

ユニークな見た目と動きで高い人気を誇るコリドラスパンダ。一度は飼って欲しい魅力的な底物系熱帯魚です。
とにかく愛くるしいアイドルフィッシュ的存在ですが、「コリドラスパンダは弱い」と思われがちで、導入を迷っている人もいるのでは?
結論を言うと、コリドラスパンダは弱くないです。初心者でも十分飼育できますよ。今回は、コリドラスパンダが弱いと言われる理由を含め、コリドラスパンダの特徴・飼育方法・繁殖について解説します。
コリドラスパンダはどんな魚?

コリドラスパンダは、数あるコリドラスの種類の一つで、元々は南米原産の小型ナマズです。ワイルド個体も存在します。
コリドラスパンダの特徴
体長3〜5㎝程度で、コリドラスの仲間では小さい種類です。目のまわり・背びれ・尾びれの付け根に黒い模様があり、白っぽい体色と黒の模様がパンダのように見えます。
活発に動きますが、性格は温厚で臆病なところもあるので、コリドラス同士で群れて泳ぐことも多いです。
底砂に顔を入れて餌を探す「もふもふ」と呼ばれる動きが可愛くて、目が離せなくなりますよ。水草を掘り返すことがあるので、活着系水草がおすすめです。


コリドラスパンダが弱いと言われる理由
コリドラスパンダの寿命は、3〜5年程度とグッピーやネオンテトラなどに比べると長めです。
比較的丈夫で、コリドラスの中でも特に弱い種であるという事実はありません。
水質などの環境変化に敏感
未成熟・不健康な個体が販売されている確率が高い
以上の理由で、導入時に死んでしまうことがあるため、「コリドラスパンダは弱い」と言われることがあります。丁寧な水合わせと購入時の個体選びをしっかり行えば対処できるので、その方法を見ていきましょう。

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コリドラスパンダがオススメなのはこんな人
コリドラスパンダはこんな人におすすめです。
初心者さん
コミカルな熱帯魚が好き
コレクションしたい
コリドラスの中でも人気のある品種なので、大抵のアクアショップで取り扱いがあり、価格も手頃で、初心者さんが手に取りやすい熱帯魚です。飼育のポイントを押さえておけば難易度は高くありませんよ。
コリドラスは、大変種類が豊富で200種以上と言われ、熱狂的なコレクターが多い熱帯魚です。種類の多さと独特の行動で楽しませてくれるので、その魅力に取りつかれてしまうのもわかります。コリドラスパンダは、特に人気者で育てやすく、繁殖も狙えるのでおすすめです。

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コリドラスパンダの飼育方法
コリドラスパンダを飼育するうえでの基本的なポイントを以下の内容で解説します。コリドラスパンダが「動かない」「上~中層で泳ぎ回る」「餌を食べない」など様子がおかしいと感じたときも、ポイントを見直してみてくださいね。
導入時の水合わせ
水温・水質
底砂・隠れ家
ろ過・エアレーション
給餌
導入時の水合わせ
水質や水温の変化に敏感で、特に導入時はデリケートなので細心の注意を払って水合わせを行ってください。水合わせキットを使って点滴法でゆっくり水合わせをするのがベストです。最初の水合わせが最重要ポイントですよ。
導入後しばらくは、餌を食べなかったり、そわそわと不安定な様子を見せることもありますが、徐々に慣れて落ち着きます。

水温・水質
適応水温は22〜28℃で、25℃前後が最適です。水槽用ヒーター・クーラーは必須になる場合がほとんどでしょう。
弱酸性〜中性(pH6.0〜7.0)の水質を好みます。
初心者であれば、45㎝水槽以上での飼育がおすすめです。水槽が大きいほど水質変化しにくくなります。水換えや飼育密度などによる急激な環境変化にも注意しましょう。

底砂・隠れ家
底砂は、田砂・細目以下の大磯砂など細かい砂が最適です。底床に潜る習性があるので、粒が大きい砂や尖った石だと怪我をすることがあります。
水槽の底にいる魚なので、底砂清掃はこまめに行い、清潔を保ちましょう。
コリドラスパンダが落ち着いて生活できるよう隠れ家になる場所を設けてあげるのも大切です。混泳魚からのストレスを与えにくくする効果もあります。筒型や壷型の隠れ家でも良いですし、流木もおすすめです。流木は、水質を弱酸性に傾けてくれ、水草を活着させることもできますよ。
底砂の汚れやストレスでカラムナリス病やエロモナス感染症などの病気を発症しやすくなります。

