「レモンテトラ」とは、独特な形状と鮮やかな色合いが特徴の魚で、アクアリストの間では人気の生体です。レモンテトラは比較的小型の魚でありながら、その鮮やかなレモンイエローで存在感のある泳ぎを見せてくれます。
活発な泳ぎや群れを作る姿は観察するだけでも楽しいですよ。この記事では、レモンテトラの飼育方法や特徴、注意点などを詳しく解説しますのでぜひ最後までチェックしてみて下さい。

レモンテトラの特徴とは?
レモンテトラ(Lemon tetra)は、主にアマゾン川流域原産の小型の淡水魚です。そんなアマゾンからやってきたレモンテトラはどんな魚なのでしょうか?まずは特徴について解説していきます。
特徴①:外見が可愛い
レモンテトラは成魚で体長が約4〜5センチメートルほどで、小型の魚です。体色は鮮やかなレモンイエローで、透明感のある体を持っています。
背びれや尾びれには黒い縁取りがあり、鮮やかなコントラストを生み出しています。目の周りも赤く鮮やかな模様があり、混泳している姿はすごく可愛らしいです。
特徴②:群れで泳ぐ
レモンテトラは社会性が高く、群れを作ることが特徴です。群れを作ることで安心感を得られるため、飼育時には数匹以上の群れを作ることが望ましいです。
ただし、飼育環境や群れの大きさによっては、争いが発生することもあるため、適切なスペースと水草などの隠れ家を用意してあげるといいでしょう。
特徴③:温厚な性格
レモンテトラは比較的温厚な性格を持っています。他の魚との競争や攻撃的な行動をあまり見せず、穏やかに行動する傾向があります。そのため、他の生体とも相性がよく、混泳に向いている生体です。
特徴④:飼育が容易
レモンテトラは初心者でも飼育しやすい生体です。もちろん水質や温度の管理には注意が必要ですが、基本的な飼育条件下であれば問題なく育ちます。
飼育時に癖がないので、アクアリウムの基礎を勉強しながら育てたいという方には向いています。

レモンテトラの生息地と分布
レモンテトラ(英: Lemon tetra)は、主に南アメリカのアマゾン川流域およびその周辺地域に生息しています。具体的には、ブラジル、ペルー、コロンビアなどの国々で見られます。
レモンテトラは、アマゾン川の支流や沼地、河川の浅い部分など、水が比較的静かで透明度の高い環境を好みます。特に植物の密集した水域や周辺の森林の下にある河床で見られます。
レモンテトラの飼育環境と水質要件
鮮やかな外見と飼育が比較的容易であることから、多くのアクアリストに人気があるレモンテトラですが、適切な飼育環境と水質条件を整えることで、レモンテトラの色揚げにも繋がり、より鮮やかなレモンイエローにすることができます。
この色揚げがレモンテトラを飼育する時の醍醐味なんです!
水槽のサイズ
レモンテトラは小型の魚ですが、活発に泳ぐので、水槽のサイズは余裕を持って用意しておくと魚たちは喜ぶと思います。目安としては5匹程度までなら30㎝〜45㎝、10匹までなら60㎝、15匹なら90㎝がおすすめです。

水温
レモンテトラは熱帯魚であり、水温は24〜28度の範囲が適切です。水温を安定させるために、ヒーターを使用して水温を一定に保つことが重要です。

水質
pH値: 中性から弱酸性(pH 6.5〜7.5)
硬度: 水の硬度は中程度からやや硬め(2〜12 dGH)
水質: 週に約25〜30%の水を交換し、水質を安定させる
水流とフィルタリング
レモンテトラは穏やかな水流を好みます。小さめの水槽でパワーフィルターを使用すると洗濯機状態になってしまいレモンテトラにストレスを与えてしまうので、水流調整ができるものか水槽サイズにあったフィルターを選ぶようにしましょう。
ちなみに筆者は30センチキューブ水槽でアクアコンパクトを使用しています。

装飾と植物
レモンテトラは植物の豊富な環境を好みます。水槽には適度な数の水草や隠れ家を配置してあげると安心できます。
特に繁殖を考えているのであれば水草がないと産卵しないか、産卵したとしても食卵の被害にあうため繁殖が難しくなります。
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餌
レモンテトラは雑食性で、餌としては乾燥したフレークやペレット、凍結乾燥の餌、生餌(ミジンコやブラインシュリンプなど)を与えることができます。なんでも食べるので餌やりに困ることはないですね。

