AAC AQUARIUM CLUB / FISH GUIDE
ガラス面に、ぺたっ。
小さなコケ取り名人。
オトシンクルスは、水槽のガラス面や流木、水草などに吸い付く姿がかわいらしい小型ナマズの仲間です。
付着藻類などを食べることから「コケ取り生体」として知られていますが、 「水槽のコケだけで飼える魚」と考えるのは要注意。
水槽内の食べられるものが不足すると痩せてしまうことがあり、 長期飼育では餌の確保や体型のチェックがとても重要です。
この記事では、オトシンクルスの特徴から水温・水質・餌・混泳、 そして餌不足を防いで長く飼うためのポイントまで詳しく紹介します。
この記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。 価格・在庫・送料・製品仕様は販売先でご確認ください。
オトシンクルスってどんな魚?
オトシンクルスは南米に分布する小型のナマズの仲間です。 口が吸盤のような形をしており、 ガラス面・水草・石・流木などに張り付く姿をよく見せます。
一般的に流通するオトシンクルスは小型で、 温和な性格から水草水槽や小型魚との混泳水槽でも人気があります。
| 分類 | ナマズ目ロリカリア科の小型魚 |
|---|---|
| 分布 | 南米 |
| 大きさ | 一般的な種類で数cm程度 |
| 性格 | 比較的温和 |
| 食性 | 付着藻類・バイオフィルムなどを食べる雑食性 |
| 混泳 | 温和な小型魚などが候補 |
コケを食べてくれることは大きな魅力ですが、 オトシンクルス自身にも適切な飼育環境と十分な餌が必要です。 「水槽掃除のためだけの魚」と考えないことが長期飼育の第一歩です。
オトシンクルスは本当にコケ取り名人?
オトシンクルスはガラス面や水草、流木などの表面をなめるようにして、 付着している藻類やバイオフィルムなどを食べます。
特に、水草の葉の表面などをついばむ姿はよく見られます。 水草を大きく荒らしにくいことも、水草水槽で人気がある理由のひとつです。
すべてのコケを食べてくれるわけではない
ここは勘違いしやすいポイントです。 「オトシンクルスを入れれば、水槽のあらゆるコケがなくなる」というわけではありません。
コケにはさまざまな種類があり、 黒髭ゴケなど、オトシンクルスによる除去を期待しにくいものもあります。
また、いわゆる藍藻は一般的な藻類とは異なり、 シアノバクテリアの仲間です。 オトシンクルスだけに対策を任せるものではありません。
オトシンクルスは「万能コケクリーナー」ではありません。 コケの種類に応じて、照明時間・栄養・換水・水流など、 発生原因そのものを見直すことも大切です。
エビを使ったコケ対策についてはこちらの記事でも紹介しています。
-
-
ヌマエビの魅力と育て方を徹底解説!初心者向けガイド
アクアリウムにおいて、水槽のコケ取り生体として、まず名前が挙がるのがヌマエビのヤマトヌマエビとミナミヌマエビの2種類です! 温和な性格でサイズも小さいことから、小型魚やめだかとの相性も良く、コケ取りは ...
続きを見る
オトシンクルスの飼育環境
オトシンクルスを長く飼うためには、 単に水温やpHを特定の数字に合わせるだけでなく、 急激な環境変化を避け、安定した水槽をつくることが重要です。
水温
一般的な熱帯魚を飼育できる範囲を基本に、 急激な水温変化を避けて管理します。
夏場の高水温や冬場の低水温が続く環境では、 水槽用ヒーターや冷却ファン・水槽用クーラーなどを 必要に応じて使用します。
水質
弱酸性〜中性付近の水質を基本として飼育できますが、 「特定のpHに合わせること」以上に、 水質を急変させないことを意識します。
特に導入時は、購入元の水と自宅の水槽で水温・水質が異なる可能性があります。 時間をかけて水合わせを行いましょう。
水槽サイズ
オトシンクルスは小型ですが、 水槽サイズは魚の体長だけで決めるものではありません。
混泳魚の数、ろ過能力、遊泳スペース、水草量などを含め、 水槽全体の飼育密度から判断します。
広告|水槽を選ぶときは飼育匹数・ろ過能力・設置スペースも確認しましょう。
流木・石・水草を取り入れる
流木や石、水草などの表面は、 オトシンクルスが張り付いたり、 付着物をついばんだりする場所になります。
隠れられる場所もつくれるため、 水槽内を何もない状態にするより、 自然なレイアウトを取り入れるのがおすすめです。
底床はソイルだけに限定する必要はありません。 底床の種類よりも、水槽全体の水質・ろ過・餌・レイアウトを 安定させることを優先しましょう。
広告|流木はサイズや形状を確認し、水槽サイズに合うものを選びましょう。
最重要!オトシンクルスは餌不足に注意
オトシンクルス飼育で特に注意したいのが、 水槽内の食べられるものが不足して痩せてしまうことです。
オトシンクルスを水槽へ迎えると、 ガラス面や水草などに付着したものを食べてくれます。
ところが、水槽がきれいになるにつれて オトシンクルスが利用できる食べ物も少なくなります。
さらに、新しく立ち上げたばかりの水槽では、 そもそも付着藻類やバイオフィルムなどが十分に形成されていないことがあります。
そのため、 「水槽にコケがあるから大丈夫」と判断せず、 オトシンクルス自身の体型と食べている様子を観察することが重要です。
オトシンクルスには何を与える?
