『魚を飼いたい!』そう思ったら何を最初に考えますか?キレイなレイアウトで水草の中を優雅に泳ぐ魚たちをイメージする方も多いかと思います。
このイメージを実現させるために基本となるのが「水槽掃除」です!魚たちや水草に元気でいてもらうためには絶対に欠かせない作業になります。
今回は水槽掃除で失敗しないための基本を解説していこうと思います。
水槽掃除の必要性

水槽の水は放置すると、言うまでもなくどんどん汚れていきますね。たとえ生き物を飼育していなくても水槽は汚れていくものですので、必要に応じて掃除をしていかなければなりません。では、どんな時に掃除をしなければならないのでしょうか?
水槽を購入して、生体を飼育する前
生体を飼育する前の話になりますが、水槽を購入したら簡単に掃除をしておきましょう。小型水槽であれば水道水でざっと洗えますが、大型水槽になるとなかなか水道では洗えないので濡れたタオルなどで拭くだけでも大丈夫です。
油分が気になるようならお湯で洗うか拭いてあげれば取れるのでやってみて下さい。アクアリストの中には洗わずに使用する方もいらっしゃいますが念の為洗うことをおすすめします。
生体を飼育し始めてから
魚を飼い始めると、食べ残しや排泄物が出てきます。それらはフィルターが吸ってくれて、綺麗に見えますが、猛毒のアンモニアは完全に除去することができません。
水草やバクテリアがアンモニアを無毒化していくのですが、それだけでは追いつかないので、水替えが必要になってきます。水替えのタイミングで水槽掃除をしていくといいでしょう。
病気の蔓延したなどのリセットの時
これは極端な例ですが食べ残しや排泄物が適切に除去されず、水替えを怠っていると病気が蔓延していきます。また、まめに掃除をしていても底砂が劣化し、入れ替えが必要になったり、水槽のパッキンが剥がれてきて補修が必要になってきます。そのような時は、大々的に水替え、掃除をしなければなりません。
きれいな水槽を保ち、病気を未然に防ぐためには、水槽掃除が必要になってきます。特にフィルターの排水が汚れていないか、詰まっていないか確認し、必要に応じて清掃時期でなくても掃除をすることは大切です。

水槽掃除に必要な道具
水槽を購入するときに、掃除道具も揃えておきたいですね。ネットショッピングやペットショップやホームセンターで揃えるのも楽しいですし、水槽用具にコストをかけない方法はいくらでもあります。今回は必要なものとあれば便利なものを紹介します。
必要なもの
バケツ(目盛り付き) | カルキ抜き剤 |
スクレーパー(要らなくなったクレジットカードや三角定規などで代用可) | 歯ブラシ |
排水溝用水切りネット | 水槽用クロス(100円均一のポリエステル100%のボディタオルを切って使っても可) |
味噌のパックやいちごのパック(水が漏れなければなんでもOK) |
あれば便利なもの
大きめのバケツ(ゴミ箱などでもOK) | 水換えポンプ(排水用) |
バスポンプ(入水用) | 水槽用スポイト |
メラミンスポンジ | タオル(吸水性が良く捨てても良いもの) |
お湯や氷 |

水槽掃除の手順
水槽掃除は時間に余裕がある時に行います。焦ると水を床にこぼしたり、今回は魚を水槽にいれたまま掃除をする方法なので、魚を傷つけてしまう場合があります。頻度は週2回くらい。今回は時間が取れない人用に、週一回で掃除する流れを書いていきます。もし、時間を取れるようならば、バクテリア量の減少を避けるためにも底砂清掃をした日は、濾過装置、濾過材は洗わずに別の日に洗います。

