

水槽内を優雅に泳ぐアロワナ…アクアリストなら誰もが飼育を夢見ることですよね?ですが飼育のハードルは高く必要経費や個体の大きさも相まって、飼育者を選ぶ熱帯魚と言えるでしょう。水槽は最低でも120cm以上は必要で、置き場所によっては家屋の補強工事まで行わなければいけません。
ですがその分の見返りとして、アロワナ飼育は非常に興味深いものになること間違いなしです。本記事ではアロワナ飼育について、その繁殖まで踏み込んだ徹底的な解説を行っていこうと思います。
アロワナはどんな魚?

アロワナと一口に言っても種類は様々です。近縁種もかなり多いので混同しがちですが、今回は純粋に『アロワナ』として定義し販売されている種類について説明していきましょう。
アロワナを知るのにまず手っ取り早いのは、生息地ごとに区切ることです。生息地は下記の3つに分類されます
オセアニア(主にオーストラリア)
南米大陸
東南アジア諸国
それでは生息地ごとのアロワナの特徴をあげ、どんな種類が存在しどのような特徴を持つのか?詳しく説明していきます。

オセアニアに住むアロワナ
オセアニア地方、特にオーストラリアに重点的に生息しているアロワナは2種類で、全て「~バラムンディ」という呼称になります。
ノーザンバラムンディ
スポッテッドバラムンディ
スポッテッドの入荷は今も昔もごく少数ですが、近年はそれに輪をかけるように極端に減少傾向にあり、ほとんど見かける機会がありません。
ノーザンバラムンディは根強いファンが多く、他の地域のアロワナ程ではありませんが定期的に入荷する傾向があります。
ただどちらの種も一度入荷したら次はいつになるのか?という不安がつきまといます。主生息地のオーストラリア政府は特に野生生物保護に重点を置いており、安定した繁殖方法も確立されていないので、この2種の入荷はいつ止まっても不思議ではありません。
ではこのバラムンディ2種についてクローズアップしていきましょう。
ノーザンバラムンディ

90年代から00年代後半までは目にする機会が多かったアロワナですが、最近は心なしか入荷量が減少傾向にあります。「このアロワナじゃなきゃどうしてもだめ!」という方は、見つけ次第即購入することをお勧めします。
アロワナの中では比較的小柄で、成長は約60~70cm程でストップします。そのためシルバーアロワナなど他のアロワナより小型な水槽で飼育可能と錯覚しがちですが、このアロワナは体幹や鱗が非常に硬く方向転換にスペースを割きます。奥行きが最低でも45~60cmほどの水槽でないと、口吻をガラス壁にぶつけたり…餌食べない(拒食)に繋がってしまい、最悪のケースではうまく遊泳できずストレス死してしまうでしょう。
アロワナがストレスを感じると「エラめくれ」等の要因になりかねません。窮屈な環境だと「餌食べない」…といった個体まで出てしまいます。これはノーザンバラムンディだけに限らず全てのアロワナ飼育の共通事項なので気を付けなければいけません。無理をして狭い水槽で飼うと水槽の壁面に頻繁にぶつかるので「顎ずれ」の要因にもなってしまいます。
この様にアロワナの全長を基準として飼育環境を用意すると、後々後悔するハメになります。狭い水槽はアロワナにとってデメリットだらけなので、飼育にあたる際は150cm規格水槽までは視野に入れておき、特に戸建てだけでなくマンションの高層階で飼育するには、階下まで落水し多大な迷惑を他の住民にかけますので、より強い補強工事を有します。
バラムンディは後述の南米大陸・東南アジア産個体より、ブリーディングが軌道に乗っていないので野性味が色濃くなります。そのため飼育難易度はかなり高めです。
体色はいかにも野生種といったところで、少しくすんだ銀色といった所です。ど派手なカラーリングは望めません。ただ丁寧な飼育を継続すれば、いかにも原種らしい色揚げも見込めるので、飼い込めば飼い込むほど魅力が増していく、通好みのアロワナでもあります。

スポッテッドバラムンディ

ノーザンバラムンディとの違いはその生息域です。ノーザン(北)の名前が示すようにオーストラリア北部を中心に生息するノーザンバラムンディに対して、スポッテッドバラムンディは東部に集中し生息しています。
オセアニアアロワナの特徴は、鱗一枚一枚がとても大きく固く十分なスペースがないと方向転換できません。そのためストレスをためたり、鼻先を水槽壁にぶつけて弱ってしまう傾向が顕著です。
更にその全長は約70~90cmとノーザンバラムンディより巨大化するので、奥行きは最低で60cm、150cm以上のより大きな水槽がその飼育には必要になります。
幼魚から若魚の間はノーザンバラムンディとほぼ見分けがつきにくいのですが、スポッテッドの名前の通り、目を凝らすとややスポットが大きめになるという差に気が付くはずです。
なお、オセアニアアロワナ2種は気性が荒い傾向があるので、基本的に同種・多種のアロワナや巨大魚と混泳させない単独飼育がベストです。

