ショートヘアーグラスは、比較的育てやすいので初心者でも挑戦しやすい水草です。水槽の底に敷き詰めて草原のように見せる事が出来きる扱いやすい水草ですが、絨毯のように敷き詰めようと思うとそれなりの時間がかかります。また、苔などへの対処法を知らないと景観を損ねるだけでなく、枯れてしまう事もあります。
今回はそんなショートヘアーグラスの育て方や苔への対処、手入れのポイントを紹介して水草を綺麗に見せるためのコツなどを紹介していこうと思います。水槽内を綺麗に保ち理想のレイアウトで、充実した水槽ライフを過ごしましょう。
ショートヘアグラスの特徴

ショートヘアグラスはカヤツリグサ目カヤツリグサ科の植物で、ヘアーグラスの中では背丈が2㎝程度と低い種類のものになります。背丈が低いので水槽の手前側に植えて彩ったり、全面に敷き詰めたりしやすい水草です。
見た目は針のように細い葉ですが、カールしているので重なり合うとかなりのボリューム感がでます。広がると草原感を出しやすいでしょう。横に這うように広がっていき、地下茎で増えていきます。成長速度は速い方で勝手に増えて広がっていきます。
ショートヘアグラスの他に前景を彩る水草としてグロッサなどもあり、他の水草と混ぜて植える事で、より草原感を出すことが出来ます。
ショートヘアグラスはこんな人にオススメ
比較的育てやすい水草なので初心者にオススメです。
水槽内のレイアウトを考えた時にも自然な草原を演出できるのでいくつかの石と組み合わせる事で、初心者でも上級者ばりの構図を作ることが可能になります。

ショートヘアグラスの育て方
ショートヘアグラスは初心者向きの水草ではありますが、何もしなくても育つというわけではありません。基本的な育て方を把握しておけば失敗の少ない水草であるということです。ここからはショートへグラスの基本的な育成方法について紹介します。
植え方
ショートヘアグラスは根付くまでに時間がかかるため、浅く植えると浮力に負けて浮いてきてしまう事があります。土に深く植え付け、少し斜めに植えると抜けにくくなります。植える量にもよりますが3cmぐらいの間隔をあけて植えると、2~4ヶ月程度で絨毯のように敷き詰められます。
ショートヘアグラスは、地下茎で増えていくので増やそうとしなくても勝手に増えていきます。間隔が詰まりすぎると子株が、他のショートヘアグラスを押し上げてしまいますので少し間引いて整えましょう。

光量
弱い光量だとうまく光を吸収することが出来ず、葉が黄色くなってしまったり、丈だけ伸び過ぎてしまいランナーが展開できないと言った事が見られるようになるので、出来るだけ高い光量を維持した方が良いでしょう。

CO2添加
二酸化炭素を添加することで水草の成長が促され、苔の発生要因である栄養素を水草が吸収するので苔によるトラブルを回避することが出来ます。
二酸化炭素の添加にはイースト菌と砂糖を使った発酵式、ボンベを使ったボンベ式、炭酸水を使った方法、クエン酸と重曹を使用した化学反応式などがあります。それぞれにメリットとデメリットがあります。
コスト的なことを考えて安く済ます事も出来ますがその分、他の手間がかかりするのでどれがいいのか考えて選びましょう。
発酵式などは安く始めることが出来ますが、発酵の具合で二酸化炭素が発生するので、自分でコントロール出来ないデメリットがあります。また、夜間はエアーを付けないと油膜ができてしまうため、生体数によっては酸欠になってしまいます。
ボンベ式などは二酸化炭素の量をコントロール出来ますが、設備に費用が掛かります。水槽の大きさ、費用などから、自分に何が合っているかよく検討しましょう。