手順
水槽の周り、特に床などに濡れてはいけない物がある場合は避難させます。必要ならば水槽周りと流し台にタオルを準備します。
感電の危険のある電源を切ります。濾過装置や冬場のヒーター、夏場の水槽用クーラーは感電の危険があるので、電源を切ります。特に冬場のヒーターは電源を切らずに排水してしまうと、本体が水から出て、故障の原因になるので気をつけましょう。
排水溝ネットをセットします。水草やスネールを排水溝に流さないようにするためです。つまりの原因になりますからね。
濾過装置に入っている濾過材や濾過マットを味噌のパックやいちごパックに入れて流し台に移動します。その後、濾過装置を流し台に運びます。元々水草や魚がいた飼育水(塩素が入っている水道水だとバクテリアが死滅します)とバケツを使い、濾過材、濾過マットをざっと洗う(よく洗うとバクテリアがいなくなってしまいます)。再設置するまで時間がかかるようならば、濾過材は飼育水につけておきます。水槽用クロスやメラミンスポンジ、歯ブラシで濾過装置を掃除します。濾過ポンプのインペラーは月1回掃除をします。インペラーを取り外す際、硬いので力が必要なのと、怪我をしない様に注意が必要です。
天板(水槽の蓋)を外し、水槽用スポイトや水換えポンプを使い底砂を掃除をします。見えるフンと汚泥、コケを吸っていきます。この時に汚水を捨てることになります。捨てる水量は水槽の高さ3分の1までとします。それ以上、排水するとバクテリアの量のバランスが崩れて、白濁りや苔が増える原因になります。また、セットしたバケツに、水換えポンプの先が正しくセットされているか、床に排水していたなんて大惨事を避けるためにも、必ず目視しましょう。
スクレーパーでコケ取りをします。水槽用スポイト、水槽用クロス、メラミンスポンジを使い水槽内のヌメリを除去する。水槽に何もついていないように見えても、スクレーパーで一周擦るとヌメリ(バイオフィルム)が取れます。ヌメリは水槽のバランスが崩れていることを表しているので、原因を突き止めて、放置せず解消していきましょう。メラミンスポンジは水中で使用し、破片を残さないようにします(残したくなければ使わない)。
水草のメンテナンスを行います。水量が少ないので、生体の健康チェックも行います。
歯ブラシや水槽用クロスなどを使い、冬場のヒーター、夏場の水槽用クーラーの清掃をします。
外していた濾過装置を再設置します。
大きめのバケツに投入する水を貯めます。貯め終わったら、水温計で水槽と新しく用意した水の温度を一緒にします。温度が合っていないと、生体とバクテリアが水温差でショック死します。合わなければ、お湯や氷で調整します。温度が合ったら、カルキ抜き剤を入れます。バスポンプを使い、水槽に水を注入します。
天板をキレイにして、再設置します。
全ての電源を入れます。各所の水滴をとり、清掃用具を片付けておしまいです。

水槽掃除の注意点
まずは、大小問わず事故が起きずに水槽掃除ができるようにしてください。慣れてきたら、やりやすい方法が見つかるはずです。また、スクレーパーやメラミンスポンジで水槽を傷つけないように、ゆっくりと動かし、少ない動きで汚れを落としてください。
それと、今回は大きい水槽を掃除する方が記事を読む構成になっています。45リットル水槽など小さい水槽の場合には、大きめのバケツやバスポンプは必要ないと思います。逆に、大きい水槽の方には、水槽用スポイトは必要ないかもしれません。自分の水槽にあった掃除用具を徐々に揃えていきましょう。
最後に、(特に海水魚)素手で作業をしても大丈夫ですが、蚊に刺されたり、傷口がある場合は、感染予防の観点から完全防水で作業することをお勧めします。また、手指の甲や関節に膿が出来たり、発疹がみられる場合は、重症化しないうちに皮膚科を受診しましょう。

まとめ
お勤めされている方の中には、出勤中は部屋を暗くして、水槽の照明もつけず、帰宅したら、照明をつけて、餌やりや水槽掃除をしているそうです。工夫して、楽しんでいるんですね。
水槽掃除は季節の変わり目に苦労します。春から夏、夏から秋に白濁りが発生したり、コケが増えてコケ取りをしても追いつかない時があります。そんな時は諦めずに週1回掃除の回数を増やしたり、活性炭や牡蠣殻、バクテリア剤を入れて、水質改善を試みましょう。気分転換にホームセンターやペットショップに行って、掃除用品をみてみるのも良い出会いが有るかもしれません。