南米大陸のアロワナ
南米には最も安価でメジャーな2種類のアロワナが生息しています。比較的鱗が柔らかく柔軟性に富むので、バラムンディより水槽サイズは神経質にならなくて構いませんが、それでも120cm規格水槽以上が必要となるでしょう。
自然界では水面上の昆虫などを主食としているので、沈下性人工飼料や餌魚などをメインに与え続けると「顎ずれ」や「エラめくれ」「色揚げ」にも影響が出かねません。楽だからと言って単食に頼ると、餌を食べないといった「拒食」にも繋がりかねないので要注意です。
南米アロワナの代表種は以下の2種です。
シルバーアロワナ
ブラックアロワナ
ブラックアロワナとシルバーアロワナの成魚は、一般の方が見ればほとんど区別がつきません。ところが稚魚のころの差は一目瞭然です。シルバーアロワナの幼魚(ヨークサックをぶら下げている状態)は成魚と出で立ちは全く変わりませんが、ブラックアロワナは大きな黒いストライプが入り、全くの別種であることが一見して判断可能です。
その他にも細かな見分け方はありますが、この南米アロワナ2種を解説しながら、その疑問にもお答えしていきます。
シルバーアロワナ

アロワナ界で最もポピュラーな種であり、非常に安価です。
高級魚と思われがちなアロワナの中でも、幼魚は1000円札でおつりがもらえるほどの値段が付くケースもあるほどです。そのため安易に購入してしまい巨大化と共に持て余し、野外へ遺棄するといった行為が近年問題視されています。
飼育が最も簡単であり餌についても神経質ではないので、アロワナ入門種と言ってもいいでしょう。ただ当然ながら体長は最低90cm前後まで大型化するので、120cm規格水槽…欲を言えば150cm規格水槽以上が適しています。
注目したいのはその身体の柔軟性です。アロワナは生物学的分類では2属5種に分けられますが、南米大陸の2種だけ『オステオグロッサム属』に属します。この仲間の特徴はより上部に位置する眼球とスマートな体型、そして遊泳能力…つまり身体の柔らかさです。
また混泳にかなり融通が利くのも人気種たるゆえんでしょう。

ブラックアロワナ

既にお話ししたように成魚の姿形はシルバーアロワナと酷似しますが、水質や水温の変化に神経質な部分があり、その様な環境下に置かれると体調を崩してしまいます。
シルバーアロワナの飼育難易種と捉えたら分かり易いですね。成長速度もシルバーアロワナと比べると緩慢です。90cm以上に育ちメーターオーバーも珍しくないシルバーアロワナに比べ、ブラックアロワナは飼育下では概ね60~80cm程で成長がストップします。
その分性格はとても臆病で、混泳は十分可能ですがサイズ差でいじめられる側に回ることが多く、同居魚のサイズや相性には慎重を期すでしょう。
稚魚から飼う機会が多くなりますが、水質合わせは点滴法などを用い、他のアロワナより神経質に行わなければいけません。
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アジア圏のアロワナ
太めの体形や赤い発色などが大人気で、かつては一匹100万円というビックリするような値段がつけられていたアロワナです。野生種の主生息地が東南アジア諸国なので「アジアアロワナ」と名付けられました。
最も養殖が確立しているアロワナで、地域ごとに発色具合も異なるので、他のアロワナよりコレクション性が優れています。
グリーンアロワナ(青龍)
スマトラゴールデン(紅尾金龍)
レッド(紅龍)
基本的にこの3種が代表格で「~龍」と呼ばれることが多く、種類が豊富に見えます。ただルーツは全て同一のアジアアロワナなので、販売する人間が体色の色揚げや地域ごとの亜種に準じて名付けたインボイスネームに過ぎません。
人気種というだけあり、東南アジア各国では「養殖ファーム」などで安定してブリーディングされています。現状は徐々にギリギリ手が出る値段にまで落ち着いています。それでも数万円単位で売買されるアロワナなので、高級魚といって差支えはないでしょう。
最大サイズは90cm程とアロワナの中では小柄な方ですが、その寸詰まりの体型や体高の高さから、バラムンディと同様に奥行きのある水槽での飼育がベストです。因みに野生種はICUNやCITESにより厳重に保護されており、アメリカでは完全許可制で届出を行わないと、その飼育が違法になるほどです。
市場に出回るアジアアロワナはその全てが、CITESが認可した東南アジアの養殖場で繁殖されたものだけです。
グリーンアロワナ(青龍)

