

つい最近までエアコンが必要な暑さが続いていた今日この頃。それがあっという間に柿や栗が旬になり、秋を感じるようになりました。そうなると、メダカの活動も終盤です。
屋外水槽は冬支度を行い、屋内水槽も準備が必要になってくる地域もあります。今回は、屋内飼育でのメダカの越冬させる方法について徹底解説をしていきます。
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屋内飼育のメダカの冬の過ごし方

屋内飼育のメダカも冬が近づくにつれて活動量が落ちてきます。食欲がなくなり、抱卵はしなくなります。朝晩の気温差から体調を崩します。具体的には、消化不良と水カビ病です。
メダカたちの越冬で失敗しないためにも、基本的な知識を身につけて快適に冬を乗り越えてもらいましょう!
屋内飼育で冬眠はさせる?させない?
屋内飼育のメリットは雨風、寒さなど天候に左右されない点です。また、ヒータなどの電気機器も手軽に使用できます。今回はヒーター有無での冬の過ごし方の違いをパターン別に見ていきましょう。
ヒーター無しで飼育して冬眠させる
ヒーター無しで飼育して冬眠させない
ヒーターありで飼育して冬眠させない
まずは、どの方法にするか決めましょう。そして、楽しく冬を過ごしていきましょう。
ヒーターなしで飼育して冬眠させる
この方法の利点は、冬眠後に成長へスイッチが入り、発色が良くなったり、体つきが良くなります。それと、春になったら、水温差の負担が少なく外に出せる点です。
メダカは10度以下で冬眠します。完全に寝てしまうのではなく、動きが鈍くなり、物音などに驚きやすくなります。なので、足し水だけで、水換えは必要ありません。餌やりも必要ありません。雪などで水槽が埋まってしまう寒冷地で、ヒーターが設置できない場所で屋内飼育する場合にはおすすめです。

ヒーターなしで飼育して冬眠させない
この方法の利点は、ヒーターを購入せず、メダカを室内でも観られる点です。しかし、冬眠したメダカに比べて、体つきが良くなったり、発色の良い個体にはなりません。
エアコンがついていて、日中は水温が15度以上になる場合、冬眠もさせないことが可能です。この場合、メダカが餌を欲しがるようであれば、暖かい時間に(抱卵用ではない)消化の良い餌を与えましょう。水質悪化をさせないためにも食べ切れる量を与えましょう。水換えは、約2週間から20日前後に一回、全体量の1/3位を目安に行います。飼育水と同じ水温になるように、氷を使用し同じ温度にしましょう。

ヒーターありで飼育して冬眠させない
抱卵させる場合の利点は、メダカを増やせて、元気なメダカを観られる点です。欠点は、抱卵を絶えずしている分、寿命が短くなってしまう点です。抱卵用の餌を与え、LEDライトの点灯時間を1日13時間以上、ヒーターの設定を25度〜28度にして抱卵させます。
卵が孵化し、春にはたくさんメダカが増えるでしょう。餌は少量で回数を多く与えます。普段と同じで水換えは1週間から10日に一度、全体量の1/3位を目安に交換をしましょう。飼育水と同じ水温になるよう、お湯を使用し同じ温度にしましょう。

抱卵させない場合の利点は、病気に罹りにくく元気なメダカを観察できる点です。欠点は、冬眠しているメダカに比べて、体が小さく、寿命が短くなってしまう点です。ヒーターなしで飼育して冬眠させない場合と飼育方法は似ています。「冬眠はさせたくない」 「繁殖はさせたくない」 「水カビ病は怖い」 「メダカが元気に泳ぐ姿はみたい」などなどの要望を満たすのは、この方法です。
ヒーターは、低温で設定できる機種を選びます。具体的には、15度〜18度です。その温度に設定していれば、エアコンを切った夜間でも水温は保たれ、冬眠はしません。水カビ病も寒暖差からは発症しにくいです。餌は暖かい時間に消化の良い餌を与えましょう。水換えは抱卵させる場合と同じです。足す水の水温差が無いようにするのがポイントです。

