おうち時間を充実させたい人が増えているこの時代、アクアリウムを始める人が急増しています。いざアクアリウムを始めてみよう!と思い立っても、何が必要なのか、どんな器具を揃えたら良いのか悩みますよね。
水槽、水温計、ろ過器、カルキ抜き、などなど揃えるべきものは沢山ありますが、揃えるべき器具の中でも1番大切なモノ…
それは汚れた水を綺麗にして循環させるろ過器です!
上部式、投げ込み式、外部式など様々なタイプがありますが、その中でもあまり目立たないけど実は慣れると使いやすい【底面式フィルター】について、メリットデメリットなどの説明をしたいと思います。


底面式フィルターとは

底面式フィルターとは名前の通り、水槽の底床部に設置して使用するろ過フィルターの事です。スポンジフィルターやろ過材等は使用せず、底に敷いた砂利(底床)がろ過フィルターの代わりになります。

その際あまり細すぎる砂を敷いてしまうと、底面式フィルターのスリットの中に砂が入り込んでしまい掃除がしにくくなってしまいます。その逆で粗すぎる砂だと水の通りが良すぎてろ過材の役目を果たしてくれないので、適度な大きさの砂利を選ぶことが大切になってきます。

また、底床を選ぶ際はソイルはオススメできません。ソイルは粘土を丸めたようなもので、水草育成に必要な栄養素が豊富に含まれているため水草水槽にはもってこいの底床ですが、触ったり圧力をかけると簡単に粒が潰れて崩れてしまいます。
その状態で底面式フィルターを作動させてしまうと、崩れたソイルの粒子が砂埃となって水槽全体を濁らせてしまいます。そのため、水草水槽を本格的にやりたい場合は底面式フィルターは相性が悪いということになるのです。
ちなみに水草水槽を本格的にやりたい場合には、ろ過能力が強く、水流の向きが調整しやすく、ライトや底床に干渉しない外部式フィルターを使うことをオススメします。

外部フィルターについて詳しく解説した記事はこちら
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底面式フィルターの仕組み
水槽を設置するとき一番最初に底面式フィルターを水槽の底にセットして、その上に砂利などの底床を敷きます。底面式フィルターのパッケージの中は、一番底に敷くプラスチックの板、板に対して垂直にはめ込むパイプ、パイプの中に差し込む細いエアーパイプとエアーストーンがセットになっています。
底面式フィルターは、細いパイプの中のエアストーンからエアーポンプで送り込んだ空気が出てくることによって水槽内の一番下から水を引き込む水流を発生させます。水槽内の飼育水は底に敷いてある砂利などをまんべんなく通過してろ過され、循環し、パイプを通して引き上げられた綺麗な飼育水が上から水槽内に戻っていきます。
それによって水槽全体の飼育水を下から上へと淀みなくろ過することが出来る仕組みとなっています。水が出てくるパイプの先は左右に360°動かせるので、水流の強さや向きが調節出来ます。

また、底面式フィルターはエアーポンプと繋がないと作動しないので、購入する場合は必ずエアーポンプも同時に買いましょう。

底面式フィルターのメリットデメリット
メリット
水槽内がスッキリ見える
コスパが良い
慣れると掃除が楽
バクテリアが定着しやすい
水流が穏やか
底面式フィルターを使うと、水槽の中にはパイプ1本のみが見えることになります。なので水槽内の見た目をスッキリさせたい場合にはもってこいのろ過器です。また、ろ過材として底砂を利用するためろ過材の頻繁な交換が必要なくなり、コスパも良いのです。
ろ過材として底砂を利用することにはもうひとつのメリットがあり、ろ過バクテリアが定着しやすくなります。ろ過バクテリアは魚のフンや残りエサから発生する有害なアンモニアを無害な亜硝酸にまで分解してくれる大切な存在です。すぐに増える訳ではなく、水槽を立ち上げて2ヶ月ほど経たないと安定しないと言われています。

そのため、普段の掃除でできる限り失わないようにした方がいいのですが…ろ過フィルター交換などで一気に減ってしまうこともあるので、フィルターを使うろ過器を使う場合は少し気を使います。
ろ過バクテリアはスポンジや綿などのろ過フィルター等にしか定着しないと考えられがちですが、水槽内のあらゆる場所、つまり底砂にも定着してくれるので、底砂を思いっきり水道で洗ったり、ごっそり交換しない限りはろ過バクテリアもしっかり定着していってくれます。
掃除の仕方は、後で出てくるお手入れ方法のところで解説します!
そして底面式フィルターは、循環する水流が穏やかなのも特徴の一つです。水中ポンプで強い水流を生み出すのではなく、エアーポンプから出る空気が上にあがる力を利用して水流をつくる曝気式(ばっきしき)という仕組みを利用しています。そのためあまり強い水流を好まないコリドラスやグッピー、ウーパールーパーなどの飼育にも向いています。

グッピーについて詳しく解説した記事はこちら
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デメリット
掃除にコツがいる
エアーポンプの音が気になる
水草水槽には向かない
底面式フィルターではエアーポンプを使用するため、どうしても機械音が気になってしまう場合もあります。吊り下げて使用したり、設置場所を変えることで音が気にならなくなるようになるので、工夫してみましょう!
また、砂利を巻き上げるような掃除の仕方をするので、粒が潰れやすいソイルは相性が悪いです。なので底面式フィルターは、本格的な水草水槽に使うには向いていません。

底面式フィルターの手入れ
底面式フィルターは砂利をろ過材の代わりとするため、魚のフンや餌の食べ残しなどはすべて底に沈んで砂利の隙間に入り込んでいます。
そのため、水を替えるだけではなく砂の中まで掃除用のパイプ器具を差し込み、パイプ内で水とともに砂を巻き上げるように掃除をしてあげることが水質悪化の予防になります。

砂の中に差し込めるパイプと水を外に出す排水ホースが一体になったものがアクアリウムショップのお掃除コーナーに売られているので、使う水槽のサイズや深さに合わせて選びましょう。
掃除の仕方と、掃除に使う器具の使い方にはコツが要りますが1度覚えてしまえば簡単です!

底面式フィルターの選び方
底面式フィルターはどのメーカーから出ているものでも作りはほぼ同じなので、使用する水槽のサイズに合わせて選ぶことが大切です。パッケージに「30cm~45cm水槽対応」などサイズ目安が書いてあるので、それを参考に選びましょう!

また、底面式フィルターはエアーポンプと繋がないと作動しないので、これもまた水槽サイズに合わせた強さのエアーポンプを選んで購入しましょう。

まとめ
底面式フィルターの特徴やメリットデメリットを解説してきましたがいかがでしたでしょうか?ソイルを使うような本格的な水草水槽をやりたい場合は向いていませんが、一般的な熱帯魚水槽にならコスパもよく、水槽内もスッキリ見えて良いことも多い底面式フィルターです!水流も強くないので、ほとんどの種類の熱帯魚の飼育に適しています。(肉食魚などの大型水槽では適応サイズが売られていないのとろ過能力が足りないので、外部式フィルターがオススメです。)
外部式フィルターはパーツが多くて難しそうだし、上部フィルターは水槽から飛び出るからスッキリしなくて嫌…!という場合は特にオススメです。
底面式フィルターを使用する際のポイントが以下になります。
丁度いい粗さの砂を使用する
水槽立ち上げの一番最初にセットする
ソイルは使わない
エアーポンプも同時に購入する
掃除の際は砂の中まで掃除する
これから水槽を立ち上げてみたい!という方は是非選択肢に入れてみてくださいね。

