

アフリカンランプアイは比較的飼育しやすい観賞魚のひとつ。メダカの仲間で日本原産のメダカと姿が似ており、可愛らしい姿をしています。目の上が光る特徴があり、日本のメダカには見られない姿が魅力的です。
価格はお手頃で1匹あたり200円程度で購入できます。そのため、アクアリウム初心者に最適な観賞魚といえるでしょう。
しかし、飼育しやすいとはいえ知識0でアフリカンランプアイを飼育するのは難しいです。気がついたら何故か全滅していたという方も珍しくありません。
そこで、本記事ではアフリカンランプアイの育て方について解説します。この記事を読めば、アクアリウム初心者でもアフリカンランプアイの飼育から繁殖まで、できるようになりますよ。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
アフリカンランプアイってどんな魚?

原産地 | ナイジェリアカメールーン |
分類 | カダヤシ目カダヤシ科 |
サイズ | 最大4cm |
特徴 | 目の上が光る |
寿命 | 2~3年程度。 |
飼育難易度 | やや簡単(水槽導入時に注意) |
水温 | 20℃~28℃(適温は24℃~26℃) |
適正水質 | 弱潜性~中性 |
アフリカンランプアイはナイジェリアやカメルーンに生息する、カダヤシ目カダヤシカの観賞魚です。日本に生息する『メダカ』の仲間で姿がよく似ています。
ナイジェリア・カメルーンという南アフリカに生息するため、低水温に弱いという特徴があります。さらに、高水温にも強いとはいえないので、日本のメダカのように屋外で飼育するのは不可能でしょう。

アフリカンランプアイは目の上が光る特徴があります。目の上が光るのは適した飼育をしている場合のみなので、目の上が光っていない場合は飼育方法を見直す必要があるでしょう。
飼育難易度は観賞魚の中でも比較的簡単で、いちど水槽の環境が安定すれば問題なく飼育できます。ただし、導入時や水替え時のPHの変化に弱い観賞魚なので、導入時の水合わせは慎重におこなってくださいね。
日本のメダカの記事もぜひチェックしてみてくださいね
-
-
【何を準備したらいい?】初めてのメダカ飼育に必要なものや飼育の基本を徹底解説
「メダカを飼いたいけど何から準備したらいい?」、「メダカの飼育は難しいのかな?」最近メダカブームの再来によってメダカを飼育したいという人が増えています。 今回は初めてメダカを飼育するという方に、「メダ ...
続きを見る
アフリカンランプアイがオススメなのはこんな人
アフリカンランプアイがオススメな人は以下の通りです。
アクアリウム初心者
混泳させたい人
小さな観賞魚が好きな人
詳しく解説しますね。
アクアリウム初心者
アフリカンランプアイはアクアリウム初心者にオススメです。導入時や水替えが難しいというポイントがありますが、逆にいえば導入時や水替え以外に難しいポイントはありません。
観賞魚の中には水質に敏感な鑑賞魚や病気になりやすい観賞魚がいますが、アフリカンランプアイは急激なPHの変動以外に弱いポイントはありません。そのため、管理しやすいアフリカンランプアイはアクアリウム初心者に最適といえるでしょう。

混泳させたい人
アフリカンランプアイは混泳に適した観賞魚です。アフリカンランプアイは雑食ですが、サイズが小さいので小さな魚を襲って食べることはありません。とはいえ、大型の肉食魚と混泳させてしまうと、逆にアフリカンランプアイが食べられてしまうので注意してくださいね。
混泳できる生体は以下の通りです。
コリドラス

オトシンクルス

ネオンテトラ

プラティ

上記の観賞魚と混泳させたい観賞魚を探しているなら、アフリカンランプアイも候補に加えてみてくださいね。
-
-
【コリドラスパンダは弱いって本当?寿命は?】飼育方法から繁殖まで徹底解説
ユニークな見た目と動きで高い人気を誇るコリドラスパンダ。一度は飼って欲しい魅力的な底物系熱帯魚です。 とにかく愛くるしいアイドルフィッシュ的存在ですが、「コリドラスパンダは弱い」と思われがちで、導入を ...
続きを見る
小さな観賞魚が好きな人
小さな観賞魚が好きな人にもアフリカンランプアイはオススメです。アフリカンランプアイのサイズは最大でも4cm程度だからで、日本に生息するメダカとほぼ同じサイズなので、イメージしやすいでしょう。
小さくて可愛らしい観賞魚を探している人は、アフリカンランプアイがオススメですよ。