最も一般的なアジアアロワナで、東南アジア諸国全域に分布します。
名前の通り緑というよりはオーソドックスなくすんだ体色を持ちますが、インドネシア・ボルネオ島の限られた地域には銀色の発色が非常に強い個体が生息しています。
高価な品種が多いアジアアロワナの中でも、最も安価と言えるでしょう。
スマトラゴールデン(紅尾金龍)

スマトラ島の北部に生息しているアジアアロワナです。
アジアアロワナは名が体を示しており本種も例外ではありません。「紅尾」の通り尾ビレの下半分付近から尻ビレ周辺が朱色に染まります。
金色は腹部側から4列目付近にかけて染まるのみで、金竜の名前のような派手さは余り期待できないでしょう。
レッド(紅龍)

ボルネオ島西部に限定して生息するアジアアロワナです。
その名の通り上手く長期飼育に成功した個体は、その全身が紅に染まり最も高額で取引されています。
アジアアロワナ、~龍…と言えば本種を真っ先に連想する方が多いのではないでしょうか。
アロワナがオススメなのはこんな人

冒頭でもお話ししたように、アロワナは飼育者を選ぶ熱帯魚です。
巨大魚である上に、充分な余裕がない水槽だと水質や水温の変動が激しく、アロワナがストレスに晒されてしまうからです。餌も人工飼料オンリーではなく「ウキガエル」「ヒメダカ」「小赤」「コオロギ」「デュビア」「ザリガニ」等の生餌をバランスよく与えなければいけません。
アロワナ飼育につきものの「顎ずれ」は極端に狭い水槽も一因として挙げられますし「エラめくれ」「拒食(餌食べない)」などは、水質・水温の変動も原因に挙げられています。
つまりアロワナ飼育がオススメな人は
巨大水槽をセッティングできる
生餌をストックできる(あるいは臨機応変に購入可能)
トラブルに対処できる知識を持つ
最低限でもこの3つはクリアしなければいけません。
知識はアロワナ飼育に臨むほどの飼育者ならばそれほど心配ありませんが、問題は「巨大水槽を置ける」「生餌の確保が可能」の2点でしょう。水をフルに入れた水槽の荷重はかなりあり、最悪床が抜けるという大惨事になりかねません。
餌は栄養バランスの取れた人工飼料だけでも十分育てられますが、野生色が色濃く残るアロワナは生餌をコンスタントに与えた方が栄養面での問題が起きにくくなります。
例を挙げると「目ダレ」や「顎ずれ」「拒食(餌食べない)」といった問題ケースです。アロワナの目は水面上を見ることに優れており、沈下性の餌や魚などを与えすぎると眼球が常に下を向いたまま固まってしまいます。
顎ずれや餌を食べないといった拒食時も同様です。これをすれば完全に治るという完璧な対処法はありませんが、与えるエサや水質・水温…そして十分に遊泳できるサイズの水槽が対処法の大きなウェイトを締めます。そして一般的な戸建ての床の耐荷重は法律により『1平方メートルにつき180kg』と義務付けられています。
底面積が1平方メートル弱の90cm規格水槽でも、水槽自身の重さ・水量・砂利や水槽大もろもろを合算すると、約300kg近くになり計算上確実に床は抜けてしまいます。
以上から、床の補強工事まで施工できる熱意と予算のある方、生餌の入手経路を筋立てている人、そしてそれに見合った知識を必要とします。
こちらについては『アロワナを飼育する際の注意点』で詳しくご説明をしましょう。
とにかくアロワナはそのサイズと運動性が顕著な熱帯魚です。衝動買いで終生飼育できる魚では決してないことを覚えておいてください。
補足ですがアロワナは一般的な熱帯魚と比較すると、かなりの長寿種です。最低10年、記録では20年以上生きた個体もいるほどなので、長期間じっくりと付き合っていく覚悟も必要でしょう。
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アロワナの飼育方法
それではアロワナ飼育の具体的な方法についてお伝えしていきます。