ろ過・エアレーション
コリドラスパンダは、なかなかの大食いで水を汚しやすい熱帯魚なので、濾過能力の高い外部式・上部式のフィルターがおすすめです。
ある程度の水流を好み、水流で遊ぶように泳ぎ回ることがあります。エアレーションで水流を作ってあげると良いでしょう。特に外部式フィルターの場合は、酸欠防止にも一役買ってくれますよ。

給餌
コリドラスは、上層の魚が残した餌を食べる掃除屋としても有名ですが、それだけでは足りないので、コリドラス専用の沈むタイプの人工飼料を与えます。飼育水を汚しがちですが、冷凍赤虫も好物です。
できれば毎日決まったタイミングで、3分程度で食べられる量を与えましょう。餌とりが遅いので、混泳魚がいる場合はコリドラスパンダに餌が行き渡っているか特に注意が必要です。
食べ過ぎや餌不足で体調を崩すので、様子を見ながら餌の量をコントロールしてくださいね。

コリドラスパンダを飼育する際の注意点

コリドラスパンダの突然死の原因と対処法をご紹介します。主な原因は以下の3つです。
健康状態の悪い個体を購入している
水槽環境に馴染めない
ストレスに弱い

健康状態の悪い個体を購入している
人気種なので供給量を上げるために、成熟前の個体や輸送ストレスが解消されない状態の個体が多く売られているのが実情です。
以下の3つのポイントを押さえて、購入時に健康な個体を選びましょう。
痩せておらず、まるまると大きい
背びれがピンと立っている
底床を活発に泳ぎ回っている
ショップ店員さんに入荷後どれくらい経過しているか尋ねるのも良い方法です。入荷して2週間程度経った個体なら健康である可能性が高くなります。

水槽環境に馴染めない
コリドラスパンダは、導入時から環境に慣れるまでが肝心。環境に馴染めずに亡くなるパターンが多いからです。
きちんと立ち上がった水槽に、しっかりと水合わせをして導入しましょう。環境に慣れるまでが重要な時期なので注意深く観察します。食欲があり、底床付近で元気に活動していれば大丈夫です。
水換え時も、急激に環境が変化しないよう慎重を期してくださいね。

ストレスに弱い
コリドラスパンダは、ストレスで死ぬことがある少々神経質な魚です。売られている時点で、運搬中のストレスにより弱っていることもあります。
あまり大きい熱帯魚との混泳はストレスを与える可能性があるので、避けるか隠れ家を多く作ってあげましょう。底床で餌とりをする別の魚がいると、食べられなくてストレスになることもあります。解消できないようなら別にしたほうが無難です。


コリドラスパンダの繁殖
コリドラスパンダは、繁殖も楽しめる熱帯魚です。
コリドラスパンダのオスとメス
オスとメスを一目で見分けるのはアクアショップの店員でも難しいようです。まとめて5〜6匹以上を購入すると自然にオス・メスが混在することになるでしょう。
メスは、オスよりもひと回り大きく、ふっくらしていて、腹びれに丸みがあります。オスは、メスを追いかける習性があるので、飼っていればオス・メスが分かってきますよ。

コリドラスパンダの繁殖環境
45㎝水槽以上で、5〜10匹を目安に飼育すると繁殖しやすくなります。水温は25℃前後を保ち、産卵床になるアヌビアスナナなどの水草を入れましょう。
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繁殖行動は、メスがオスの腹に口を付ける「Tポジション」という動きで確認できます。メスが口の中に精子を入れることにより受精するのです。
捕食されるので産卵したらすぐに隔離し、別の水槽で孵化させます。水草の葉裏や水槽のガラス面に産卵することもあるのでよく探しましょう。
孵化して2〜3日はヨークサック(稚魚の成長を助ける栄養分が入った袋)から栄養を摂るので、ヨークサックがなくなった頃に稚魚用の餌を与えてください。

まとめ
コリドラスパンダは、水槽環境に慣れさせることができれば、あとは特に難しいこともなく繁殖も狙える熱帯魚です。「購入時」「導入時」「慣らし期間」を、丁寧に観察し世話してあげることで、長く飼育を楽しめるでしょう。
ぜひ、自宅の水槽で微笑ましいコリドラスパンダの様子を満喫してくださいね。一度飼ったら、その魅力にはまってコレクションしたくなってしまう可能性大です!

