水槽で水草や魚などを飼育する際にはフィルターが必要不可欠になります。水質を維持して水草や魚たちに快適な環境で過ごしてもらいたいですよね?
しかしフィルターにはいくつも種類があり、当然ながらそれぞれにメリットデメリットがあります。今回はそんなフィルターの中でも外部フィルターについて仕組みやメンテナンス方法などを紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
外部フィルターとは

外部フィルターはその名の通り水槽の外部に設置するフィルターです。濾過装置を水槽の外に置き、吸水口と排水口は水槽内に設置します。
内部フィルターとの違い
外部フィルターの他に内部フィルターもあり、フィルターを取り付ける場所に違いがあります。名称にあるように外部フィルターの場合は水槽の外に取り付けるタイプであり、内部フィルターは水槽内に設置するタイプとなります。
基本的な仕組みは同じですが、それぞれにメリットやデメリットがあるため、把握してから選ぶことをおすすめします。ちなみに内部フィルターは外部フィルターよりも安価で購入できるメリットがありますが、濾過能力に関しては外部フィルターの方がメリットがあります。
外部フィルターのろ材
外部フィルターでは数種類のろ材を組み合わせて濾過をしており、ろ材の種類によって取り除くことができる物が変わってきます。
最近のものはメーカーが最適なフィルターをセットで販売しているので、そういったものを使用するのがおすすめです。
ベテランアクアリストの中にはフィルターの種類や入れる順番など独自のフィルターセットを作る方もいますが、それも一つの醍醐味ですね。
ただ、メーカーがセットで販売しているフィルターはメーカーが実証実験などをして考え抜いた最適なセットなので、初心者の方は説明書通りに使用しましょう。
物理ろ過
物理ろ過は大きなゴミなどを取り除くことに適しているフィルターであり、餌の残りや糞などを綺麗にしたいときにおすすめのフィルターです。大きなゴミしか取り除くことができない仕組みであり、通水性に優れている特徴があります。
生物ろ過
生物ろ過とは、バクテリアの力を借りてろ過する仕組みであり、有害なアンモニアを無害な成分に変えることが期待できます。バクテリアが生息しやすい小さな穴が多く空いたフィルター素材を使用している特徴があります。
化学ろ過
化学ろ過は活性炭やゼオライトを使用するろ過方法であり、水の黄ばみや悪臭の原因を取り除くことが期待できます。

外部フィルターの仕組み
外部フィルターの仕組みは簡単な構造になっており、構造が簡単なだけに壊れにくいのも特徴です。
まず名前の通りろ過装置の本体が水槽の外部に設置できる仕組みになっており、給水パイプに汚れた水が通り本体のフィルターで水を綺麗にして排水パイプから綺麗な水を排出する仕組みになっています。
さらに外部フィルターの本体部分には大量の濾材を入れる事ができます。この本体部分で汚れた水を綺麗な水に変えるので一番重要な役割を担う場所になっています。
他にもバクテリアが魚の糞等を分解してくれるのでバクテリアが住める場所を多く作る事が、より濾過能力に繋がる部分になるので外部フィルターの本体の容量が大きいのが、外部フィルターの特徴になっています。
外部フィルターに適した水槽
中型水槽or大型水槽
ここでは30㎝~90㎝水槽を中型、大型水槽としますが外部フィルターは非常に濾過能力が高いのでその分流量も多いため小型水槽の20㎝水槽などで使用すると洗濯機状態になってしまうので中型水槽か大型水槽にオススメします。
水草水槽
外部フィルターは水草の生育に適しているメリットがあります。水草の生育にはCO2が必要になりますが、空気に触れると逃げてしまいます。
しかし、外部フィルターはほぼ密閉回路で、吸水してから排出されるまで空気に触れることがないため、CO2を維持してくれます。
流量も多いので止水域を減らす事ができてアンモニアの発生を防ぐので水草が生い茂っている水槽にもオススメです。
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飼育魚の数と種類
飼育魚の数が多い場合には濾過能力が多く求められますので外部フィルターが濾過能力においては一番適しており、飼育魚の種類によっては水槽が汚れやすかったりしますのでオススメします。
外部フィルターのメリット・デメリット
外部フィルターが優秀と言ってももちろんデメリットも存在します。
そこで外部フィルターのメリット・デメリットの両方をご紹介します。自身の水槽をイメージして外部フィルターが合っているのかどうか、検討材料にしてみてください。
メリット
静音性が高い
外部フィルターの本体は水槽の外部にありモーター部分も大きいので静音性が高くモーターの音はほとんど感じられません。
寝室に置いていても音を気にする事はないです。
一番フィルターで悩みが多いのが音なので今のフィルターの音が気になる方は外部フィルターに変えてかなり静かになったと言う方が多いほど静音性は高いです。
インテリア性が高い
他のフィルターは水槽に取り付けたり、フィルターが見えてしまいますが外部フィルターの本体は外部にあるので水槽台の下等に置く事ができるので水景を邪魔する事がありません。
さらに給水・排水パイプもいろんな種類が多く出ているので自分好みに変えていく事もできます。
濾過能力が高い
外部フィルターはろ材容量も多く、生物濾過によりバクテリアを多く保持しているので濾過能力が高いのがメリットです。
一度に多くの飼育水を濾過装置内に取り込めるので効率よく濾過ができ、水質も安定しやすいです。
デメリット
価格が高い
フィルターの中で一番値段が高いのが、外部フィルターになります。
他のフィルターに比べると倍ほどの値段がします。水槽のサイズによりますが、よく使われる60㎝水槽の外部フィルターで一万円ほどかかります。
設置場所が必要になる
外部フィルターは水槽内に設置しなくても良いため、綺麗にレイアウトできるメリットはありますが、水槽外に本体を設置する場所が必要になります。また、性能によって水槽の水面との高低差がありすぎるとうまく作動しない場合もあります。
メンテナンス
外部フィルターは長期的に使えますがその分メンテナンスを怠ると故障や水漏れ流量の低下などがおきますので定期的にホースやフィルターの清掃をしなければなりません。
ただ、メンテナンスをしっかり行えば故障もしにくいですし、なかには15年以上も使用している方もいるくらいです。