確かに巨大水槽やその重さなどで初期投資はかさみますが、一度飼育機器をそろえてしまえば水量の多さもあり水質・水温の上下動も僅かにすむ上に、昨今は大型肉食魚用の専用フードも充実しているので、想像しているより飼育は円滑に進みます。
まず確実に揃えておいて欲しいのは
最低でも幅120cm×奥行60cm以上の水槽
強力な外部式あるいはオーバーフロー式フィルター
28~30℃を維持できるヒーター
以上の3点です。
もちろん他にも細かく言及すれば、色々と用意しておいたら困らない…という飼育用具や条件などはありますが、以上の3点を確実に揃えて置けばアロワナ飼育には問題点はありません。
他にも与えるエサなどについても詳しくお話ししていきます。
水槽
アロワナは水面直下を盛んに泳ぎ回る表層魚であり、十分な奥行きやスペースがないと口吻をぶつけたり、泳ぎが窮屈になるためストレスをためてしまいます。
そのため幅は最低でも120cm、できれば150cm以上…そして奥行きは最低でも60cm以上がベストです。要はアロワナ自身が余裕をもって上手くターンができる水槽の大きさを確保することが重要になります。
水槽の種類は大型魚飼育では2種類あり
ガラス製
アクリル製
これら2つが代表的です。
ガラス水槽の魅力はその透明度につきます。ちょっとやそっとの衝撃では傷つかない上に、その見栄えも良いので観賞価値という点では真っ先にオススメします。
デメリットとしては「重さ」と接合面の「シリコン劣化」でしょう。空の60㎝水槽でも20kgあり、150cm水槽ともなると50kg以上になるので、一人で運ぶのも一苦労です。
そしてガラス水槽自体は劣化しませんが、各接合部のシリコン劣化により水漏れが起こりえます。特にアロワナのような長寿魚を飼育する際には注意が必要で、ある日水漏れに気づく…そういったケースもよく耳にします。
水漏れは熱帯魚飼育において最も気を付けなければいけません。戸建てなら自己責任で済みますが、マンションなどの集合住宅では他人に迷惑をかけ、復旧費も膨大になりかねないので注意してください。
反対に小型水槽では滅多に見られませんが、大型魚水槽には「アクリル製」のものも選択の一つになるでしょう。
アクリル水槽のメリットは何といってもその「軽さ」と「加工のしやすさ」です。
「温度4℃の1立方センチメートルの水」が比重1.0の基準になります。これを根拠とすると アクリルの比重は1.19であり、対してガラスの比重は2.5です。 水の比重が1.0ですからアクリルは水の1.19倍重く、ガラスは2.5倍重いことになります。アクリル水槽はガラス水槽と比較し概ね1/2の重さになるので、水槽を移動させることが比較的容易でしょう。
またアクリル素材はガラスのように割れて飛散しません。後付けでオーバーフローをつけることも可能ですし、専門業者に頼めばお住いの環境に合わせた柔軟な水槽を作り上げることも可能です。もちろんご自身でDIYにチャレンジすることも可能です。
一見万能のようなアクリル水槽ですが、もちろんデメリットもあり「傷つきやすい」「透明度が劣化していく」というマイナス面を持ちます。例えば顎の力の強いロイヤルプレコなどを入れれば、アクリル水槽の壁面はたちまち傷だらけになってしまいます。ガラスより柔らかい素材…といえば伝わりやすいでしょう。
また、アクリル水槽は高温に弱く長年使用すると変形し透明度の劣化に繋がります。更に水を入れると水圧で歪むことがあるため「フランジ」という加工を施さなければいけません。この加工をすると水槽上部がガラスよりも少しだけ狭くなってしまうということも覚えておきましょう。
アクリルは吸湿により膨張するため、水を張った瞬間から膨らみ始めると考えてください。そのことからも、フランジ加工はアクリル水槽にとって重要なファクターであると言えます。