アフリカンランプアイの育て方
では、アフリカンランプアイの育て方について解説していきます。
育て方として解説するのは以下の項目です。
小型水槽で飼育可能
水質は弱酸性~中性付近に調整する
複数匹一緒に飼育する
小型魚用のエサを与える
注意したい病気と治療法
個別で詳しく解説しますね。
小型水槽で飼育可能
アフリカンランプアイは小型水槽で飼育可能です。観賞魚の飼育というと「大きな水槽が必要なイメージがある」という方も多いでしょう。
ですが、アフリカンランプアイは体長が最大でも4cm程度の小さな観賞魚です。そのため、過密飼育しなければ小さな30cm水槽でも十分飼育ができます。
30cm水槽ならスペースも取りにくいので、小さなスペースでアフリカンランプアイを楽しめますよ。

水質は弱酸性~中性付近に調整する
アフリカンランプアイを飼育する水質は弱酸性~中性付近に調整しましょう。水道水のPHは地域によって異なります。アフリカンランプアイを導入する前に1度、水道水のPHを確認してみてください。
PHが8以上の水道水なら、水質調整剤を使って水を作る必要があるでしょう。

複数匹一緒に飼育する
アフリカンランプアイは1匹のみで飼育するのではなく、複数匹一緒に飼育してください。アフリカンランプアイは臆病な観賞魚だからです。1匹のみで飼育してしまうと強いストレスで体調を崩して病気になりやすくなります。
そのため、アフリカンランプアイを飼育する際は単独飼育ではなく複数匹(5匹以上)で飼育してあげましょう。

小型魚用のエサを与える
アフリカンランプアイに与える餌は小型魚用のエサを与えます。アフリカンランプアイは最大で4cm程度の小さな観賞魚です。そのため、大型魚に与えるような大粒のエサはアフリカンランプアイの口に入りません。
なので、顆粒の小さな小型魚用のエサを与えてくださいね。もちろん、ブラインシュリンプのような生き餌も有効ですよ。

注意したい病気と治療法
多くの観賞魚愛好を悩ませるのが『病気』の存在です。比較的丈夫なアフリカンランプアイですが、病気とは無縁な観賞魚ではありません。
アフリカンランプアイは以下の病気にかかる可能性があります。
転覆病
イリドウイルス
尾ぐされ病
治療方法も含めて解説しますね。
4転覆病
転覆病はアフリカンランプアイがお腹を仰向けにして転覆する病気です。詳しい原因は不明で、消化不良や浮袋の異常が原因だといわれています。ウイルスや細菌が原因ではないとされているので、魚薬で治療できる病気ではありません。
有効な治療方法は、餌やりを控えて消化器官にかかる負担を減らしてあげるのが有効です。また、予防として開封して半年以上経過した古い餌を使わないようにしましょう。

イリドウイルス
アフリカンランプアイでもっとも厄介な病気が『イリドウイルス』による感染症です。ランプアイやドワーフグラミーに感染するウイルスで有効な治療方法はありません。
感染経路は主に、輸入された時に持ち込まれるイリドウイルスが原因です。健康な個体には発症しない感染症なので、アフリカンランプアイがストレスを感じないように飼育するのが重要です。

尾ぐされ病
尾ぐされ病は多くの観賞魚に発症する病気です。尾ぐされ病を発症すると、ヒレが充血し次第に溶けていきます。治療が遅れると水カビなどの他の病気を発症し亡くなります。
尾ぐされ病の原因は『カラムナリス菌』という水中に常在する細菌です。なので、すべての水槽で尾ぐされ病が発症する可能性があります。しかし、魚の免疫力が正常ならカラムナリス菌に感染することはありません。カラムナリス菌に感染するのは水質悪化などで魚にストレスがかかる環境で飼育している場合です。
尾ぐされ病の予防としては、まず、適度な水替えをおこない水質悪化を防ぐのが基本です。そのあとは、導入している観賞魚にストレスがかからないように飼育すればOKです。
もし、尾ぐされ病に感染したら『グリーンFゴールド顆粒』などの魚薬を使って治療してくださいね。

