錦鯉のような色合いのベタのことを指します。ハーフムーンやクラウンテールのように尾ヒレが長くても、プラカットのように尾ヒレが短くても、色合いによって鯉ベタかどうかが決まります。
鯉ベタは黒・赤・白(または透明)の3色入りが基本になりますが、そこに他の色が混ざることで様々な派生が生まれています。オレンジや黄色が入ると「キャンディー」や「ニモ」と呼ばれます。また、メタリックブルーが入ると「ギャラクシー」などと呼ばれたりします。
黒・赤・白(透明)が基本と言いましたが、必ずしもその3色が入っていないと鯉ベタとは言えない訳ではありません。例えば、赤と白だけでも鯉っぽい模様だったら鯉ベタと言われるのです。
鯉ベタは飼い込むうちに色変わりをすることが多く、その変化を楽しめることも人気の理由です。はじめは赤の割合が少なかったのに、少しずつ赤の割合が大きくなっていたり。中には、青色なんて全く入っていなかったのに徐々に青色の鱗が出てきた!なんて場合もあります。

ハーフムーン
ハーフムーンは、名前の通り半月状の尾ヒレを持つベタを指します。厳密に言うとその中でも180度開く尾ヒレを持つベタがハーフムーンと定義され、180度に満たない尾ヒレを持つベタはスーパーデルタ(三角形という意味を持ちます)という名前で出回ります。
生まれた瞬間から「この子はハーフムーン、この子はスーパーデルタ」と決まっている訳ではなく、成長するにつれて出てくるそれぞれのヒレの状態によって、名称が変わってくるのです。ベタの種類に関する名前付けは結構曖昧な部分も多くあります。

ダブルテール
ダブルテールは、尾ヒレが真ん中で上下に分かれており、ハート型に見える人気の種類です。トラディショナルベタと同様に広く知られており流通量も多いので、比較的安価な個体が多いでしょう。
オスの尾ヒレは長くハート型に見えない個体も多いですが、メスの尾ヒレは基本的に短いので、ダブルテールの場合はメスの方が綺麗なハート型に見えます。メスまで扱っているショップは稀なのであまり実物を見かけないとは思いますが、他の種類のメスベタと比べても見た目と価格で圧倒的に人気なのはダブルテールだと言えます。
ダブルテールの中でも、フレアリング(全身の力を入れて全てのヒレとエラを広げた状態)の際に尾ヒレが180度以上開き、さらに各ヒレの端っこが全て重なるものをフルムーンと呼びます。
全てのヒレが重なると、全体的にまるで満月のように見えることからそう言われています。これはダブルテールとハーフムーンを掛け合わせて作られた種類で、ハーフムーンよりもヒレの重なりが多い分豪華で見栄えが良いので価格も高い傾向にあります。

クラウンテール
クラウンとは「王冠」を意味します。尾ヒレの先の軟条(レイ)が全て枝毛のように分かれてギザギザしており、横から見るとまるで王様が被っている王冠のように見えることから名付けられました。
また別名をコームテールと言い、髪の毛をとかすための櫛のように見えることからそう言われています。同じクラウンテールの中でも、そのヒレ先の形状によって様々な名前がつけられ、かなり幅広い価格帯になっています。
普通に尾ヒレの先が分かれているだけのクラウンテールは初心者でも手を出しやすい低価格の個体が多いでしょう。しかし、別れた先の軟条が反るようにカーブし、さらに隣合った軟条同士がそれぞれ綺麗にバランスよく交差している尾ヒレを持つものは「クロスレイクラウンテール」や「キングクラウンテール」と呼ばれ、価格は跳ね上がります。クラウンテールの最高峰とも言われているだけあって、本当に綺麗な個体はなかなか発現しないため売り出されることも少ないのです。

まとめ
ベタの種類や特徴を徹底解説できましたが、いかがでしたでしょうか。ベタの基本的な種類の分け方は、尾ヒレの形であることがほとんどです。そこに特徴的な色が発現した場合は別の呼ばれ方をします。
新しい種類が次々と出てくるベタは、それだけ人気が高く愛されている熱帯魚だという事が分かりますね。どんなに似てようが、1匹として同じベタはいないので、「この子だ!」というベタをぜひ探してみてくださいね。