フィルター
極論使用するフィルターは強力なものであればあるほどいいでしょう。特に頻繁にメンテナンスが行えない飼育者さん達は尚更のことです。
上部フィルターも使用可能ですが、若干ろ過能力が落ちるので、補助フィルターの設置が必要になります。
一般的にアロワナ飼育に使用されるフィルターは以下の通りです。
外付けのパワーフィルター
オーバーフロー式フィルター
上部式フィルター+α
外付けのパワーフィルターの代表格がドイツ製の「エーハイム」です。最近ではGEXやADAなどの国産メーカーも力を入れています。
選ぶ際のコツは適合水槽より1~2ランクアップしたものを選ぶことです。例えば120cm水槽の場合150cm水槽用、もしくは180cm用のパワーフィルターを使えば、より飼育水は清潔に保たれる上に頻繁にメンテナンスをする必要もありません。
経済的事情もあるとは思いますが…オーバースペックのパワーフィルターは非常に有用です。初期投資費が足りない・アロワナが稚魚の段階である…そんな場合は成長に応じて、より良いフィルターの導入を順次行ってみてください。
エーハイムのフィルターについて詳しく解説した記事はこちら
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次点の「オーバーフロー式」は実は熱帯性海水魚によく用いられる手法です。二階建ての上部に飼育水槽、そして下部にろ過水槽があるので、上から下へ飼育水が落ち込む形からこのような名前が付けられました。
ただ今回紹介する3つのろ過装置の中で最も高額になり、更に2つ分の水槽を用意しなければならないので、150cm程の水槽だと1tに近い重さになりかねません。これが最大のデメリットになり、なかなか一般家庭では設置しづらくなります。
ろ過層(ろ過水槽)もかなりの大きさになるので、メンテナンスは飼育水槽とろ過層がほぼ同じ手間がかかります。もちろん床の補強工事も必須です。
これらを克服できる飼育者には最高のフィルターになるので、是非導入してみてはいかがでしょうか?
最後に紹介するのは「上部式フィルター」ですが、これ一つだけではいささか力不足です。小型水槽なら頻繁な水替えやろ過槽掃除などで対応可能ですが、アロワナ飼育のような膨大な水量の水槽では現実味がありません。大型の上部式フィルターのメンテナンスには丸一日ほどかかってしまいます。
そのため「投げ込み式フィルター」などの補助フィルターの導入は欠かせないでしょう。3つのフィルターの中でもっとも安価とはいえ、安直に“これ一本でいける”と思うと必ず失敗するので、複合的にフィルターを別途購入し設置するようにしてください。
アロワナは水質が悪くなると「顎ずれ」「エラめくれ」「餌食べない」といったサインを出してくれます。体色がくすみ「色揚げ」にも影響が出かねないので、健康なアロワナを育てるためにもフィルターは強力なものを選び…そしてフィルターのメンテナンスもご自身の生活スタイルに合わせて、慎重に選ぶようにして下さい。

ヒーター
アロワナに適した水温は28~30℃です。熱帯魚としてはかなり高温を好みますが、この水温のほうが餌食いが増し、色揚げ効果も圧倒的に増します。
容量が大きい水槽なので当然ですが、ヒーターの適合ワット数も高くなります。因みに現在のヒーターは「空焚き防止機能(トラッキング機能)」がついているので、水槽外に出た際に火災が起こらない設計になっています。
裏を返せば一度空焚きをしてしまうと、そのヒーターは断線し使えなくなるので地震などの自然災害以外…例えばアロワナに弾き飛ばされないように注意してください。サーモスタットは単純に水温にセットすればいいので、どの様なものも使うことができますが、できればコードソケットが2つあるものが望ましいです。
片方が故障しても水温下降は緩やかになり、ヒーターの組み合わせでより高いワット数が期待できます。ヒーターのワット数が適合する水槽サイズを以下に示しました。ここではアロワナに適した奥行60㎝に限定し、箇条書きしていきます。
【水槽満了時】
1200×600×600≒380kg ヒーター300W×2 (※500W)
1500×750×600≒600kg ヒーター500W×2(※1000w)
1800×750×750≒800kg ヒーター1000W×2
ここで「×2」と表記したのは、大きな水槽ですと寒暖差が生じてしまうからです。なるべくなら水槽の両端付近に設置し、飼育水の水温全体を均一にしましょう。
ここまで大きな設備を構築するとなると、ワット数の高いヒーターをはじめ、各飼育器具がお取り寄せになる可能性が高いです。アロワナを飼育するにあたって生体を迎え入れる前に、即座に水槽内で泳げるような環境構築をしておくべきです。
また滅多に起こらないケースですが、ヒーターにはカバーを被せておきましょう。これだけの水量を温めるヒーター表面はかなり高温になるので、何かしらの拍子で接触でもしたら、たちまち火傷をしてしまうからです。
アロワナに限らず巨大魚飼育水槽に対する水温維持は、基本的にヒーターを2本以上入れ、必ずヒーターカバーをするほうがベターです。片方のヒーターが故障しても水温の下降が緩やかになり、アロワナをはじめとした飼育魚の生存率が圧倒的に高くなります。
アロワナ飼育ではとにかく飼育水をはじめとした、全ての飼育環境が大きくなるので、自ずと飼育用具のパワーもそれに見合う形にしなければいけません。