外部フィルターの手入れ
外部フィルターは構造がシンプルなので、分解して清掃することができます。最近の外部フィルターは多機能化して分解できないものもありますが、基本的なお手入れは共通する部分が多いと思いますので参考にしてみてください。
ホースの清掃
まず給水パイプと排水パイプに汚れが溜まると流量の低下の原因になります。しっかりとパイプ内のゴミを取り除いてください。
インペラーの清掃
こちらも流量の低下や油膜の原因になりますので清掃が必要になります。インペラーはモーターヘッドについているプロペラのような部品ですが、清掃を忘れがちな部品です。なかなか流量低下が改善しない場合はインペラーの汚れが原因かもしれません。
Oリングの確認
この部分が破損していたり劣化していると、水漏れの原因になりますので定期的にワセリンを塗ってヒビ割れしていないか確認するようにしましょう。
基本的にOリングは消耗品なので、各メーカーでパーツを販売しています。あまり劣化が目立つようであればパーツ交換をした方がいいですね。
ろ材の清掃
ろ材にはバクテリアが住んでいます。あまりガッツリ清掃し過ぎてしまうとせっかくのバクテリアがいなくなってしまうので、2~3か月に一度くらいで水洗いするようにしましょう。
フィルター本体も1か月に一度は水洗いして濾過能力が存分に発揮できるようにしておきましょう。
モータ部分にも汚れが溜まりやすくフィルターの清掃をするタイミングでモータの内部の汚れも取る必要があります。ほっておくと異音や水漏れのリスクがあるので忘れないようにしないといけません。
外部フィルターの選び方

外部フィルターといっても種類が多く形もメーカーによって様々あります。水槽のサイズによっても違うので、自分の水槽に適した外部フィルターを選ばなければなりません。
適合サイズ
水槽のサイズに対して外部フィルターの濾過能力が適合しているのかを一番に確認しなければなりまん。水槽のサイズに対して濾過能力が低いのはもちろんダメですが、逆に高すぎても外部フィルターの流量が強すぎて水槽が洗濯機状態になってしまいます。
各メーカーが推奨している適合サイズを参考に選んでみてください。
部品の入手方法
外部フィルターには消耗品がありますので、基本的にはメーカーが出している部品でないと取りつけられなかったり、故障の原因になりますので部品がすぐに入手可能なのかが重要になってきます。
そのためフィルターの安さで購入してしまうと部品が手に入らず後で困る事になりますので、アクアリウムショップやネットですぐに購入できるかは確認しておきましょう。
静音性と濾材の容量
せっかく外部フィルターを購入して音がうるさかったら意味がありませんので、ネットの口コミなどで静音性が高いのか確認するのが良いとおもいます。
あとはろ材の容量もメーカーによって違うので、飼育魚に応じてろ材が十分に入れる事ができるか確認しないといけません。
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まとめ
今回は外部フィルターについてご紹介していきました。
フィルターにそれぞれメリットデメリットがありますが、その中でも外部フィルターはデメリットが少ないので本格的にアクアリウムも始める方には一番オススメです。
他のフィルターを使用していて、フィルターで悩みのある方は外部フィルターに変える事で改善される事もあるので、自分の水槽と相談してから決める事がいいのではないでしょうか。