レモンテトラの食事と餌の与え方
前述した通り、レモンテトラは雑食性です。基本的には食べる餌のバリエーションも多く餌に困ることはないです。以下に基本的なレモンテトラの餌食について解説しますので参考にしてみてください。
餌の種類
レモンテトラは主に飼料用のフレークフードを食べます。一般的に売られている小魚用のフレークフードで十分なので餌に困ることはありません。
たまにブラインシュリンプをあげると喜んで食べるのでおすすめです。
餌の量
レモンテトラに与える餌の量は、様子を見ながら少しづつあげましょう。餌の与えすぎは水質の悪化にもつながるので、ちょっと少ないかなと思うくらいで大丈夫です。
餌の与え方
レモンテトラには水面に浮かんでる餌の方が食べやすいです。フードの浮力があることを確認し、水面に浮かぶような餌を選ぶと良いでしょう。
ただ筆者が飼育しているレモンテトラは底床に落ちた餌も結構食べてます。
餌の頻度
通常、レモンテトラには1日2回程度でいいですが、水槽内の熱帯魚はあまり体力を消耗していないので1回でも十分です。
筆者が飼育しているレモンテトラたちはとにかく食いしん坊で水草の食害を防ぐために、1日2回を目安に餌食しています。
レモンテトラの繁殖と繁殖行動
レモンテトラの繁殖は少し難しいかもしれません。筆者もなんとか繁殖に成功しましたがやはり簡単ではありませんでした。
繁殖が難しい理由としては以下の2点があげられます。
親魚の食卵
稚魚が小さすぎる
カラシン系の熱帯魚ではよくあることですが、産卵した瞬間に親魚が卵を食べてしまいます。産み方も丁寧に産むというよりは、卵をばら撒くように産むので余計に食卵しやすい状況になっています。
産卵した卵が散らばらず親魚に食べられにくい産卵場を用意してあげると卵を救出することができます。筆者はウィローモスを水槽に沈めてみたところ、そこに産卵するようになりました。そして、産卵した頃を見計らってウィローモスごと水槽から取り出しサテライトにウィローモスを入れて卵を採取しました。
しかし、卵から孵化した稚魚はやっと目で見える程度の大きさでブラインシュリンプを食べられる大きさではありませんでした。
稚魚にはペットボトルで増やしたゾウリムシをあげて育ててみたところ、しっかりと育ってくれました。
少し初心者には難しいですが、繁殖もアクアリウムの醍醐味のひとつなので、ぜひ挑戦してみてください。
レモンテトラの飼育上の注意点と問題点
これまでに解説してきた内容と重複しますが、まとめとして確認してみてください。
水質管理
レモンテトラは、清潔で安定した水質を必要とします。適切なフィルターシステムを備えた水槽を用意し、定期的な水換えと適切な水質テストを行いましょう。
水温とpH
レモンテトラは、温暖な水温と中程度の酸性(pH 5.5〜7.5)を好みます。水槽内の温度とpHを一定に保つことが重要です。
適切な餌
レモンテトラは雑食性であり、生餌や人工飼料を与えることができます。バラエティに富んだ食事を提供し、栄養バランスを保つように心掛けましょう。
群れでの飼育
レモンテトラは社交的な魚であり、群れでの飼育を好みます。群れで泳ぐ姿はレモンテトラのチャームポイントの一つですので、5匹以上で飼育してあげるといいでしょう。
他の魚との相性
レモンテトラは一般的におとなしい魚ですが、大きく攻撃的な魚や繊細な魚との飼育は避けるべきです。相性の良い魚種と一緒に飼育することをおすすめします。ちなみに、私の水槽ではレモンテトラとオトシンクルスを混泳させています。
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疾病と予防
レモンテトラは一般的に丈夫な魚ですが、水質の悪化や適切でない餌、ストレスなどが原因で病気になることがあります。予防のために水質管理や適切な餌与えに注意し、定期的な観察を行いましょう。
繁殖の管理
レモンテトラは繁殖が比較的容易です。繁殖を管理する場合は、専用の繁殖用水槽や隠れ家を提供し、適切な水温と餌を与える必要があります。
レモンテトラの種類と品種のバリエーション
一般的なレモンテトラの種類と品種のバリエーションをいくつか紹介します。
レギュラーレモンテトラ(Regular Lemon Tetra)
一般的なレモンテトラの基本的な形態と色合いを持つ品種です。体全体が明るいレモンイエローで、透明な鱗が特徴です。
ブルーレモンテトラ(Blue Lemon Tetra)
この品種は、体色にブルーの要素が加わったものです。一般的なレモンテトラと同様に明るいイエローを基調としていますが、体の一部や鱗に青色が混ざっています。
ゴールドレモンテトラ(Gold Lemon Tetra)
ゴールドレモンテトラは、金色の体色を持つ品種です。一般的なレモンテトラよりもより鮮やかな色合いを持ち、金色の光沢が特徴です。
ハイフィンレモンテトラ(High Fin Lemon Tetra)
この品種は、他のレモンテトラと比較して長い背ビレ(フィン)を持っています。体色は一般的なレモンテトラと似ていますが、背ビレの長さが特徴的です。
レモンテトラと他の淡水魚との相性