アロワナの餌
シルバーアロワナはジャンプすると約100cmも水面上に飛び出します。他のアロワナも注意深く観察すると眼球が上部に付いていることがわかります。
水面から飛び上がり昆虫を捕食し、大型魚の中では表層魚に分類されるため「蓋」などにコオロギや餌用ゴキブリを這わせたり、ウキガエル等の浮き餌、普段与える人工飼料は浮遊性のものにしてください。
沈下性の餌や小赤やザリガニなどの中・底生食を与えても構いませんが、これらを主食に与え続けると下を見続けてしまうことになり「目ダレ」のような症状が発現するので注意しましょう。
人工飼料は浮遊性肉食魚用のものが最適です。生餌に関しては一昔前よりかなりラインナップがバラエティに富んでおり、アロワナの拒食時(餌食べない)や色揚げ効果など多岐にわたり、その効果が期待できます。
店頭で頻繁に流通している生き餌は…
コオロギ
デュビア
レッドコックローチ
ウキガエル
等が挙げられます。ヒメダカや子赤・ザリガニ等もよい生餌ですが、今回は水槽表層部で食べられる生餌を中心に挙げてみました。コオロギ類は今も昔もその流通に変わりはありませんが、後者の二種は比較的近年になり軌道に乗り始めました。
デュビアとレッドコックローチは容易に増やせる上に、本来アロワナ自身が好む昆虫類なので、与える生餌としては最適です。ウキガエルはその名の通り水面にプカプカ浮かぶ餌用カエルなので、甲殻類や昆虫・魚類と併用し栄養バランスを整えてください。

蓋
すでにお話ししたように、アロワナは自然界では頻繁にジャンプをする熱帯魚です。飼育下でも例外ではないので、蓋は必ず用意してください。
パワーも大型魚なので相当あります。そのため蓋だけではなく、蓋を弾き飛ばされないように重しを必ずのせてください。
実際にアロワナの死亡事故で「飛び出し事故」が大きなウェイトを占めています。蓋の有無で生存確率は雲泥の差になるので、アロワナ飼育の際に必ず蓋は設置してあげましょう。

底砂の有無
ベアタンク(底に何も敷かない)はアロワナのフンが見やすく、健康状態を把握することに非常に役立ちます。反対に底砂を敷くとそこにバクテリアが沸き、水質がより安定するメリットが期待できるでしょう。
ただアロワナを始めとする巨大魚はかなりフンが大きいので、別途フンを網などで取り出してもいいでしょう。
フンを集める飼育用具は「フィッシュレット」という優れた製品がありますが、こと目視ですくうとなるとベアタンク飼育に一日の長があります。
ただアロワナの見栄えや水草を植えたりする目的があれば、もちろん底砂を敷くことに不都合はありません。
底砂をしくか?ベアタンクにするか?は完全に飼育者の好みで選択してください。

アロワナを飼育する際の注意点

前述の飛び出し事故に加えて、アロワナを飼育する際は多くの注意点があります。アロワナ飼育に限定し与える餌や飼育環境を適切に見直せば、予防や対処方法は比較的簡単なので、トラブルが起こったらすぐに実践してみてください。
アロワナ飼育で起こりうるトラブルは…
拒食(餌食べない)
顎ずれ
エラめくれ
の3つのトラブルが大半を占めています。
それぞれの疾患や予防に対しての注意点について個別にお話していきましょう。
拒食(餌食べない)
アロワナのベビーを飼育していると、しばしば餌を食べなくなることがあります。アロワナの稚魚の拒食は水質の悪化が大半を占め、水替えやフィルターの清掃で改善することで餌を食べるようになるケースがほとんどです。
問題は大きく育った成魚の場合です。稚魚と比べ成魚はある程度水質の悪化にも耐性があり、他の問題を洗い出さなければいけません。もちろん水質悪化も要因として考えられるので、多方面から原因を特定するようにしましょう。
水質悪化(pHの低下)
低水温
単一の餌
混泳魚との相性
この様に4つの要因が挙げられますが、まず「水質悪化(pH低下)」を調べてみてください。
pHが6を下回る環境だと、アロワナは極端に体調を崩してしまいます。餌食べないといった不調が顕著に出てしまうので、7前後まで上げれば大抵は餌を食べ始めるでしょう。
pH調整剤を使っても改善されますが、一時しのぎのカンフル剤にしかなりません。ろ材の劣化や目詰まりなど、根本的な部分を見直してみてください。
アロワナは水温が20℃半ばまで落ちてしまうと、極端に食が細ります。本来は高水温(28~30℃)を好み、一般的な熱帯魚が好む25~27℃ほどの帯域では調子を崩してしまいます。
これらを見直しても餌を食べない状況が続けば、単純にアロワナ自身が与えられる餌に飽きてしまっている可能性があります。その場合は動きで食欲をそそらせる生餌を与えてみましょう。
前述しましたが可能な限り「昆虫類」「ウキガエル」など、水面上に浮かぶ生餌のほうが食欲をそそられるようです。
そして単独飼育なら構わないのですが、アロワナや他の巨大魚を複数匹群栄させていると、サイズ差により餌を食べられなかったり、小さな個体が追いやられてしまう結果にもなります。
大型魚であり隔離水槽を用意するのも一苦労なので、混泳魚は底生魚のポリプテラスなどに留め、基本的にアロワナは単独で飼育したほうがいいでしょう。プレコなどの巨大ナマズとの相性もいいのですが、ナマズ類は夜行性傾向が強いので、アロワナが睡眠を妨げられストレスを溜めるケースもあるので、昼行性のナマズを混泳魚に選びつけてください。