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ショートヘアグラスを育てる際の注意点
ショートヘアグラスはランナーが、広がり始めると一気に大量の栄養が必要になります。肥料を使う場合は根から肥料を吸収するので、液体肥料より固形肥料の方が良いでしょう。
葉の色が黄色っぽくなってしまった場合は、栄養不足のサインかもしれません。肥料を入れる時や水換えの際などに葉の周りにゴミが残っていると、苔の発生につながるのでしっかり取ることが大切です。ショートヘアグラスに苔が、付くと景観が損なわれるだけでなく枯れにつながってしまいます。
苔が付いてしまった場合は、苔を取り除いてくれる生体を入れましょう。ショートヘアグラスは葉が細いのでヤマトエビやオトシンクルス、サイアミーズフライングフォックスを入れるのが無難でしょう。アオミドロなどの厄介な苔が、付着した際は手で大方を取るなど、葉自体を切り取ってしまいましょう。
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ショートヘアグラスに付く苔の多くは、糸状苔の場合が多いので遮光する事で増加を防いで消滅させる事が出来ます。1週間ほど布などで水槽を包み遮光して放置しましょう。
他にもオキシドールやAPTなどの除去剤を使用する方法もありますが、ショートヘアグラスに直接吹きかけてしまうと白くなってしまうので注意しましょう。
オキシドールの添加は、10Lに対して6mlが目安です。60㎝水槽(60L)であれば36mlが添加量になります。2日目に水槽の水替えを1/3にします。換水後に初日の半分の量を添加する。20Lに対して6mlのオキシドールを添加します。3日目は水替えの必要はないですが、初日の半分の20Lに対して6mlのオキシドールを添加します。
これはあくまで目安になるので薬剤を使用する場合は、水量に合わせて適切な量を入れて様子を見ながら使用しましょう。また、異常が見られる場合は使用を中止しましょう。
除去剤を入れてもなかなか苔が除去できない場合は、ショートヘアグラスごと刈り取ってしまうのが一番効率的です。見た目はみすぼらしくなりますが、その方が綺麗な状態に再現する事が出来ます。

ショートヘアグラスのおすすめのレイアウト

ショートヘアグラスを前景に使い、他の短めの水草との組み合わせで、敷き詰めて雑草感が出て草原を表現できます。雑草感を出すためにグロッソスティグマやエキノドルス・テネルスと混ぜて植えるのがいいでしょう。
底床をショートヘアグラスで埋めると、後ろに植える水草との遠近感が顕著に出ます。ヘアーグラスは高さが10㎝ぐらいになるので、前景~中景に植える事で高さの差を出しレイアウトしましょう。
手前にショートヘアグラスを、中央に石や流木を配置して、後ろに背の高い水草を持ってくると奥行きを見せることが出来ます。
ショートヘアグラスの葉は、上へと伸びていきますので、放置すると前景としての魅力がなくなってしまいます。伸びてきたタイミングを見てトリミングが必要です。ですが、カッティングは難しく、ある程度技量がないと葉先が平らになって自然な草原感がなくなってしまいます。
まとめ
ショートヘアグラスは、アクアショップやネット販売などで購入が可能です。アクアショップでは、水上葉として大容量で鉢売りしている事が多いようです。価格は300~500円ぐらい購入できます。
ネット販売は、それよりも高価になりますし、送料がかかるものも在ります。
他にフリマサイトなどで購入する事が出来ます。しかし、販売者が水槽のリセットのタイミングで出店する事があるので購入は可能ですが、苔が付着しているものあるので注意が必要であまりお勧めできません。
また、ショートヘアグラスの種を販売している場合は『ヘアグラス風』や『ヘアーグラス系』と書かれているものは、イネ科の別の植物の種の事もあり、きちんと育たない事もあるので購入は控えましょう。
今回はショートヘアグラスについて解説してきました。水草は生体にとっても重要な環境要因にもなり、アクアリストにとっては水草のレイアウトも醍醐味の一つです。ぜひ参考にしていただき理想の水槽ライフを楽しみましょう。