レモンテトラ(Lemon Tetra)は、一般的に温和な性格を持つ淡水魚です。他の淡水魚との相性は、いくつかの要素によって異なる場合があります。以下に、レモンテトラの一般的な相性の傾向を示しますが、個体によっても異なる可能性がありますので、注意が必要です。
同じ種類のテトラ類:
レモンテトラは、同じテトラ科の仲間であれば仲良く混泳することが多いです。例えば、ネオンテトラやカージナルテトラと一緒に混泳させると水槽もかなり華やかになります。
小型の緩和魚:
レモンテトラは比較的小型で温和な性格を持つため、他の小型で穏やかな淡水魚とも一緒に飼育することができます。例えば、ネオンテトラ、プラティ、グッピー、コリドラス・キャットフィッシュなどが挙げられます。ただし、餌の競合やテリトリーの問題に注意が必要です。
大型のアグレッシブな魚:
レモンテトラは小型で繊細な魚ですので、大型で攻撃的な魚との相性は悪い場合があります。大型のシクリッド(カワハギ)やアロワナなど、他の魚に威嚇や攻撃行動を示す種類の魚とは一緒に飼育しない方が無難です。
相性を考える際には、魚の成長のスピードや餌の競合、水質条件の一致なども重要な要素です。新しい魚を導入する際には、相性を確認するために飼育書や専門家のアドバイスを参考にすることをおすすめします。
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レモンテトラの疾病と予防策
レモンテトラは一般的に丈夫な魚ですが、いくつかの疾病にかかる可能性があります。主な疾病と予防策を以下にまとめました。
白点病
白点病はレモンテトラによく見られる寄生虫感染症です。感染すると、体表に小さな白い斑点が現れます。予防策としては、新しい魚を導入する前に隔離水槽で観察し、感染している魚を他の魚と分離することが重要です。また、水質の管理や定期的な水の交換も予防に役立ちます。
水カビ病(水カビ類感染症)
水カビ病はレモンテトラの鰭や体表にカビのような症状を引き起こす疾病です。予防策としては、水槽の水質を維持し、適切なフィルタリングや酸素供給を行うことが重要です。また、定期的な水槽の掃除と魚のストレスを最小限に抑える環境を提供することも予防に役立ちます。
腺腫病(リンプノード病)
腺腫病はレモンテトラのリンパ組織に腫瘍が形成される疾病です。この病気は感染症やストレスによって引き起こされることがあります。予防策としては、水質管理を徹底し、適切な栄養バランスのある食事を与えることが重要です。また、魚が健康でストレスの少ない環境で飼育されることも予防に役立ちます。
以上がレモンテトラの一般的な疾病と予防策の概要です。疾病の早期発見と適切な処置が重要ですので、症状や疑わしい異常を見つけた場合は、専門家の助言を仰ぐことをおすすめします。
まとめ
レモンテトラは、その人気の理由として、鮮やかな外見と活発な性格が挙げられます。彼らの鮮やかな黄色の体色と、尾びれの黒い縞模様は、水槽内で目を引く存在となります。また、小型魚でありながら、活発で活動的な性格を持っているため、水槽内での観察が楽しめます。
さらに、レモンテトラは飼育が比較的容易であり、初心者にもおすすめです。彼らは水質や水温に対して寛容であり、飼育環境の設定も比較的シンプルです。また、餌にも特にこだわりがなく、一般的な魚の餌を与えることができます。
レモンテトラは社交的な性格を持ち、同種や他の小型魚とも穏やかに共存することができます。群れでの飼育がおすすめであり、数匹以上を一緒に飼育することで、彼らの本来の行動や社会性を観察することができます。
また、レモンテトラは繁殖も比較的容易です。適切な環境を整えれば、自然に繁殖することがあります。卵や稚魚の世話も比較的簡単であり、初心者でも楽しむことができます。
総合して言えば、レモンテトラは鮮やかな外見、活発な性格、飼育の容易さ、社交性、繁殖のしやすさなど、多くの魅力を持っています。そのため、魚の飼育初心者から上級者まで、幅広い層の人々に人気があり、おすすめされるのです。