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屋内飼育での越冬の注意点
飼育方法を決めたら、どのような点に注意をしていけば良いか書いてみました。
屋外から屋内水槽にするなら晩秋までに行う
冬眠状態から屋内水槽に移すと、メダカは水温や太陽光の環境変化についていけず体調不良になります。なので、冬眠状態に入る前の晩秋までには移動を済ませておきましょう。
ストレスを最小限にするためにも、移動後は過密飼育はせずに、水量に余裕を持って飼育をしましょう。過密になる場合は、水質変化しやすいので、PHを気にしたり、清掃回数を増やしましょう。


屋内での越冬が必要なメダカもいます
メダカは暑さ寒さに強いと言われていますが、屋内飼育が必要なメダカもいます。
越冬する体力のない1.5cm以下の稚魚
老魚
次の世代に繋げようと思っている品種のペア魚
転覆病の恐れのあるダルマ体型のメダカ

水カビ病に注意する
水カビ病は傷に水カビが寄生する症状です。20度以下で発生しやすいです。水カビ病のメダカを発見したら、隔離し、塩浴やメチレンブルーなどで薬浴しましょう。

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消化不良を起こしにくい餌を選ぶ
粉の餌でビタミンが含まれる餌に切り替えましょう。


餌の量を多く与えず、水質悪化をさせない
水質悪化はどの魚を飼育していても、体調を崩す原因となります。食べ残しがあった場合は、スポイトでとるなど対処をしていきましょう。また、時間がないなどの場合は、水換えの回数を増やすことをお勧めします。


掃除は驚かせないように行う
水換えを行う際に、冬眠させている水槽だと、驚いて衝突事故や無理やり隙間に入り込む事故が起きる場合があります。水を足す時は、一気に入れず、少しずつ様子を見ながら行うようにしましょう。

ヒーターの空焚きに注意
ヒーターは水中で使用する設計になっています。清掃時に、電源を落とし忘れて空焚きをしないように注意しましょう。また、清掃後に電源の入れ忘れにも注意が必要です。もし、電源を入れ忘れた時、水温が下がり、オートヒーターの電源を入れたら、一気にその水温に上がってしまいます。結果、メダカの負担になります。サーモスタットだと1度ずつ水温が上げられるので、一日1度、目標の水温に上げ、メダカへの負担が少なくて済みます。


水温計を水槽1台につき1個つける
ヒーターは時々、熱暴走を起こします。それを早期発見するためにも、ヒーターを入れた水槽には、水温計を設置するようにしましょう。そして、1日一回は確認しましょう。水温計はヒーターから離して配置します。水槽全体の水温を把握するためにも、ヒーターは底に、水温計は水面に近づけて設置すると良いです。

年末年始などの帰省の際の餌やりについて
メダカは1週間くらい餌を与えなくても生活ができます。稚魚も孵化して2週間すぎていればアオウキクサやマツモ、アナカリスなどの水草を水槽に入れていると、それらに付いている微生物を食べて生活ができます。無理して自動給餌器を設置して、水質悪化を招く必要はありません。
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抱卵、孵化したら別のヒーターが入った水槽が必要
孵化した針子は親メダカと別にしないと食べられてしまいます。隔離水槽や別のヒーターが入った水槽が必要になります。その点も踏まえて、抱卵させるかどうか考えて飼育をしていく必要があります。

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屋内飼育に必要なもの
注意点も理解できたところで屋内飼育に必要なものを揃えていきましょう。
水槽
カルキ抜きした水(屋外飼育から移動するなら、その飼育水)
エアポンプとフィルター(投げ込み式の場合)
ライト
ろ材
水温計
ヒーター
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オートヒーター
メリット
安価
水温が一定
初心者でも使いやすい
パッケージがわかりやすい
デメリット
温度が変えられない
サーモスタット
メリット
1度ずつ温度調節が可能
ヒーター部分が故障しても交換ができる機種がある
デメリット
高価
長期保証が付いている商品を選ぶ必要がある
まとめ
今回は屋内水槽での越冬方法を徹底解説しました。メダカはヒーターの温度によっては、熱帯魚との混泳が可能です。冬場は好みの改良メダカと水温や気性の合う熱帯魚、エビとの水槽運営やアクアボトルに挑戦するのも楽しそうですね。