オグサレ病について詳しく解説した記事はこちら
-
-
オグサレ病はうつる?完治はするの?原因から治療まで徹底解説
「オグサレ病の末期はどんな症状?」 「オグサレ病は他の魚にうつる?」 「水換えでオグサレ病は治る?完治したかどうか分かる方法は?」 オグサレ病は恐ろしい名前をしていますが、実はどんな水槽でも起こりえる ...
続きを見る
アフリカンランプアイを飼育する際の注意点
アフリカンランプアイはアクアリウム初心者でも育てやすい観賞魚です。ですが、育てやすいからといって注意点がないわけではありません。
アフリカンランプアイを飼育する際は、以下の注意点を確認してください。
水槽に導入する際は水合わせをしっかりおこなう
水流は弱くする
ヒーター・冷却装置を導入する
飛び出しに注意する
大型魚との混泳は避ける
過密飼育は厳禁
ひとつずつ解説しますね。
水槽に導入する際は水合わせをしっかりおこなう
アフリカンランプアイを水槽に導入する際は水合わせをしっかりおこないましょう。水合わせとは、観賞魚がもともと住んでいた水質と、新しく導入する水質を合わせる作業です。
とくに、アフリカンランプアイは水質の急変に弱いので水合わせは慎重におこなう必要があります。
水合わせは以下の手順でおこないます。
アフリカンランプアイが入った袋を1時間程度、水槽に浮かべる
袋の中身をバケツに開け、1/4程度水を捨てる
捨てた分だけ水槽の水をバケツに入れる
30分程度待つ
2~4を4回繰り返す
最後にアフリカンランプアイを網で掬い水槽に入れる
時間と手間が必要ですが、水合わせをおこなわないとアフリカンランプアイは直ぐに死んでしまう可能性が高い観賞魚です。面倒くさがらず、丁寧な水合わせをおこないましょう。
水合わせについて詳しく解説した記事はこちら
-
-
[水合わせで失敗したくない!] 点滴法や水合わせ時間まで徹底解説
熱帯魚を購入しご自宅の水槽に入れる際は必ず水合わせを行う必要があります。 水合わせは「pHショック」「アンモニア中毒」によるダメージを避け「水温」「水質」を均一にすることにより、生体の健康を維持する上 ...
続きを見る
水流は弱くする
アフリカンランプアイを飼育する水槽のエアレーションは弱くしましょう。アフリカンランプアイは強い水流を好む観賞魚ではありません。
なので、強い水流で管理してしまうと流れに逆らってしまい体力を多く消耗します。その結果アフリカンランプアイが弱ってしまい、亡くなってしまうことも。
そのため、水槽に設置する外付けフィルターやエアレーションは、水流を弱くするように調節しましょう。

ヒーター・冷却装置を導入する
アフリカンランプアイを飼育するならヒーターや冷却装置を導入しましょう。アフリカンランプアイの適正水温は20℃~28℃です。
日本には四季があるため、室内でも水温が上下しやすいです。そのため、冬はヒーター、夏は冷却装置の導入が必須といえるでしょう。

飛び出しに注意
アフリカンランプアイは飛び出しに注意してください。アフリカンランプアイは臆病な観賞魚です。ライトの点灯や足音などのちょっとした刺激で驚き、水槽から飛び出します。
跳躍力が高く少し水位を下げた程度では簡単に飛び出します。そのため、アフリカンランプアイを飼育している水槽は必ず『蓋』をしてください。
最近の水槽は蓋付きで販売されています。地震対策なども考えて蓋をのせるフレームを購入しておくのもいいでしょう。

大型魚との混泳は避ける
アフリカンランプアイは大型魚との混泳は避けましょう。大型魚に捕食されるだけでなく、アフリカンランプアイにとって大きなストレスになるからです。
混泳できる生体は以下がオススメです。
コリドラス
オトシンクルス
ネオンテトラ
プラティ
どの生体も小型で温厚な性格なので混泳に適していますよ。
過密飼育は厳禁
アフリカンランプアイの過密飼育は厳禁です。過密飼育は水汚れが早くなるだけでなく、ストレスの原因にもなります。30cm水槽なら10匹、60cm水槽なら20匹程度を目安に飼育してあげましょう。

アフリカンランプアイの繁殖
アフリカンランプアイの飼育が安定したら、アフリカンランプアイを繁殖させてみましょう。繁殖と聞くと「初心者には難しそう」「特別な飼育が必要なんでしょ?」と思いがちです。
実際はどうなのか、以下の5項目に分けて解説しますね。
アフリカンランプアイの繁殖は初心者でも可能
水温は24℃~28℃程度を維持
水槽に入れる数は5匹程度にする
ウィローモスやマツモを入れる
アフリカンランプアイの繁殖は初心者でも可能
結論から説明すると、アフリカンランプアイの繫殖はメダカ交配同様、初心者でも可能です。特別な育て方や設備は必要なく、普通にアフリカンランプアイを育てるだけでも繁殖する可能性もあります。
そのため、あまり難しく考えないで大丈夫ですよ。

水温は24℃~28℃程度を維持
アフリカンランプアイの繁殖に適した水温は24℃~28℃です。なので、繁殖を積極的に狙うなら低くても24℃、高くても28℃を維持しましょう。サーモスタット機能付きのヒーターや水槽の冷却装置を使用すれば問題ないでしょう。