水槽内の自然な付着物だけで十分な餌を確保できない場合は、 人工飼料などを補助的に利用します。
沈下性の餌を試す
植物質を含む沈下性タブレットなど、 底付近でゆっくり食べられる餌を候補にできます。
ただし、個体によっては人工飼料へすぐに反応しないことがあります。 「入れたから食べているはず」と考えず、 実際に口を付けているか確認しましょう。
野菜を補助的に使う方法もある
個体によっては、加熱して柔らかくした野菜などを食べることがあります。
使用する場合は少量から試し、 長時間放置して水質を悪化させないよう、 食べ残しは回収しましょう。
人工飼料を与えていても、 混泳魚に先に食べられてしまえばオトシンクルスには届きません。 給餌後の様子まで観察しましょう。
広告|オトシンクルス用の補助餌には、沈下性・植物質を含むタイプなどがあります。
オトシンクルスの混泳
オトシンクルスは比較的温和な魚なので、 同じく穏やかな小型魚などとの混泳を検討できます。
ネオンテトラなどの小型カラシン類をはじめ、 オトシンクルスを追い回さない魚が候補になります。
攻撃性の強い魚には注意
オトシンクルス自身がほかの魚を積極的に攻撃する心配は比較的少ない一方、 攻撃性の強い魚や大型魚から追い回されたり、 傷つけられたりする可能性があります。
混泳では魚の大きさだけではなく、 性格・水温・水質・遊泳スペース・餌の競合まで確認しましょう。
毎日ここを見よう!オトシンクルスの健康チェック
オトシンクルスは「水槽を掃除しているか」ではなく、 魚そのものを観察することが大切です。
-
お腹が極端にへこんでいないか
以前より痩せて見える場合は、 十分な餌を取れているか確認します。
-
実際に餌を食べているか
人工飼料を投入しただけで安心せず、 オトシンクルスが食べているところまで観察します。
-
呼吸や動きに変化がないか
いつもと違う場所でじっとしている、 呼吸が明らかに速いなどの変化がないか確認します。
-
混泳魚に追われていないか
常に隠れている場合は、 混泳魚との関係や隠れ場所の不足も確認しましょう。
オトシンクルスにも種類がある
ショップでは「オトシンクルス」という名前で販売されていても、 複数の近縁種が流通しています。
一般的なオトシンクルス
アクアリウムショップでよく見かけるタイプです。 小型で温和なため、水草水槽のタンクメイトとして人気があります。
オトシンクルス・ネグロ
一般的なオトシンクルスとは外見や流通名が異なるタイプで、 こちらも水草水槽などで飼育されています。
タイガーオトシンなど
模様が美しい種類も流通していますが、 一般的なオトシンクルスと同じ感覚で飼育できるとは限りません。
購入するときは、 魚種ごとの飼育条件や餌への適応を確認してから迎えるようにしましょう。
広告|生体を購入するときは、個体の体型・状態・飼育条件を確認してください。
水草は入れても大丈夫?
オトシンクルスは水草水槽との相性がよく、 葉の表面に張り付いている姿もよく見られます。
健康な水草を積極的に食べ尽くす魚として考える必要はありませんが、 餌不足を防ぐことは大切です。
水草は隠れ場所や休息場所にもなり、 自然な飼育環境を作るのにも役立ちます。
扱いやすい水草のひとつ、マツモについてはこちら。
-
-
[コスパ最強水草!]マツモの育て方から増やし方まで徹底解説
金魚やメダカなどの日本淡水魚を育てる上で、人気の高い水草の一つでもあるマツモ。 水草の中でも比較的価格がリーズナブルであり、ホームセンターやペットショップなどでも見かけることが多く、手に入りやすいのも ...
続きを見る
オトシンクルスのよくある疑問
オトシンクルスを入れればコケはなくなりますか?
すべてのコケを食べるわけではありません。 オトシンクルスが食べやすい付着物もあれば、 除去を期待しにくい種類もあります。 コケの発生原因そのものへの対策も必要です。
オトシンクルスには餌を与えなくても大丈夫?
水槽内の付着藻類やバイオフィルムなどだけでは 不足する可能性があります。 体型を観察し、必要に応じて人工飼料などを補助的に与えましょう。
何匹飼うのがおすすめ?
「必ず1匹」などと固定するのではなく、 水槽サイズ・ろ過能力・混泳魚・餌を確保できる量などから判断します。 複数飼育する場合は、全個体が十分に餌を取れているか特に確認しましょう。
初心者でも飼えますか?
飼育候補にしやすい小型魚ですが、 餌不足を見逃さないことが重要です。 「コケ取り生体だから放っておいても大丈夫」と考えず、 毎日状態を観察しましょう。
新しく立ち上げた水槽にすぐ入れてもいい?
立ち上げ直後は水質が安定しておらず、 オトシンクルスが利用する付着物も十分でない可能性があります。 水槽環境が安定してから迎える方が管理しやすくなります。
ENJOY YOUR AQUARIUM
コケを食べる魚から、
ずっと眺めていたい魚へ。
ガラス面にぺたっと張り付いたり、
葉っぱの上をちょこちょこと移動したり。
オトシンクルスには、 「コケ取り」という役割だけではない魅力があります。
水槽をきれいにしてくれる魚ではなく、 水槽で一緒に暮らす一匹の魚として。
餌と体型をしっかり観察しながら、 かわいらしい姿を長く楽しんでください。
もっと熱帯魚を知る AAC水槽倶楽部の飼育ガイドを見る →EXPLORE MORE