顎ずれ
顎ずれは文字通り上下の顎がずれている状態のことを言います。特にアロワナは下顎が大きく熱帯魚の中でも顎の大きさは1・2を争うので、特に顎ずれが起こりやすくなる熱帯魚と覚えておきましょう。
顎ずれの主要因は「ストレス」と「幼魚のころにしっかり餌が食べられなかった」ことで起こりうります。
これまでお話ししたようにストレス対策は混泳魚との相性や水質を見直すことで改善できますが、問題は幼魚時に与える餌です。
まずは幼魚時にしっかりと餌を与えることが第一です。その次にコオロギのssサイズや小型の甲殻類などを与え、栄養バランスを整えましょう。与える餌はなるべく固めのものがベストです。そうすると顎の筋力が増し成長していく過程で、しっかりとした口の洗浄で吻が形成されます。

エラめくれ
アロワナの疾病の一つに「エラめくれ」があります。文字通り鰓蓋が反り返る現象であり、初期の状態なら水換えやろ過層の洗浄で対処できますが、進行が進んでしまうと、魚に対しては珍しく“手術“を施さなければいけません。
エラめくれが進行すると、鰓だけでなく鰓骨まで反りかえってしまうので、その前に手術を早急に行わなければいけません。
単純にめくれた部分の鰓を切除するのですが、進行が進みすぎると骨まで達してしまい手術では対処できなくなるので、エラめくれの度合により手術に踏み切るか否かは難しい判断が迫られます。そのため手術に踏み切るタイミングによっては、適切にめくれた部分のエラを切除しても再生の見込みがなくなってしまいます。
一応の目安ですが成魚の場合はエラ周辺がすべて白くなり反り返るようでしたら早期に処置してください。
手術はかなり難易度が高くなりますが、まず魚類・甲殻類用の麻酔薬「FA100」を使用するのが一般的です。10リットルに2ccの割合で50cmほどのアロワナは10分ほどで眠りに落ちます。
触れても暴れないことを慎重に確認し、めくれて変色した部分のエラを鋭利な刃物で慎重に切り取りましょう。手術後は気になるでしょうが、ほぼエラは再生してくれるので辛抱強く待ちましょう。切除した部分は細菌などの二次感染が起こる可能性があるので、注意深く予後を観察してください。

飛び出し事故
アロワナは非常にジャンプ力に優れています。MAXサイズのアロワナはゆうに1mも水面から飛び出すので、事故を防ぐために蓋をすることは必須です。
ここまではすでにお話ししましたが、問題は蓋の材質です。あまり耳にはしませんが“ガラス蓋”の場合は最悪、ガラスを突き破るほどのパワーを持つことを忘れないでください。
滅多に起こりはしませんが、蓋を押しのけて飛び出した際、鋭利なガラスの破片でアロワナが致命的なダメージを受けることもあります。そのためなるべくなら「アクリル製」の蓋を使用した方がより安全です。
そして一番大切なのは、重しを乗せることです。実は蓋自体がアロワナのジャンプ力にとって非常に軽く、そのままでは簡単に弾き飛ばされてしまいます。ネットに入れた大砂利など、蓋自体にダメージを与えないものなら何でも構いません。アクアショップに行くと、アロワナをはじめとした巨大魚水槽には必ずと言っていいほど重しが乗せられています。
購入先のショップスタッフに聞いてみたほうが、そのアロワナのサイズに適した重しについてアドバイスしてくれるでしょう。
アロワナの小型版バタフライフィッシュについて解説した記事はこちら
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アロワナの色揚げ
自然界のアロワナと飼育下のアロワナを見比べると、その発色の良さは一目瞭然です。基本的に日光を浴びているアロワナは、とても綺麗な発色を見せてくれます。ただ飼育下となるとそうはいきませんよね?
24時間ライトを当て続ける…紫外線を別途照射するという方法もありますが、現実的ではありません。
特に色揚げ効果が求められるアロワナは「アジアアロワナ」が大半を占めますが、親魚の遺伝的要素もあるといわれ、購入した品種で発色の度合いがある程度決まってしまいます。
その発色具合に比例してお値段も高くなりますので、より鮮やかな体色のアロワナを求めるのであれば、生体の初期費用が大幅に高くなることを覚えておきましょう。