水槽に入れる数は5匹程度にする
アフリカンランプアイの繁殖を狙う場合は、水槽に入れる数を5匹程度に抑えましょう。オスメスの比率は2:3が理想的です。オスが多いとオス同士で争いを起こすのでオスは少なめに入れるのがベスト。
オスメスの見分け方は、以下の方法で判別可能ですよ。
性別 | 判断方法 |
オス | 背ビレ・尻ビレがメスに比べて大きいヒレ全体が黄色っぽい |
メス | オスに比べて背ビレ・尻ビレが小さく丸っぽいヒレが半透明 |
ヒレの違いはオスとメスでハッキリしているので、しっかりと判別して水槽に入れてあげましょう。

ウィローモスやマツモを入れる
アフリカンランプアイの繁殖を狙うなら、ウィローモスやマツモを入れましょう。ウィローモスやマツモを入れることで、アフリカンランプアイが抱卵した卵を水中の水草に付けるようになります。
卵は親のアフリカンランプアイに捕食される可能性があるため、別途管理できるようにウィローモスなどの水草を導入します。ウィローモスやマツモはレイアウトとして優れているだけでなく、水質浄化にも効果的なのでぜひ、導入してくださいね。

マツモについて詳しく解説した記事はこちら
-
-
[コスパ最強水草!]マツモの育て方から増やし方まで徹底解説
金魚やメダカなどの日本淡水魚を育てる上で、人気の高い水草の一つでもあるマツモ。 水草の中でも比較的価格がリーズナブルであり、ホームセンターやペットショップなどでも見かけることが多く、手に入りやすいのも ...
続きを見る
卵や稚魚の管理・育成方法
卵や稚魚の管理・育成方法はひと癖あります。とくに稚魚はデリケートなので管理は慎重におこなう必要があります。
以下の項目に注意して、卵や稚魚の管理をおこないましょう。
卵の付いた水草を別の水槽に移動させる
卵は25℃程度で5日程度管理する
生まれた稚魚にはブラインシュリンを与える
粉餌は生後1ヶ月程度から
詳しく解説しますね。
卵の付いた水草を別の水槽に移動させる
卵の付いた水草を別の水槽に移動させましょう。親のアフリカンランプアイのいる水槽に卵が付いた水草をそのままにしておくと、卵が食べられてしまうからです。
アフリカンランプアイは雑食性なので、口に入るものならなんでも食べます。時には、自分で産んだ卵や生まれたての稚魚も捕食対象になります。
そのため、卵の付いた水草は別の水槽に移動させましょう。

卵は25℃程度で2週間程度エアレーション強めで管理する
取り出した卵の付いた水草は、25℃程度の水温で2週間エアレーション強めで管理します。エアレーションを強めにおこなう理由は、卵に水カビが発生する可能性があるからです。
水カビが発生すると卵は孵化しないので、注意してくださいね。また、水カビの防止は水替えも重要になるので、適度な水替えもおこないましょう。

生まれた稚魚にはブラインシュリンを与える
生まれた稚魚にはブラインシュリンを与えましょう。生まれたての稚魚は非常に小さくエサを食べる量も少ないです。なので、小型魚用のエサをすりつぶして与えると、あっという間に水が悪くなります。
そこで、生き餌である『ブラインシュリン』を利用することで、水質悪化を防ぎながら、栄養価の高いエサを与えることができますよ。稚魚に与えるエサとしてブラインシュリンは優れたエサといえるでしょう。

粉餌は生後1ヶ月程度から
粉餌を与え始めるのは生後1ヶ月程度から与え始めるのがオススメです。1ヶ月程度育成できれば、稚魚はある程度の大きさになり粉餌が口に入るようになります。
粉餌に慣らすためにも徐々に粉餌を与え始めましょう。ブラインシュリンと違い、粉餌なら手間もかからないので育成が簡単になりますよ。

まとめ
本記事ではアフリカンランプアイの育て方を解説しました。アフリカンランプアイは日本のメダカの仲間ですがアフリカに生息するため、温度を安定させる必要がありましたね。また、増やし方も日本のメダカ交配同様、初心者でも問題なく繁殖させることができます。
本記事のポイントは以下の通りです。
アフリカンランプアイはアフリカに生息するメダカの仲間
適温水温は20℃~28℃
ヒータや冷却装置を導入する必要がある
PHの急変に弱いので水替え時や導入時は丁寧に時間をかけておこなう
本記事ではアフリカンランプアイの育て方に付いて解説しているのでぜひ、読んでみてくださいね。