混泳について
煌びやかなアロワナ同士を混泳させたくなると思います。ただ発情期やテリトリー争いがいったん起こってしまうと、アロワナ同士が高確率で争い続けてしまい、大型水槽中がパニックになりかねません。
基本的には飼育慣れしていない方が、いきなりアロワナの混泳を行うのはリスクしかありません。
ただ多種との混泳はさほど問題がありません。表層付近をテリトリーにするアロワナとの相性がいいのは、中・下層魚です。代表的な魚種を以下に羅列しましたので、是非参考にしてください。
中層魚…ダトニオ・大型シクリッド・ガーパイク
下層魚…淡水エイ・ポリプテルス各種・セルフィンなど大型プレコ
これらがポピュラーな混泳相手です。
サイズが合っていないとどちらかが捕食対象になってしまうので、捕食されない大きさをお互いに保つようにして下さい。
アロワナの繁殖
アロワナは口内保育をするマウスブルーダーで、種類にもよりますが水槽内で繁殖させるのはかなりハードルが高い熱帯魚です。
パッと見広い感じを受ける120~180cm水槽ですが、本来アロワナは縄張り意識が非常に強くストレスもたまりやすいので、東南アジアのブリーダーのように専用の生け簀など広大な環境が必要になります。
もし国内でアロワナの繁殖を狙うのならば以下の事項を行ってください。
【生け簀繁殖の場合】
アロワナが過密状態にならないような広大な生け簀
外見からの雌雄判別が難しいので複数匹の親魚の用意
孵化したタイミングでオスの口腔内から稚魚を強制的に吐き出させる
繁殖に関してはアジアアロワナが最も盛んにおこなわれていますが、生息地のブリーダーが繁殖させる際は、概ね4~5年ほど飼い込み性成熟したアロワナを複数匹、野外設置した広大な生け簀内に放流します。
成魚になるほど縄張り意識が強くなるので、相性の良いペアができるまで辛抱強く見守る必要があります。
現地ブリーダーの話では繁殖のコツはほぼなく、自然任せで繁殖するのを見守るだけだそうです。こう聞くと雑な繁殖方法に見えますが、裏を返せば条件さえ整っていれば、意外と簡単にアロワナの繁殖が行えるということです。
メスが産卵を終えると卵を咥え、孵化するまで口内保育をします。アロワナはアフリカンシクリッドに代表されるマウスブルーダーのように、受精卵を口腔内でふ化させてかいがいしく面倒を見ます。
ある程度時間がたてばアロワナの口腔を保持し、無理やり稚魚を吐かせ「幼魚用水槽」に移し人の手で育てます。
【水槽内繁殖の場合】
セパレーターを立て親魚同士が互いを視認できるようにする(ダメな場合は何回かトライ)
一定期間経過し、慣れが見えたらセパレーターを外す。上手くいけば受精卵をオスがくわえ口内保育に移行する。
相性がよく双方性成熟していれば産卵・受精し卵を口にくわえ、マウスブルーディングへ移行する。
その後は受精卵を取り出すのか?親魚が稚魚に育ててくれるまで待つか?アロワナ飼育者は決断を迫られます。受精卵が孵化する期間は約2~3か月です。
水槽内は生け簀よりストレスが多く食卵や育児放棄につながることもあります。かといって孵化前の卵は、水カビなどであっという間に全滅してしまうほどデリケートです。
こう言っては元も子もありませんが、個人的にアロワナの水槽内繁殖自体を耳にしたことがないので、本当に繁殖を狙うなら「野外生け簀」「タイドプール」など、さらに高度な専門的環境を用意する必要があると思います。

まとめ
いかがでしたでしょうか?一口にアロワナといっても「南米」「オセアニア」「東南アジア」と分布域は広く、とても一くくりにできる魚ではありません。
ただ個々の飼育機器の導入コストとランニングコスト、そして巨大化にまつわる床や家屋の補強などの問題をクリアすれば、10年単位で長生きし優雅な姿を見せ続けてくれる魚です。そしてアロワナ特有の「顎ずれ」や「エラめくれ」そして「拒食(餌食べない)」はほぼストレス起因の物が占めています。十分な余裕があれば案外飼育しやすい熱帯魚ともいえるでしょう。
アジアアロワナなどは日光や与える餌で目が覚めるほど、鮮やかに色揚げできるという魅力もあります。
なかなか初心者にはオススメしにくい熱帯魚「アロワナ」ですが、初心者の方は目指すべき最終目標として…中・上級者の方はいつでも手の届く魅力的な古代魚として…機会があればぜひこの魅力的な「アロワナ」を飼育してみてください。

